宝飾品が語るストーリー:
中国スタイルのデザイナーYue-Yo Wang(ユエヨー・ワン)とのインタビュー


台湾出身の宝飾品デザイナーYue-Yo Wang(ユエヨー・ワン)は、Wang Yue-Yo Creative Jewelry Design(ワン・ユエヨー・クリエイティブジュエリーデザイン)の創設者です。 写真提供:Wang Yue-Yo Creative Jewelry Design(ワン・ユエヨー・クリエイティブジュエリーデザイン)。
中国には宝飾品デザインの長い歴史があります。 何千年もの間、中国の人々は、自分自身を着飾るために宝飾品を使用してきました。 今日では、ますます多くの西洋人デザイナーが、宝飾品に東洋の要素を取り入れています。

台湾出身の宝飾品デザイナーYue-Yo Wang(ユエヨー・ワン)は、伝統的な中国の宝飾品デザインに身を捧げてきました。 彼女は、独自の作品を作成するために、現代のジュエリーデザインおよび製造技術を中国結びの芸術と組み合わせました。 完成したすべての作品には、独自のストーリーがあります。

Yue-Yo(ユエヨー)のデザインは、「中国風」に使用される大きくて高品質の素材が特徴です。
写真提供:Wang Yue-Yo Creative Jewelry Design(ワン・ユエヨー・クリエイティブジュエリーデザイン)。 

中国結びの芸術

中国結びの芸術の歴史は、紀元前1600年あたりまでさかのぼります。 それ以前は、結びは日常的に重要な出来事や数字を記録するための実用的な目的を果たしていました。 その後、書面による記録管理の発展に伴い、結びは徐々に実用的な目的を失い、より装飾的なものとなりました。

中国結びの芸術は、西暦600 年あたりから1900年代初期までピークに達しました。 中国社会の激変があった100年にわたった期間中、ほとんどの他の芸術とともに、結びの発展は一時停止しました。 現在、結びは、この古代の芸術を高く評価するようになった若い世代により復活されています。 結びに使用される糸は、さまざまな素材から作られています。 結びの芸術は、部屋の装飾や宝飾品に使用することができます。 中国では、経験豊富な結びの製作者のために様々なレベルの資格試験さえも確立しました。

かつて、Yue-Yo(ユエヨー)は主婦として非常にリラックスして楽な生活を送り、中国の芸術的なティーポットを収集して楽しんでいました。 不測の事態が夫の事業に影響を与えたときに、彼女の楽な生活が終わり、収入を稼がなければならなくなりました。 これをきっかけに、結びのティーポットカバーと一緒にティーポットのコレクションを販売する小さなビジネスを開始しました。

彼女は、徐々に結びをとても気に入るようになり、利益をあげるために結びを使用することができると判断しました。 彼女は結びの技能を上達するのに時間を費やし、短期間で有名な結びの製作者となりました。 人々は彼女に結びの芸術の教育プログラムを設立するようにアドバイスし、多くの学生が、なかには海外からも、彼女から学ぶために来ました。

結びの製品とクラスのおかげで彼女の利益は増加しましたが、結びには多くの労力が必要とされる割に、比較的低価格で販売されていました。 注文を完了するために残業または一晩中働かなければならなかったこともよくありました。 この状況が、彼女の製品に価値を追加するためのより効率的な方法を探すきっかけとなりました。 彼女は衣服、装飾品、および他の商品に結びの技術を使用してみました。 それから、現代の宝飾品の製造方法と結びの芸術を組み合わせた素晴らしいアイデアを思い付きました。

彼女はまだ宝飾品デザイナーではなかったので、学生に結びの作業のほとんどをまかせて、宝飾品デザインを学び始めました。 これを達成することは、彼女の宝飾品会社にとって大きな利点となり、世界経済が苦境にあったときにも非常に成功していました。

この宝飾品のラッピングバンドを作成するために使用された結びの糸。  写真提供:
Wang Yue-Yo Creative Jewelry Design(ワン・ユエヨー・クリエイティブジュエリーデザイン)。
台北のWang Yue-Yo Creative Jewelry Design(ワン・ユエヨー・クリエイティブジュエリーデザイン)の本部。 写真提供: Wang Yue-Yo Creative Jewelry Design(ワン・ユエヨー・クリエイティブジュエリーデザイン)。 

自分のそして会社の成長

Yue-Yo(ユエヨー)は、約20年間も宝飾品デザイン業界に携わっています。 その間、彼女の会社は、重要な発展段階をいくつか経験してきました。

1993年から1999年まで、Yue-Yo Wang Creative Jewelry Design(ワン・ユエヨー・クリエイティブジュエリーデザイン)は「中国風」の宝飾品のデザインコンセプトを推進するのに専念しました。 国際的な消費者を魅了し、企業イメージを構築するために、多くの大規模な国際宝飾品ショーに参加しました。 2000年から2005年までは、Yue-Yo(ユエヨー)と彼女の同僚は、宝飾品デザインと製造技術をさらに開発しながら、様々な社会事業への参加を増やしました。

2005年頃、彼女は中国本土の宝石市場の急速な発展と莫大な将来性に気がつきました。 彼女は、チームとともにこの主要な市場を探索するために西へ向かいました。 それ以来、現時点では、北京で2007年にオープンしたギルドの店舗を含め、中国本土中に10店以上の店舗をオープンしました。 2008年には、Yue-Yo(ユエヨー)は北京オリンピックのお土産となる水晶の龍のスタンプを共同でデザインするよう、Beijing Shanyuan Jewelry Company(北京シャンユアン宝飾品社) より依頼されました。 この出来事のため、彼女と彼女のデザインがより多く人目に触れるようになり、「中国風」の宝飾品の将来についてもっと自信が持てるようにもなりました。

