米国 消費者は購買に依然慎重な姿勢
4月 20, 2015

電子製品で5%ダウン、耐久消費財が2.4%低下したことから、小売業全体を通して消費者の購買に対する慎重さが反映していると政府は考えています。
一方で、2014年はじめにダイヤモンド品質の価値下落に相まって発生した、金とダイヤモンドの価格下落により、ジュエリーの販売件数は、示された価値よりも高くなっています。
経済の上向きに伴い、消費者マインドは3月に数ポイント上昇しましたが、経済評論家は、賃金が横ばいのまま上昇しておらず、ガソリンと原油価格の低下も他の分野の小売売上高に拍車をかけていない、と解説しています。
先月発行されたDe Beers(デビアス)のダイヤモンドインサイトレポートは、米国における2104年のダイヤモンドジュエリーの売上高は7%上昇、と報告しています。 これは、米国のダイヤモンドジュエリーの売上は横ばいから3%上昇までに抑えられるだろうという、その他からの評価に比べて倍以上の数字となっています。 またレポートは、中国の成長率は3%、インドルピーの成長率は3%(米ドルで測定した場合1%減)であると予測しています。 レポートでは、若干の向かい風にもかかわらず、2015年は肯定的な展望を示しています。
3月23日から27日に開催されたDe Beers(デビアス)の商品展示会は、1月2月の展示会でのクライアントから拒否された商品の箱1億ドル(約120億円)相当が追加されたことを受け、特に大きく6.9億ドル(約820億円)のスケールで行なわれました。 クライアントは、価格と在庫問題のためにこの月に提供する原石の箱の30〜40%を拒否しました。これは、2009年から2010年の経済危機以降、最も高い割合です。 De Beers(デビアス)は、多くのカテゴリーにおいて原石価格がその研磨価格を上回ったとしても、一律に価格を堅く保持しました。 研磨された石の在庫が上昇する中、研磨された石の価格は昨年秋から平均7%減少していると、複数の価格レポートが伝えています。
オークション:2015年の最初の主要な宝石のオークションでは、先月のBaselWorld(バーゼルワールド)フェアでの注目されたような超高級品に対して、落ち着いた需要の傾向が続きました。
4月6日の香港サザビーズでの壮大な宝石とジェダイトオークションでは、67%のみ(過去3年間の売上が85% - 90%だったことと比較して)が落札され、民間のバイヤーが上位10作品の2つを除くすべてを購入しました。 ディーラーから積極的に落札することもなく、価格はこの競売での昨年の高値から後退しているように見えますが、作品によっては独特な個性があって落札が多くなる場合もあるので、比較が難かしいことが多いのです。
クリスティーズの4月14日ニューヨークのオークションでの記録的金額:アジアの個人バイヤーが、4.90 mmから12.65 mmのサイズのパールで作られた4連天然カラー真珠のネックレスを、510万ドル(約6億円)で落札し、記録が更新されました。 ただし、その他の価格は2013年から2014年のピークから落ち込んでおり、Graffによる25.49カラットDカラー、フローレスといえるダイヤモンドの価格である1カラットあたり13万4千ドル(約1600万円)、総重量で340万ドル(約4億円)もその中に含まれています。 これは、同様の商品が前の売上で達成した価格よりもカラット当たり約5万ドルから6万ドル安くなっています。 5.29カラットの ファンシーインテンスの紫がかったピンクダイヤモンドが1カラット当たり110万ドル(約1億3000 万円)で持ち込まれましたが、これは過去3年間で競売された類似品の価格よりも非常に低くなっています。
クリスティーズのニューヨークでの売上は、やはり近年のオークションよりもやや低い金額で77%でした。
サザビーズニューヨークの4月21日のオークションで、GIAがグレードした100.20カラットDカラー IF Type II ダイヤモンドは、 1900万ドル(約22億円)から2500万ドル(約30億円)で落札されることが期待されていました。 クリスティーズは 5月13日のジュネーブの競売でGIAがグレードした5.18カラットのファンシービビッドピンクダイヤモンドを提供します。 その競売品は950万ドル(約11億円)から1200万ドル(約14億円)で落札されることが期待されています。
著者について
Russell ShorはカールスバッドにあるGIAのシニア業界アナリストです。