同窓会スポットライト

Katzenbach Designs、2年間でAGTAより2回受賞


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Derek Katzenbachの受賞作品、18Kゴールドでできた万華鏡は、71.74カラットのメイン産トルマリンと66.05カラットのメイン産クォーツが3つのレンズの間に散りばめられているのを特徴とする。University of Maine(メイン大学)地質学部の学生、Nicholas Scott Goldenの追悼として寄贈者よりGIAに寄付された。写真撮影:Brian Moghadam Photograhy/AGTA 提供:Derek Katzenbach

受賞歴のある宝石商、そして宝石のカット職人でもあるDerek Katzenbachにとって、自分の技能の限界を試すのにやる気を奮い立たせる質問は1つだけあります。それは、「それはどうやったのか?」という疑問です。

GIAよりGJGのディプロマを取得したKatzenbachは、彼が尊敬するアーティストにその質問を投げかけ、彼のデザインも同様の好奇心を掻き立てられたらよいと願っています。

ニュージャージー出身のKatzenbachの作品は、ここ2年間でAmerican Gem Trade Association(アメリカ宝石取引協会、AGTA) より2つの栄誉を獲得しました。2016年、顧客のために制作した二色のトルマリンリングで夏季AGTAスペクトラム賞の“色使い最優秀作品賞”を受賞しました。また、2017年には「メイン州のカラー」という名称の宝石でできた万華鏡でスペクトラム賞の“アートのオブジェクト”部門の第一位に輝きました。

功績が認められたのは、Katzenbachにとって非常に嬉しく、恐れ多いことでありました。メイン州の山々に囲まれた彼の会社、Katzenbach Designsは、現地で産出されたトルマリン、精密なファセッティング、ファンタジーカットの宝石やカスタムデザインのジュエリーに注力しています。

作品をデザインするときの哲学は、その石が語っていることに従うことです、とKatzenbachは説明します。最高の作品は、工程のあらゆる段階でリスクを取ることで誕生します。それゆえに、自分自身のスタイルを開発して、どれがうまくいくか確認するにはこれが唯一の方法なのです、と続けました。

複雑に彫刻された八角形のアメトリン (シトリンとアメシスト)。
Katzenbachのオリジナルのデザインによってカットされたカラフルな38.04カラットのボリビア産アメトリン。提供:Derek Katzenbach

Dalan Hargrave、Ryan Joseph Anderson、Richard Homerのような芸術家からインスピレーションを得ているKatzenbachは、芸術家や宝石商に事を目指していたわけでありませんでした。メイン州へと引っ越しし、海洋生物学を勉強する予定でしたが、小学生のときからこの分野に興味があったのにもかかわらず、勉強し始めた途端にしっくりこないことに気が付きました。

その間、Katzenbachは地元の宝石ショーを訪れました。

1時間で一週間分の給料を使ってしまい、その後、ATMに行って、また同じようにお金を使っていました。石を買ったり、セットしたり、デザインする経験は全くなかったのですが、完全にはまってしまいました。どうしてそうなったのかは分からないのですけど、と彼は説明します。

その夏、Katzenbachは、ナイフをはじめ、地元で作られたジュエリーなど、様々な商品を販売している小売店で働きました。彼の上司が、既に切り込みが入ったセッティングに石をセットする方法を見せてくれました。その後、Katzenbachは、この新たに湧いた興味を活かすのに支援してくれそうな人々に会い始め、自分を紹介しました。

6面体、盾形の複雑に刻まれたトパーズ。
コロラドで産出された原石からDerek Katzenbach(GJG)が作った 12カラットのファンタジーカットのトパーズ。提供:Derek Katzenbach

この町のある宝石商が、地元のベンチジュエラー、Addison Saundersに彼を紹介し、後にメンターおよび友人となりました。メイン州を後にする前に、彼は1年間彼女のもとで実習し、ロウ付けやセッティングの基礎などの基本的な技術を学びました。また、Farmington’s Mainestone Jewelry(ファーミントン・メインストーン・ジュエリー)のオーナー、Ron Gelinasが、採用はできないけれども、毎週土曜日に修理の技術をKatzenbachに教えてくれると言ってくれました。Gelinasは、チェーンの修理やサイズ変更を行う方法を彼に教え、二人は友情を築き上げました。

ホリデーシーズンが到来した頃、GelinasはKatzenbachを採用し、これは彼にとって宝飾業界で初めての仕事となりました。Katzenbachは非常に喜び、どこで知識と技能をさらに強化できるかとSaundersとGelinasに早速尋ねました。正しい教育を受けることがすごく大事だと思ったのです。二人とも世界で一番の学校、GIAに行くことを勧めてくれました、と彼は語ります。

