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秋色の宝石


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日が差したように色や光がはじけるのが、凹面カットスタイルの先駆者であり元GIA講師であるRichard Homerが彫刻したインペリアル トパーズの中に見られます。凹面ファセットは平坦なファセットのように1つの方向ではなく、湾曲したファセットの面全体に沿って光を返します。写真提供: Gems by Design, Inc. オハイオ州Kent(ケント) © Richard Homer 写真撮影:Robert Weldon

自然は秋になると、鮮やかなパレットのように変わる木の葉の色や万華鏡のように素晴らしい夕日を見せてくれます。しかし、豊かな地球の色調の中にある宝石の宝庫は、一年中、収集の準備が整っています。

秋を思わせる色の中にある宝石、ジュエリー、鉱物を見て、この色鮮やかな季節を始めましょう。

通常、処理が施されていない天然トパーズは、淡黄色、茶色、無色または灰色です。そのほかに自然の色合いにはピンク、緑、青、紫もありますが、これらはあまり鮮やかな色ではありません。トパーズで最も人気のある色は青ですが、最も価値ある色はオレンジ、ピンク、赤、紫色で、一般的にインペリアルトパーズと呼ばれ、秋の夕焼けの美しさを映します。

磨された宝石はオレンジと緑の閃光色を持つ。
このエチオピア・Mezezo産ファイアー オパールには強い閃光色効果が見られる。提供:Cody Opal(コディオパール) 写真撮影:Robert Weldon/GIA

宝石の品種は似たものにちなんで名付けられる場合が多くあり、例えば秋の色合いを象徴するサンストーン、ファイアー オパール、ファイアー アゲートなどがあります。

サンストーンのアベンチュレッセンスと呼ばれる現象は、光を反映する小さなヘマタイト、銅、板状小片のゲーサイトの内包物によります。現象の外観は内包物によって異なり、小さな内包物は、どの地色の上にも、赤みを帯びた、または金色の光沢を作り出しますが、大きな内包物は、魅力的な、光り輝く反射を生み出します。ほとんどのサンストーンの地色は、黄色、オレンジ色、または茶色です。オレゴン州は、最高級サンストーンの主な産出地です。

盾のようなブローチの中心にはオレンジ、青、緑色の石が並んでいる。石の中心はダイヤモンドやオレンジ、青、赤の宝石に囲まれている。


ファイアー オパールは暖かい色相の赤、オレンジ、黄色のものが見つかります。それらは透明、半透明、不透明で、通常、ガラス状の光沢があります。世界最古のオパールのカッティング会社のひとつ、Emil Weis Opals店(ドイツ・イダー=オーバーシュタイン)のJürgen Schützによると、メキシコ産のファイアー オパールのみがファセッティングするのに十分な透明度を持ちます。その色は無色からルビーに相当するほどのえんじ色まで及ぶといいます。このタイプの鉱物は大量に用意することができ、規格サイズにカットすることもできます。世界中のオパールの大半はオーストラリア、メキシコ、エチオピア産です。

オレンジ、茶色、緑の彩色を持つ不規則な形の石。
このファイアー アゲートはカルセドニーの中のイリデッセンスが素晴らしい例である。提供: Mineral Company, Inc.  写真撮影:Robert Weldon/GIA

ファイアー アゲートは、カルセドニー、マイクロもしくは隠微晶質クォーツのバラエティです。オレンジ色が渦巻くように燃えるイリデッセンスと茶色、黄色、緑色のキラキラ輝く線が適切に名付けています。葡萄房状であり、まるで葡萄の房のようです。このファイアー アゲートはカルセドニーに見られるイリデッセンス現象が素晴らしい例です。

アゲートはオレンジ、茶色、黄色といった深みのある秋の色をしており、色の層や帯状になっていることがよくあります。1800年代、大量のアゲートがブラジルのRio Grande do Sul(リオ・グランデ・ド・スル)で見つかり、カッティングのためにドイツ・イダー=オーバーシュタインに送られました。ブラジル産アゲートはその色の深みのため、今日でも宝石彫刻家たちの間で人気を集め続けています。

明るい黄色(円形)、オレンジ(楕円形)、緑色(円形)の宝石セット。
トルマリンはカラーゾーニングを持つことで知られており、2~3色が見られるものが多く、そして広範囲な色合いの単色の形も成す。光を放つマルチカラーのトルマリンのセットは秋空の夕日のようであり、色の多様性を見せてくれる。提供:Bjorn Anckar 写真撮影:Robert Weldon/GIA

10月の誕生石、オパールとトルマリンも黄色、オレンジ、茶色の秋を思わせる色合いを持ち、それは広範囲であります。11月誕生石、シトリンとトパーズは黄色から赤の範囲で、この季節のテーマによく合います。

他の宝石も秋の色の美しさと多様性を伝えます。

琥珀 - 黄色と黄金色の琥珀は消費者に最も馴染みのある色ですが、琥珀色は透明な赤のものもあり、その価値は高まります。まれに、強い蛍光により琥珀の外観が青や緑がかった色に見えることがあり、その価値をさらに高めます。その非結晶質構造は、植物や動物の内包物を保存するときの良い媒体になります。

この作品の中心から続く宝石のラインと金属の「線」に点在しているパールがそれをまとめる。
「Solar Motive(太陽の原動力)」は蜂蜜色のバルト海琥珀に爆発的な金の光線、それに付随してシトリン、アルマンディン、パールがが見られ、オレンジの宝石のギャラリーコレクションを高める。提供:Anthony & Elizabeth Duquette Foundation for the Living Arts 写真撮影:Orasa Weldon/GIA

シトリン-天然カラーのものは稀少です。市場のほとんどのシトリンは熱処理による淡い紫色のアメシストが元であり、それはトパーズやイエローサファイアの魅力的な代用石になります。

ガーネット -数種類のガーネットグループも、最も明るいスペサルティン(オレンジ色)などの秋色があり、その範囲は一般的に、黄色みがかったオレンジから赤みがかったオレンジまでがあります。

パール-黄金の南洋パールは、最も望まれる価値のもののひとつです。このパールは海水産貝白蝶貝のゴールドリップ種の中で育ち、これにより厚い真珠層と暖かい金の色合いが与えられます。

ゴールドの色合いのパールはそれぞれの各花の中心にあり、ツートンカラーの金属の花びらでまとめられている。
この南洋真珠のリングとイヤリングのセットは、日没時に見られる夕日の最初の輝きと同じように、強い橙色に対する柔らかい色合いのコントラストを表す。提供: Wing Hang Diamond(香港) 写真撮影:Robert Weldon/GIA

サファイア - 一般的にサファイアは青いと考えがちですが、実際サファイヤにはさまざまな色や色合いがあります。強力なライト〜ミディアムのピンクがかったオレンジもしくはオレンジがかったピンクのパパラチャ サファイアは最も希少価値のものです。

鮮やかな色彩の宝石の中から与えられる秋色の宝石は、秋のムードにひたるのにぴったりです。

Sharon Bohannonは、写真の研究とカタログ化、そして記録を行うメディア編集者であり、GIAよりGGおよびAJPを取得しました。Richard T. Liddicoat 宝石学図書館情報センターに勤務しています。