中国ダイヤモンド交易センター訪問
4月 29, 2014
中国ダイヤモンド交易センターは、上海ダイヤモンド取引所(別名:ダイヤモンド取引所)の本拠地でもあります。 2000年10月に中国ダイヤモンド交易センターが設立されるまで、輸入税、付加価値税(VAT)、輸入ダイヤモンド消費税などの課税は35~40%でした。 現在の中国のダイヤモンド課税政策は、非常に好ましい状態になり、付加価値税(VAT)はわずか4%です。 (実際は中国に輸入されるすべての製品に17%のVATが課せられますが、ダイヤモンドに関しては13%が払い戻されるため、ダイヤモンドのVAT税率は実質4%になります。) この減税はダイヤモンド取引所の意見によって生まれたもので、高い税金を回避して中国国内に密輸されるダイヤモンドの数を大幅に削減するのに役立ちました。
取引所の影響力
中国のダイヤモンド業界はダイヤモンド取引所の設立によって大きな恩恵を受けました。 取引所の設立前は、公式の年間ダイヤモンド輸入総額は100万米ドル程度でした。 しかし2011年までには、輸入総額は50億米ドル以上に達し、そのうち20億米ドルは中国本土への輸入でした。 世界的な経済不況のために2012年の輸入総額は10%減少したものの、2013年の輸入指数は高くなる見込みです。ダイヤモンド取引所は2004年にWorld Federation of Diamond Bourses(世界ダイヤモンド取引所連盟)に加盟し、2008年に上海で第33回World Diamond Conference(世界ダイヤモンド会議)を主催しました。
取引所の使命
ダイヤモンド取引所は中国のダイヤモンド輸出入に係わる唯一の法的機関です。 中央政府によって設立され、その使命はダイヤモンドの輸出入手順を簡素化し、取引をより便利にすることです。中国の法律によると、すべての輸入ダイヤモンドは、取引所を経ていくつかの手順に従わなければなりません。 その一つは、中国に輸入されるダイヤモンドは税関での申告と認証が必要であるというものです。それを行わなければ、違法に密輸されたものとみなされます。 ダイヤモンドは、取引所で専門家が開封、検査、査定を行ったあと課税されます。
キンバリープロセス証明書
ダイヤモンド原石にはキンバリープロセス証明書が必要です。 その必須検査が中国では厳重に行われています。 キンバリープロセス証明書の検査・登録を行うために、ダイヤモンド取引所には特別部門が設けられています。 証明書が検査を通過すると、その原石は中国の国内市場で販売することができます。 中国は2013年にキンバリープロセスの副議長国に選ばれました。 2014年には議長国になり、また国家品質検査局の役人が議長を務める予定です。オープンプラットフォーム(開かれた場)
中国ダイヤモンド交易センターは、世界中のダイヤモンド取引業者を歓迎する完全なオープンプラットフォーム(開かれた場)です。 会員数は350を超えており、そのうち67%が海外で、イスラエル、ベルギー、英国、フランス、米国、日本、アフリカ、その他の国々の会員がいます。 ダイヤモンド会社の会員数は、中国本土114社、香港62社、インド50社、イスラエル32社、ベルギー23社で、残りはその他の国々です。会員資格
中国ダイヤモンド取引所への入会を希望するダイヤモンド会社は一定の資格が必要です。 一つ目は、業界で3年以上の経験を有し、その業務に精通していることです。 二つ目は、中国ダイヤモンド取引所の登録会員2社の推薦があることです。 新会員は1年間の仮登録期間を経なければなりません。三つ目は、金銭的要件で、入会金2万米ドルが一括で必要です。 会員が事業の不成功などの理由で取引所から脱退を希望する場合、この入会金は返金可能です。
もう一つの重要な条件として、中国で営業するダイヤモンド会社は、中国国家ダイヤモンド管理局(DAC)の承認を受け、中国の法律に従って登録されなければなりません。 DACから承認およびライセンスを取得した後、輸出入業務に従事し、税関、税務管理、キンバリープロセス手続を行うことが許可されます。
DACの主な役割
DACは他の政府機関と共同して、中国ダイヤモンド取引所内の取引だけでなく、国中の日々のダイヤモンド輸出入を管理しています。DACの主な役割は、通常取引条件下での国内ダイヤモンド輸出入の管理・統計分析、ダイヤモンド取引所の規定に基づく取引の検査・検証および取引所業務の監督、ダイヤモンド取引関連の問題に関する取引所内の政府役員との協力などです。 また、DACは外資系ダイヤモンド会社設立の検査・承認や、それらの会社の業務の日常的な規制を司っています。 ダイヤモンドの輸出入やその他のダイヤモンド取引に関する規制・方針の策定に関与し、取引所や国内外のダイヤモンド会社にサービスを提供しています。
建物と部署
中国ダイヤモンド交易センターが入居しているタワーは、上海にある素晴らしい建造物で、面積が49,000平方メートルあります。 その建物はダイヤモンドの全取引を一ヶ所でできるように設計されており、最新のセキュリティや通信、技術を誇っています。 DACはそのタワー内に有り、他のダイヤモンド関連の政府機関も入居しています。支援企業には、銀行やグレーディングラボ、輸送会社、研修機関、ダイヤモンド団体、セキュリティ会社などがあります。
税関
税関は、ダイヤモンド輸出入の申請処理や、取引所で取り扱われるダイヤモンドの検査、ダイヤモンド輸入税の徴収、取引所内のダイヤモンド取引・保管の管理、加工のために取引所から出荷されるダイヤモンドの点検を行っています。
検査検疫総局
検査検疫総局は、キンバリー証明書の検証および発行を担当しています。 中国の通常取引や上海の下請け取引における原石の輸出入の確認も行っています。
税務署
税務署は、取引所会員の国内取引の税務管理を担当しています。 税務署の浦東支署は、会員企業のVAT(付加価値税)の処理を担当しています。
工商省と外為交換所
工商省はダイヤモンド関連の産業および商業管理を担当しています。外為交換所はダイヤモンド関連の外為管理を担当しています。
中国ダイヤモンド産業の発展
ダイヤモンドジュエリーは、1980年代に中国の主要市場に入ってきました。 経済と社会の急速な発展、人々の生活水準の継続的改善、そして消費の急拡大に伴い、ダイヤモンドジュエリーの売上高は年間15~20%の割合で増加しています。 現在、中国は日本を抜いて世界第二位のダイヤモンド消費市場になっています。中国のダイヤモンド研磨産業も1980年代初頭に大幅に成長し始め、1990年代に勢いを増しました。 現在、中国はインドについで第二位のダイヤモンド研磨国になっています。 中国は毎年、600万カラットを超えるダイヤモンドを研磨し、80以上の中・大規模工場で50,000人以上のポリッシャーを雇用しています。 工場のほとんどは広東省、山東省、上海にあります。 中国は高品質の精密カットのニッチ市場を発展させ、チャイナカットとして自国製品を市場に出しました。
中国のダイヤモンド研磨の大半は、海外クライアントの下請けです。海外クライアントはダイヤモンドを研磨するために中国企業を雇っています。 輸出用にダイヤモンドジュエリーを生産するジュエリー製造業者もたくさんあります。
この驚異的な成長の一部は、上海の中国ダイヤモンド交易センターのポリシーと組織のおかげです。