煌びやかな庭園: 母なる自然がもたらすデザインのパラダイス


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サファイア、ダイヤモンド、ガーネット、ルビー、エメラルドが、見事な輝きを放つ昆虫のピンを生み出す。写真撮影:Robert Weldon/GIA

花が咲き乱れている庭は静かに瞑想を行う場所のように見えるかもしれませんが、実際のところ活気で満ち溢れています。

蝶、トンボ、ハチドリが飛び回り、クモ、毛虫、トカゲがゆっくりと地面を這っています。その一方では、花が庭を飾り立てる宝石のように輝いています。

うっとりとするほど美しい庭園で見かけられる可愛らしい生き物や花は、ビクトリア朝、アールヌーボーや現代のジュエリーデザインを美しく表現するのに好まれているモチーフです。

19世紀初頭のビクトリア朝の宝飾品は、植物および動物を科学的に分類するために誕生した植物学および動物学に関心が強く寄せられたことに影響を受けました。これらのデザインは、昆虫や花の自然界を正確に表現したものでした。ファッションの流行に敏感な女性は、宝石をちりばめた昆虫のピンや関節が動く脚が付いたビクトリア朝のクモのエナメル製ブローチを髪の毛や礼服に付けて素敵に着飾っていたかもしれません。

Four clover leaves climb up a branch – framed on the left side with a crescent of pearls.
Green enamel lends color to the clover design of this crescent brooch set with pearls. Tiny diamonds at the center of each cloverleaf add a dash of sparkle. The brooch is late Victorian or late 19th century, by Krementz. Courtesy of Mary Matthews. Photo by Valerie Power/GIA

1867年に南アフリカで発見されたダイヤモンドは、竜やグリフィンなどの神話に登場する生き物だけでなく、昆虫、動物、三日月、星などにきらめきを与えるためにピンとブローチで使用されました。また、シードパールが花や自然なモチーフのビクトリア朝の宝飾品でアクセントとして使用されていました。

ヘビは愛の象徴としてビクトリア朝初期の宝飾品で人気を博しました。ヘビの宝飾品の人気が高まった理由として、アルバート公子がビクトリア女王に贈った婚約指輪の影響が挙げられます。それは、エメラルドが頭にセットされているヘビを特徴とする指輪であったためです。英国王室は、婚約に用いるジュエリーの流行を常に生み出しています。

これとは対照的に、1880年代半ばにフランスとベルギーで開花したアールヌーボーも自然界に着目していましたが、自然を模倣するのではなく、むしろ自然に対する理解を深めるという傾向にありました。これは、アールヌーボーの発展に貢献した最も重要な唯一の要因として考えられている日本の芸術の影響と普及にある程度起因しています。この新しいスタイルは、ヨーロッパ全域で流行し、ロシアや南北アメリカにも影響を及ぼし、より厳格なビクトリア朝のデザインと比べて新鮮な変化をもたらしました。

View of a dragonfly brooch from above. Translucent wings and body of blueish opal.


ビクトリア朝およびアールヌーボーの宝飾品の両方で人気が高いエナメル加工は、多くの場合、宝石を使うだけでは表すことができなかった花、葉、昆虫の動きおよび繊細な色とデザインの両方を表現するのに最適の技法でした。プリカジュール(Plique-à-jour)は、光がエナメルを介して通過するように構築されたエナメル加工であり、エナメルが半透明に見え、トンボや蝶などの羽のある昆虫を表現するのに適しています。また、アールヌーボーの宝飾品を制作していたジュエラーは、遊色効果があることからオパールを非常に好んでいました。

アールヌーボー運動を代表する宝石商のGeorge Fouquetは、宝石をちりばめた豪華な蝶やトンボの羽が女性の体と頭部を飾る作品を1880年代に作成しました。この作品では、動きを表現するために、「むちひも」と呼ばれることがある流れるような優美なラインが使われています。

A blister pearl in the center, framed by diamonds and framed on the bottom with green enamel leaves.
The natural blister pearl pin, with green enamel leaves and diamond accents, is in the style of George Fouquet, a leading jeweler of the Art Nouveau movement. Photo by Robert Weldon/GIA

花や昆虫が創り出す自然の世界は、モダンなデザインに引き続き刺激を与えています。過ぎ去った時代の名残り、そして花が咲き乱れる庭園の新しい表現は、今日の宝飾品でも見ることができます。カラー宝石の素材は、以前と比べて容易に利用できるようになり、精密にファセットカットされるか、または彫刻されて見事に素晴らしい芸術品となります。依然として人気の高い真珠は、カラー宝石、ダイヤモンド、エナメルと合わせることでデザインを表現するのに役立ちます。

そのようなわけで、親友の肩にいる毛虫を払い落す前に、宝石がある昆虫ではないことを必ず確認しましょう!

Sharon Bohannonは、写真の研究とカタログ化、そして記録を行うメディア編集者であり、GIAよりGGおよびAJPを取得しました。Richard T. Liddicoat 宝石学図書館情報センターに勤務しています。