職人の技とデザインの完璧な組み合わせ:中国の一流ジュエリーデザイナーShirley Zhang(シャーリー チャン)のインタビュー


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Shirley Zhang(シャーリー チャン)は、有名な中国のジュエリーデザイナー。 彼女のデザインは、西洋の職人技と東洋の美的基準が組み合わされている。 写真提供:Shenzhen Meiher Jewelry Ltd.
Shirley Zhang(シャーリー チャン)は、中国人民銀行の子会社である宝飾品会社の会計責任者として初めての仕事に就いたとき、ジュエリーデザイナーになるとは考えてもいませんでした。 彼女の献身と情熱から、すぐにその会社の経営に関わるようになりました。 毎日行っていた業務に影響を受け、シャーリーは宝石と宝飾品のカラフルな世界に惚れ込みました。

1990年代初めに、FGAの宝石学を修了した後、シャーリーは宝飾品業界に足を踏み入れました。 それ以来、彼女は着実にジュエリーデザイナーとしての自分のキャリアを育んできました。 現在、彼女は西洋のプロの人たちにも認識されている中国の一流ジュエリーデザイナーの一人です。

シャーリーは、西洋の職人技と東洋の美的基準の組み合わせを重視し、複数の素材やオートクチュールサービスの利用も含めた、特別な 「Z」スタイルジュエリーのコンセプトを築き上げました。 このコンセプトのおかげで、シャーリーのデザインはモダンでエレガントな中国のジュエリーを代表するものとして業界で認識を得たのです。

小売業者からデザイナーへ

1978年から1990年の間、宝飾品の取引は中国の文化大革命によって残された遺物から徐々に発展してきました。  1978年に中国が経済の門戸を再び開放した後、この業界の復活が始まりました。 市場でのほとんどの商品は、非常に簡単な職人技で作られたジュエリースタイルを含む、純金製品で構成されていました。 消費者への品揃えは非常に限られており、一般的に宝石や宝飾品についての知識に欠けていました。

その後の5年間では(おおよそ1995年から1989年まで)、業界の急激な拡大が見られました。 多くの地元の宝石商は、多大な金額を投資して開業しました。 香港と台湾の一部の宝飾品会社が、中国本土市場の可能性を察知して、その認識のもと行動に移しました。 消費者は、ジュエリーのスタイルやファッショントレンドにもっと注目し始めましたが、彼らの好みはたいてい、De Beers(デビアス)などによって宣伝されているような大きな販売促進キャンペーンの影響を受けていました。

当時、ほとんどの中国企業は、ブランドの構築が商品の販売促進にいかに重要な役割を果たすかということを理解していませんでした。 シャーリーは、宝飾品小売店チェーンを1994年にオープンしました。 1996年、彼女は手書きで「Shirley」(シャーリー)と自分の英語名を書き、自分のブランドとしてそれを使用しました。 短期間のうちに、彼女は中国本土の14都市にそのブランドの小売店を開きました。 小売店が成功したことにより、彼女は西洋への機会とアクセスをさらに得ることができました。

1995年以降、市場はさらに厳しく規制され、消費者はより成熟しました。 シャーリーは、この期間のちょうど初めに小売店をオープンしました。 ビジネスは順調に進み、利益は保証されていましたが、彼女の商品は他のブランドと比べて際立つような独自の「ストーリー」に欠けていました。

1999年頃シャーリーは、西洋と新たに拡大しつつある中国市場の間にあるジュエリーデザインの大きなギャップに、初めてショックを受けました。 イタリアへ初めて旅行した際、彼女はたくさんのジュエリー店を訪問し、中国での自分のブランドに何かが欠けていることに気が付きました。 彼女は、店舗事業を継続するのではなく閉店するという非常に勇敢な決断をしました。

そして、彼女は中国の宝飾品輸入会社の正社員のバイヤーになりました。 これが後に賢明な選択となり、彼女のキャリアの転換期となりました。 バイヤーとして世界を旅行し、経験豊富なジュエリーのプロフェッショナルに会う機会がありました。 彼女の最も重要な目標は、彼らの経験から学び、自分自身のキャリアを発展させるためにその知識を利用することでした。

シャーリーのヨーロッパの顧客の中には、彼女のジュエリーのテイストは非常にユニークであると考える方もいます。 中国にいる多くの同業者とは異なり、彼女は、高品質でしかも非常にファッショナブルな商品を購入する傾向にありました。 このため、彼女の顧客の心の中に非常に肯定的で心地良い印象が残りました。 ユニークなテイストに加えて、シャーリーは習得も早く、細部にまで十分な注意を払い、他の人から学ぶためにあらゆる機会を手にします。