2005年、Katzenbachは、GIAのカールズバッド本部で宝石学とベンチワークを学び始め、「期待していた以上に」素晴らしい講師の下であらゆる機会を活用してできる限り多くのことを学びました。

すごく頑張っていましたよ。時間があると図書館から本やためになるDVDを借りてきて、勉強していました。あの図書館から得られる知識はすごい量でしたし、どこもやる気で溢れていましたから。廊下を歩いてるときでも、素晴らしいジュエリーや鉱物、ファセットカットされた石が展示されているのが見れるのですから、と話します。

このトリリオンカットのスモーキークォーツの作品は、手のひらと同じくらい大きい。
メイン州のマイカ山で採鉱された原石からKatzenbachがカットした、1452ctのトリリオンカットのスモーキークォーツ。これまでにメイン州の原石からカットされた中で過去最大のファセットカットされた宝石となった。この宝石は手のひらほどの大きさがある。提供:Derek Katzenbach

Katzenbachは、20石鑑別の最終試験に1回目で合格し、GGのディプロマを取得しました。学ぶことは多く大変でしたが、苦労は感じなかった気がすると述べています。

2006年に卒業した後、Mainestone社に戻って働き始め、修理、査定、石のカットや独自の作業をする際にGIAで習得した技術を活用することができました。

ホリデーシーズンで、宝石商にとっては1年のうちで一番忙しい時期だったのですが、GIAで実習したおかげですべてのプロジェクトを簡単にこなすことができました、と彼は述べます。

1年後、メイン州全域を訪れ、他の宝石商にメイン産トルマリンを販売するようになりました。この経験が、2010年に自分のビジネスを創設するきっかけになったと彼は語ります。

色々なところで経験を積んできたので、全部を少しずつ試しているのです、と語ります。彼は、Hargraveより習得した大きめの作品を彫刻する技法を使用して、彫刻の技法を上達させることを願っています。また、受賞歴のあるトルマリンリングのような、カスタムデザインの作品をこれからも作りたいと思っています。

盾形のトルマリンの作品:イヤリング、リング、ペンダント。正方形の形をした部分から垂れ下がっている盾形のイヤリングとペンダント。
GIAの卒業生、Derek Katzenbach がデザインしたバイカラー・トルマリンのセット。AGTA スペクトラム賞を受賞したリングも含まれている。University of Maine(メイン大学)地質学部の学生、Nicholas Scott Goldenの追悼として寄贈者よりGIAに寄付された。14Kホワイトゴールドでできたこの作品は、カリフォルニア州のヒマラヤ鉱山から産出されたトルマリンを特徴とする。また、イエローダイヤモンド、ツァボライト、ルベライトも飾られている。写真撮影:Orasa Weldon/GIA

そのリングを購入した顧客は、それに合うペンダントネックレスとイヤリングを作るよう彼に依頼し、最近GIAにその一式すべてを贈呈しました。

その一式がGIAに寄贈されたことで、その賞の意味がさらに深くなりました。GIAでは、たくさんの知識を得て、一生懸命に頑張りました。あのような素晴らしい作品を作れるように知識を与えてくれたGIAで、このジュエリーが展示されて、学生が見ることができ、保管されるのは本当に嬉しく思います、と彼は話します。

Derek Katzenbach の上半身の写真。
受賞歴のある宝石商およびカット職人、Derek Katzenbach。2005年および2006年にGIAのカールスバッド本部で勉強し、GJGとなった。「図書館を利用しよう」と、現在の学生へアドバイスをする。「Richard T. Liddicoat 宝石学図書館情報センターには、最先端の情報が集まっています。この業界に関するあれほど沢山の知識にすぐ目の前でアクセスできる機会は生涯にまたとないでしょう。」提供:Derek Katzenbach

その素晴らしいデザインで受賞し、顧客のためにユニークな作品を手掛けるものの、Katzenbachが一番気に入っているジュエリーは、近所に流れている川から採れた金塊を溶かし、叩いて作った、自身の結婚指輪です。彼の妻、Lauraと子供達の KyranとScarlettとともにFarmington(ファーミントン)に住むKatzenbachは、自作の結婚指輪以上を超えるものを作るのは難しいとは思いつつ、未来を楽しみにしている、と説明します。

私の仕事で一番良いところは、次なる大きなプロジェクトを探すことです。そのプロジェクトが何であろうとも、自分のデザインが好奇心をそそるのであれば、正しいことをしているとわかるものだ、とKatzenbachは語ります。

「うまくいってる、ということです。」

寄稿者Jaime KautskyはGIAダイヤモンドグラジュエイト、またGIA Accredited Jewelry Professional(AJP アクレディテッドジュエリープロフェッショナル)で、The Loupe(ザ・ルーペ)誌の共同編集者を務めていました。