2012年、Yue-Yo(ユエヨー)は、Taiwan Creative Jewelry Design Association(台湾クリエイティブジュエリーデザイン協会)を形成することで、もうひとつの夢を現実にしました。 彼女は、この組織が芸術的な宝飾品デザインに焦点を当て、世界中に中国文化を広めたいと願う宝飾品デザイナーをもっと引き寄せることを期待しています。

Yue-Yo(ユエヨー)は宝飾品だけでなく、「中国風」の衣服もデザインします。 彼女の宝飾品と衣服はぴったり合います。  写真提供: Wang Yue-Yo Creative Jewelry Design(ワン・ユエヨー・クリエイティブジュエリーデザイン)。
北京にある同社のギルドの店舗の外観。 写真提供:Wang Yue-Yo Creative Jewelry Design(ワン・ユエヨー・クリエイティブジュエリーデザイン)。 
Yue-Yo Wang(ユエヨー・ワン)がデザインした代表的な中国風の宝飾品をこのスライドショーにてご覧いただけます。

宝飾品デザインの概念とインスピレーション

Yue-Yo(ユエヨー)のデザインを注意深く見ると、伝統的な中国のシンボルおよび長いタッセルや糸のパターンなどの中国結びの芸術からの要素が常に見受けられます。彼女のデザインの主な焦点は、シーンやストーリーを作成するために異なるシンボルを組み合わせることです。

鳥、花、タッセル、中国語の文字のパターンは、Yue-Yo(ユエヨー)のデザインにおいて
共通する要素です。 写真提供:Wang Yue-Yo Creative Jewelry Design(ワン・ユエヨー・クリエイティブジュエリーデザイン)。
Yue-Yo(ユエヨー)のデザインは、通常、彼女の手にある石からアイデアを得ています。 彼女はすべての宝石が独自の魂を持っていると信じており、それを見つけて人々に表現したいと考えています。 現在の主な事業は消費者のための最高級のカスタムメイドのデザインなので、宝石の素材の品質および宝飾品の製造に関する細部に多くの注意を払っています。 彼女は自分の宝石商を雇っているので、彼らと一緒に仕事をして自分のアイデアを非常に簡単に彼らへ伝えることができます。 彼女の宝石商の中には、業界で30年以上の経験を持っている方もいます。

彼女のデザインにおいて最も一般的に使用される素材は、オパール、サンゴ、ジェダイト、トルマリン、およびカルセドニーがあります。 サンゴは台湾を象徴する3つの宝石のうちの一つであるため、彼女はサンゴを最も気に入っています。 以前、原石のサンゴが刻まれる目的で日本およびその他の国に輸出されたので、彼女は台湾人が自分たちの宝石を最大限に活用していないと感じました。

彼女は結びのプロジェクトでサンゴを使用するようになり、サンゴのディーラーが敬意と感謝の意を表しました。 その後、通常、本物の高品質のサンゴには穴を開ける必要があるので、結びには向いていないことがわかりました。 現在は、最高級のデザイン製品には他の高品質の素材を使用しています。

台湾からの高品質のサンゴは、Yue-Yo(ユエヨー)のオートクチュールの製品で使われるお気に入りの宝石素材です。 写真提供:Wang Yue-Yo Creative Jewelry Design(ワン・ユエヨー・クリエイティブジュエリーデザイン)。

次世代へ技能を伝達する

Yue-Yo Wang(ユエヨー・ワン)は、単なるデザイナーではありません。彼女は素晴らしい講師でもあります。 彼女は若い人たちとの会話を楽しみます。 参加するすべての宝飾品ショーで、彼女は宝飾品デザイナーになりたい若い学生と話をするのが大好きです。

彼女は、いまだに若い方々に結びと宝飾品デザインを教えています(図9)。 生徒の多くは、彼女から訓練を受けて助けてもらった後、最良のキャリアを開始しました。 将来的には、自分の会社と彼女が築き上げた組織を通じて作業を進めながら、宝飾品デザインの教育および中国文化の普及により力を入れるように計画しています。

デザインの技能を次の世代に伝達するために宝飾品デザインの学生を教えているYue-Yo(ユエヨー)。 写真提供:Wang Yue-Yo Creative Jewelry Design(ワン・ユエヨー・クリエイティブジュエリーデザイン)。

Tao Hsu(タオ·スー)博士は、『Gems & Gemology』(宝石と宝石学)のテクニカル編集者です。 Andrew Lucas(アンドリュー·ルーカス)は、GIAカールスバッドのコンテンツ戦略でフィールド宝石学のマネージャーを務めています。

著者は、2013年5月のChangsha Mineral Show(長沙ミネラルショー)に出席するために、中国を訪れる機会を与えてくれたGIAカールスバッドの支援に感謝の意をここに表します。 このショーに参加できなかったら、Yue-Yo Wang(ユエヨー・ワン)に会い、インタビューをする機会が持てなかったでしょう。 本レポートに素晴らしい写真を提供してくださったWang Yue-Yo Creative Jewelry Design(ワン・ユエヨー・クリエイティブジュエリーデザイン)のYue-Yo Wang(ユエヨー・ワン)およびZhong(チョン)氏に特別に感謝します。