シャーリーのデザインのキャリアは、まさに職人技術の学習から始まりました。 ヨーロッパでは、エレガントな、または複雑な職人技が施された宝飾品を購入しました。 それらを身に着ける代わりに、それをバラバラにして再び組み立てることで、それを作るために使用された製造技術を分析しました。 また、ワークショップにも参加し、金細工の名人から多くのことを学びました。
シャーリーは欧州市場へ参加して経験を得たことにより、東洋の美学を意識するようにもなりました。 同時に、東洋の芸術的な宝飾品のデザインコンセプトが、彼女の心のなかで芽生えて成長し始めました。

イタリアの友人のアドバイスを受け、バイヤーとして働いた7年後の2004年、彼女は自分のスタジオをオープンし、ヨーロッパの顧客のためにジュエリーを作り始めました。 彼女はあちこちで作品をデザインしましたが、デザインのほとんどは依然として西洋の仲間によって提供されていました。 彼女の役割は、徐々に変わり始めました。 最終的に、彼女はデザイナーと製造業者の両方になったのです。 現在では、ジュエリーデザインと新たな製造技術の開発のみに焦点を当てています。 彼女は、工房の従業員に実際の製造作業の大部分を任せています。

深圳にある彼女の宝飾品製造工房の鋳造部門で、シャーリーは自分のデザインの一つであるシルバーの型を披露する。 – 写真提供: Eric Welch(エリック ウェルチ)、© GIA
シャーリーは現在、最高級のジュエリーデザインに多くの時間を費やし、製造作業のほとんどは従業員に任せている。 – 写真提供: Eric Welch(エリック ウェルチ)、 © GIA

西洋の職人技と東洋の美的基準の完璧な組み合わせ

シャーリーのデザインへのひらめきは、主に日常生活から生まれます。 例えば、鳥や花への愛からインスピレーションを得て、“The Spirit of Peacock”(「ピーコックの魂」)や“The Love of Flowers”(「花の愛」)と呼ばれるシリーズをデザインしました。彼女の作品では、色や、デザインにおける様々なオブジェクトの配置に特別な注意が払われています。

ICA(国際色石協会)に新たに任命された委員として、シャーリーは中国の長沙で開催された2013年のICA大会で、彼女のジュエリーデザインへの色の影響についてプレゼンテーションを行いました。

色は、中国のジュエリーデザイン業界の発展に非常に重要な役割を果たしてきました。 文化大革命の際に人々が着ていた皆同じの緑色と灰色の制服から、1980年代と1990年代に人々が好んでいた淡い赤と青のサファイアの指輪にいたるまで、急速に発展する経済とライフスタイルの変化に徐々に適応しながら、中国の消費者は著しい進歩を遂げました。 この新世紀での生活は、中国の歴史では前例のないほどカラフルになりました。

この変化を感じて、シャーリーは彼女のデザインで大胆に色を使用しています。 一部のデザインでは、宝石自体の素晴らしい色を強調しています。 また他の作品では、様々な色を組み合わせて調和を表現しようとしています。 さらに、色を様々な形や文化のテーマと調和させるのも好みます。 彼女は色を使うのが大好きですが、色に縛られることはありません。

色の認識に加えてシャーリーは、異なる素材を組み合わせるユニークな才能も持っています。 彼女はよく工房でさまざまな沢山の素材を広げ、あらゆる素材やジュエリーパーツと違うタイプの職人技を色々な方法で組み合わせようとします。 例えば、ファセットカットされた石とカボション石、金属と木材、陶磁器と結晶宝石、エナメルと宝石などの組み合わせを試します。 彼女の創造的な組み合わせが、これらすべての様々な素材の魂を目覚めさせます。

シャーリーは、動物をテーマとした多くの宝飾品をデザインしてきた。 “The Spirit of Peacock.”(「孔雀の精霊」)と呼ばれるこのジュエリーセットでは、孔雀の色を表現するために非常にユニークな象嵌法を使用した。 - 写真提供:Shenzhen Meiher Jewelry Ltd.
シャーリーは、さまざまな色や形の調和を表現するために、このデザインを作成した。 中国文化を象徴するために、彫刻が施されたジェダイトを使用した。 - 写真提供:Shenzhen Meiher Jewelry Ltd.
他の多くのデザイナーとは異なり、シャーリーは芸術専攻ではありませんでした。 彼女は、この分野の専門家から職人技を学習することによって、デザインのキャリアをスタートさせました。 デザインのコンセプトやアイデアは別にして、デザインを実際のジュエリーとして作ることができるかどうかが、もうひとつの考慮すべき重大なことです。 ジュエリーのデザイン以外にシャーリーは、新たな工芸技法と技術の研究開発に膨大な時間を費やしました。 一つのジュエリー作品を作成するのに伝統的なロストワックス鋳造と金型ストライキングを組み合わせることが、彼女の有名な発明の一つです。

