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新型コロナウイルスと闘う医療従事者を支援するために「名誉勲章」のピンをジュエラーが制作


医学のシンボル、カドゥケウス(棒の上部の両側に翼があり、その棒の周りに2匹のヘビが絡み合っている)が新型コロナウイルスを突き刺している。棒の上部にガーネットが飾られている。
Franco ValobraとValobra Master Jewelers(Valobra マスター ジュエラーズ)のチームが制作した新型コロナウイルス撲滅のピン。ValobraはCOVID-19の患者の治療にあたり最前線で活躍している医療従事者に贈呈するためにこのピンを制作している。写真提供:Valobra Master Jewelers(Valobraマスター ジュエラーズ)

新型コロナウイルス感染症が世界各地で拡大する中、Franco Valobraは、私たちの多くと同様に自宅にいました。3月上旬に新型コロナウイルスにより大きな打撃を受けたニューオーリンズは、3月15日に都市封鎖を命じたため、Valobraは直ちにロイヤル ストリートにある彼のブティックを閉店しました。

「私はスタッフ全員にこれまでと同様に給与を支払い解雇しないことを誓い、ヒューストンとスイスのショールームでも同じ対応をとりました」と彼は語りました。スイスのブティック、The Lugano(ザ ルガーノ)は、イタリアで最も大きな打撃を受けたロンバルディア州に近いため、3月上旬に最初に閉店しました。「幸運なことに、私のスタッフや家族は誰もウイルスに感染していませんが、COVID-19により直接苦しい経験をした友人の家族がイタリアにたくさんいます。運よく、その中では亡くなった方は誰もいません。」

「隔離オフィス」と呼んでいたリビングルームで不安な日々を過ごしていたValobraは、医療従事者や救急隊員が患者の命を救うために最前線で活躍している画像を見ました。また、危険に晒されながら命を張ってまでも献身しているこれらの人々に対して世界中の人々が感謝の気持ちを抱いているのも目にしました。   

「バルコニーから情熱的なセレナーデを歌ったり、窓から長い拍手を贈ったり、空軍ジェット機がアクロバット飛行を披露したり、これらのことは世界の人々が心から感謝している気持ちを表す素晴らしい表現方法です。しかし、残念なことに音楽の調べはすぐに空気に吸い込まれて消えてしまいますし、ジェット機の音は排気の噴煙となり終わってしまいます」とValobraは説明します。
 



 

GIAの卒業生であるValobraは、新型コロナウイルスと闘う医療従事者に対して感謝の気持ちを示すシンボルとして、より耐久性に優れた形あるものを作りたいと思いました。

「わずか数分で『ウイルス撲滅』ピンというアイディアを思い付きました。医学のシンボル(一般的に使用されているシンボルのカドゥケウス)が、新型コロナウイルスを突き刺して、堂々と聳え立ち、圧倒しているイメージがはっきりと思い浮かびました。その比率は2対1を上回るべきで、カドゥケウスはウイルスより少なくとも2倍大きくなくてはいけません」とValobraは説明します。

最後の描画が完了すると、Valobraは社内のCADデザイナーにレンダリングを作成するように依頼し、ヒューストンのベンチ ジュエラーのチーム(5月1日に事業再開)がピンの製造を開始しました。ピンは完全に手作りであり、スターリング シルバーで鋳造された後に金メッキが施されます。それぞれのピンは、健康と危機の解決を象徴する宝石である

ガーネットのラウンド カット石を特徴とします。




このチームは1日に25~35個のピンを製造することができ、サウジアラビア、パキスタン、イスラエル、カナダ、イタリア、ヨーロッパのほとんどの国、アラスカを含む米国のほぼすべての州など世界中でこれまでに500個以上が配送されています。ピンは、すべてValobraからの贈答品です。

「当然のことながら、ピンの多くがテキサス州、ルイジアナ州、ニューヨーク州に送られ」、記念すべき最初の5つのピンはホワイトハウスの新型コロナウイルス対策本部(トランプ大統領、ペンス副大統領、Anthony Fauci博士、Deborah Birx博士、公衆衛生局長官ののJerome Adams博士)に送られた、とValobraは説明します。

Valobraは当初1,000個のピンを制作および贈呈することを予定していましたが、できるだけ多くのピンを贈呈することにしました。ピンを受け取るのに相応しい方(病院、医療センター、検査施設、研究所などで身を粉にして職務に従事している方)を指名するために、どなたでもwecare@valobrajewelry.comまでEメールを送信することができる、とValobraは述べます。

Valobraは新型コロナウイルス撲滅のピンを受け取った医療従事者から数多くの礼状を受けとりました。

「呼吸療法認定士である私たちは、通常は最前線で活躍する医療従事者として扱われませんが、『人工呼吸器』という言葉はよく使われています。呼吸療法認定士は、患者の必要性に合う適切な人工呼吸器の設定を判断する呼吸療法の専門的なスキルを備えています。私たちは最前線で活躍する医療従事者と共に闘っており、患者にとって不可欠な要員です。私にとってこのピンは、医療現場の最前線で働く人が高く評価され感謝されている象徴です。このピンを身に付けることができて光栄に思い、とっても感謝しています」とヒューストンのRosalind Lyssyは語ります。

 



Valobraは、「ウイルス撲滅」ピンがこの先もずっと医療用ユニフォームや白衣の襟に着用されることを願っています。

「私にとって、このピンを着用することは、新型コロナウイルス撲滅がまもなく実現することを表し、つまり科学と医学を通じた人間の勝利を示すシンボルなのです。私は名誉勲章を独自のスタイルでこれらの現代の英雄たちに贈りたかったのです」とValobraは語ります。

シニア コミュニケーション マネージャーのAmanda J. Lukeは、GIAインサイダー(GIA Insider)の編集者であり、GIAで編集者兼ライターとして19年間活躍しています。