過去10年間において、彼女と仲間は、宝飾品の製造および石の切削技術に多数の特許を取得しました。 彼女は遂行してきた研究と探索のため、競争相手から群を抜くことができ、中国のジュエリーデザイン業界で主導的な地位を獲得しました。 シャーリーは、ジュエリーの製造技術と市場の現在のファッショントレンドに非常に精通しています。 彼女の「Shirle」(シャーリー)ブランドをどのようにしたら目立たせられるかという課題に直面したとき、彼女はユニークな方法で、西洋と東洋の文化の要素を組み合わせることを選びました。

これは、シースルーエナメルの完成品。 Shirley Zhang(シャーリー チャン)の工場は、中国国内唯一のシースルーエナメルの製造業者。 - 写真提供:Shenzhen Meiher Jewelry Ltd.
消費者のニーズが、シャーリーのデザインにひらめきを与えて導いていきます。 消費者のためのデザインをスケッチする前に、新たなファッショントレンドだけでなく、その消費者の個性や色の好みについて知識を持つ必要がある、と彼女は述べています。 ブランドのためにデザインする場合は、ブランド戦略が何かを理解する必要があります。 作業を開始する前に、これらすべての質問に対する答えを準備します。 彼女にとっては、デザインが素敵であるかどうかということよりも、デザインが顧客のスタイルに合っているかどうかということの方が重要となります。 彼女のデザインが、顧客の気持ちと心のあり方を最大限に表現できることを願っているのです。

芸術的なジュエリー:急速に発展する中国の宝飾品市場への新しいアイデア

宝飾品専門家としてのシャーリーの20年以上の経験は、中国の宝石業界の歴史において起こった最大の変化と平行しています。 シャーリーと彼女のビジネスは、業界とともに多くの変化を経験しました。

市場の変化は通常、消費者から直接影響を受けます。 20年前、中国の消費者は宝飾品が作られた素材にしか興味がなく、ほとんどの宝石・宝飾品店は、純金の宝飾品のみを扱っていました。 中国の金の宝飾品の豊かな歴史に加えて、価値の保持が、消費者の購入の主な理由でした。 その後、人々はダイヤモンド、ルビー、サファイアなどの宝石についての知識を徐々に得ました。 主に貴金属や石の価値に焦点を置いていながらも、国際的な数社のブランドが行った宣伝により、中国の消費者は影響を受けて宝石がセットされたジュエリーを受け入れ始めました。

当時は、石がセットされたジュエリーはどれも同じように見えたので、ジュエリーの特別な特徴に重点がおかれました。 例えば、ジュエリーを探しているバイヤーは、VVS以上のクラリティグレードでG以上のカラーグレードを持つ10ポイントのダイヤモンドがセットされたものを求めたりしました。

5ほど年前、シャーリーは市場でのはっきりしたある変化に気が付きました。 それ以前は、彼女の顧客は、ほとんどが海外からの顧客でした。 現在は、個人および著名ブランドの国内の顧客へ主にサービスを提供しています。 彼女の顧客は、主に4つに分類されます。それは、投資家、コレクター、アクセサリーに凝っている顧客、そして中国の文化継承を大切にしている人々です。 消費者は、もはや素材のみにこだわることはありません。 今日では、ジュエリーデザインにより注目しています。 彼女は、さまざまな客層の間で大きな違いがまだ残っていることを認めています。 高齢の消費者は依然として価値の下がらない優れた品質の素材を求めますが、若者は使用されている石にあまりこだわらずファッショナブルでユニークなデザインを好みます。  

これはシャーリーが富裕層顧客のために作成するデザインの一例です。 それは、製作技術、色、形の素晴らしい組み合わせです。 - 写真提供:Shenzhen Meiher Jewelry Ltd.
シャーリーは、宝飾品バイヤーのモチベーションという点では、他のデザイナーと考え方を共有しています。 彼女は、国外と国内の消費者の間には大きな違いはないと考えています。 報酬や贈り物として自分のために宝飾品を買う中国の若い会社員がますます増えていることに気が付いています。 これは、自立して仕事に就くようになった女性が増えた時代にアメリカで起こったことと似ています。

成熟した西洋の宝飾品市場だけでなく、新たに展開された中国市場を満足させるために、シャーリーと彼女のチームは、消費者に十分に受け入れられ高く評価されてきた多くのジュエリーシリーズをデザインしました。 その例としては、“The Love of Flowers”(「花の愛」)、“Birds Chirping”(「鳥のさえずり」)、“Spirit of Jadeite”(「ジェダイトの魂」)、“Dancing on the Flowers”(「花の上のダンス」)の他、新しいエナメルの技術があります。 これらの製品はすべて、消費者に人気となった、西洋の職人技と東洋の美的基準の組み合わせを備えています。

シャーリーと仲間は、中国の宝飾品市場の将来について非常に楽観的です。 中国の消費者は、先祖の文化について理解が早いだけでなく、これを受け継ぐ偉大な存在でもあります。 中国の消費者はすぐに知識を身に着け、世界で最も強力なバイヤーの一部となってきています。 シャーリーは、すべてのデザイナーがこれに気付き、取り残されることなくこの市場に供給する準備を整えるべきだ、と主張します。


熟練した職人技およびオートクチュールサービスと組み合わせた西洋・東洋の美的基準

成功したジュエリーデザイナーは普通、独自の制作工房を持っています。 シャーリーのビジネスモデルは、他の多くのデザイナーとは全く異なります。 その独自性は、メイヤー ジュエリースタイリング リサーチセンター(Meiher Jewelry Styling Research Center)という会社名からも明らかです。

GIAチームは、2013年6月にシャーリーの会社を訪問しました。 工場見学から始まりましたが、 大きな工場ではありませんでした。 シャーリーは、この小さな工場でデザインから完成品まで、すべての工程が含まれるようにしていることを繰り返し強調していました。 彼女はこれらすべての工程に密に関与することを心がけていて、それにより新しい技術を研究し開発することができます。 工場は、生産ラインと研究所の両方として機能しています。

メイヤーが、透明エナメルを作ることができる中国で唯一の宝飾品会社であることを彼女は誇らしげに教えてくれました。 通常、エナメルはある種の土台となる素材に塗られます。 この新技術により、土台が不要となりエナメルがそれだけで留まれるので、向こう側が透けて見えるようになります。 数人の技術者がこの技術の開発に熱心に取り組んでおり、すでにいくつかの完成品を作成しました。

シャーリーの工場では、宝飾品作りのすべての工程を観察することができます。 施設には、金型ストライキング部門があります。 – 写真提供: Eric Welch(エリック ウェルチ)、© GIA
過去10年間シャーリーは、中国で有名な多くのジュエリーブランドのために、大量生産品および高級品両方ともにデザインしてきました。 現在、彼女は主にオートクチュールの市場に焦点を当てています。 北京にある彼女の制作工房は、有名人や他の富裕層顧客のみにサービスを提供しています。

富裕層顧客のために開催されたこの展示会は、Shirley Zhang(シャーリー チャン)による特別注文のジュエリーデザインを展示している。 - 写真提供:Shenzhen Meiher Jewelry Ltd.

シャーリーのデザインのキャリアにおける節目

多くの人がシャーリーのことを考えるとき、まず思い浮かぶデザインは、彼女の受賞作である “Dancing on the Flowers”(「花の上のダンス」)です。ミツバチが協力して熱心に一緒に働く様子からひらめきを得て、シャーリーはこのジュエリーセットのデザインに宝石への情熱や製造技術を注ぎました。 このセットは、2012年 NGTC(国立宝石&宝飾品技術管理センター)のジュエリーデザイン・製造技能コンテストで、「中国のジュエリー業界の20年の成果」の贈物として特別賞を受賞しました。

これは、“Dancing on the Flowers”(「花の上のダンス」)と呼ばれる賞を取ったシャーリーのジュエリーセット。このセットは、Shirley Zhang(シャーリー チャン)がデザインおよび製造した。 - 写真提供:Shenzhen Meiher Jewelry Ltd.
「成果」という面を強調するために、そして「印象」というジュエリーデザインコンテストのテーマに沿って、シャーリーは複数の宝石の変種を使用し、様々なセット法やカッティングスタイルを適用することにしました。 この作品は、ケープ、カフブレスレット、イヤリングがセットになっています。 色とりどりのミツバチが忙しく花の上で働き、多数の個部屋で作られたハチの巣に蜜を持ち帰ります。 デザインは、この20年間ミツバチのように業界の成果と成長に熱心に貢献してきた中国の宝飾品業界の人々を象徴しています。

3品のうち、ケープは息をのむほど最も素晴らしい作品です。 これは、1メートル(3フィート)以上の長さがあり、従来のロストワックス鋳造や金型ストライキングを応用することにより製造されました。 これは、新しく開発された「ダンベル」型バックルリンクや特許を取得した「ハニカム」セッティングを特徴とします。 「ダンベル」型バックルリンクは、効果的にすべてのハチの巣の部屋を接続し、一緒にも個々にも自由に動けるようにしてあります。 着用すると肩から垂れて、体にしっくりときます。 身に着けると、特殊な連結構造によって生み出された、布のような柔らかさを感じることができます。

この連結構造のもう一つの利点は、容易に組み立てたり取り外すことができて、着用者に非常に高い柔軟性をお楽しみいただけることです。 このケープの所有者は、取り外したり、別の方法で組み立てたりして、他のジュエリー作品を実際に作成することができます。

ケープとカフブレスレットにある花をよく見ると、「ハニカム」セッティングと呼ばれる特殊なセッティング法が見受けられます。 この手法を適用することで、光が宝石を通過することができるので表も裏も同じように見えます。 以前は、大きい石がなかなか上手く収まらないし、光が遮られて花の裏側は非常に見栄えが悪くなってしまうので、花のデザインに石をセットすることは困難でした。 イヤリングも、デザインがデリケートな作品です。 ハニカムパターンにより、イヤリングをどの角度からでも見ることができます。 内側と外側の球は、別々に動くことができます。

このジュエリーセットには、1,002石のカラーストーンと4,986石のダイヤモンドがセットされています。 これには、非常に高価で高品質のジェダイトのカボションと、非常に値段が手頃なカルセドニーのカボションの両方が使われています。 シャーリーは、さまざまなカットやサイズの宝石を使用するようにも務めました。 シャーリーは、多くの有名なデザインを持っていますが、これは自分のデザインと繊細な職人技の技術の完璧な組み合わせであり、間違いなく彼女のお気に入りであると言います。

長年にわたり、シャーリーはさまざまな宝石素材や宝飾品の製造技術の研究に身を捧げてきました。 彼女は新しい宝飾品作りの方法を開拓して特許を取得したり、古い技術を復活させたりしました。 彼女のデザインは、自然に対する彼女の愛を表現しています。 シャーリーと仲間は、業界にサプライズをもたらし続けています。


未来のデザイナーへの提案と期待

この正式なインタビューの前に、シャーリーは、ジュエリーデザイナーの若手や学生への指導者および助言者としての経験について話してくれました。 NGTCの専門講師として、彼女はさまざまな都市に旅行し、ジュエリーデザインと製造に関して講義をしています。 同時に、ジュエリーデザインのプログラムがある大学から招待を受け、学生に講義をしています。 学生が彼女に見せたデザインを見たとき、それらの多くは製造が不可能なものであることにシャーリーは気が付きました。

学生は、革新的なアイデアを提示するのが得意ですが、ビジネスの技術面についてはあまり理解していませんでした。 彼らの教育プログラムの多くは、ジュエリーをどのようにデザインするかばかりを学生に教えますが、どのようにしてデザインしてそれからそれをどのように作っていくのかについては教えません。 彼女の個人的な経験に基づいて、デザインコンセプトを学ぶ前に制作技術を学ぶ方が理にかなっている、とシャーリーは考えています。

この情報化時代では、若者は簡単にアクセスできるあらゆる情報に囲まれており、圧倒されてしまうこともあります。 シャーリーは、「地に足がついて」いることを学生に望みます。若いデザイナーは技術とデザインの両方の概念を習得しないと、成功することはできないと言います。

Dr. Tao Hsu(タオ スー博士)は、Gems & Gemology(宝石と宝石学)のテクニカル編集者です。 Andrew Luca(アンドリュー ルーカス)は、GIAカールスバッドのコンテンツ戦略部門でフィールドジェモロジィのマネージャーを務めています。

著者は、香港と深圳での滞在中にShirley Zhang(シャーリー チャン)とYuxi Zhang(ユシー チャン)からご協力いただき大変感謝いたします。 また、訪問中に私達を案内するために遅くまで付き添ってくださったシャーリーの工場のスタッフにお礼を申し上げます。