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天然スピネルの新しいコバルト拡散処理に関するGIAラボレポート


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このファセットカットされたコバルト拡散スピネル(左)と、別のサンプルから研​​磨されたプレート(右)は、処理から発生した青色の浸透があることが明らかになりました。
コバルト(Co)で着色された天然スピネルは、その鮮やかな青の色合いで珍重されています。 現在、収集家や宝石愛好家の間で高い需要があります。

2015年5月には、ニューヨーク、カールスバッド、バンコクのGIAラボで、珍しい外観を持つ非常に色の濃いブルースピネルが鑑別用に提出されました。 スリランカでの一報告を含む他のラボでも、コバルトの拡散処理を行っていると判断された同様の例が報告されました。

その後、バンコクを拠点にしているコバルト拡散宝石の業務を行っている処理設備から研究用に0.35から4.99カラットまでの18個のサンプルがGIAに提供されました。 提供者は、処理前の素材として「オフカラー」の天然スピネルを使う処理過程の詳細を明らかにし、伝えられるとこによれば鉄(Fe)とコバルトの両方を高温加熱しているようです。

GIAのジェモロジストが、従来の顕微鏡法、紫外/可視/近赤外(UV-Vis-NIR)分光法を用いてサンプルを検査し、また、エネルギー分散型蛍光X線組成分析法(EDXRF)とレーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(LA-ICP-MS)を使用した化学分析も行ないました。 フォトルミネッセンス(PL)スペクトルも収集されました。

拡大することで、石が高温加熱されたという証拠を示す、修復されたファラクチャーや変化したインクルージョンなどが明らかになりました。 インクルージョンの性質が激しく変化し、処理前の素材が天然か合成かの判断をするのが難しいこともある、と著者らは報告しています。 このような場合、PLスペクトルでは合成スピネルが天然スピネルよりも明らかに幅広いCo関連のピークを示すので、PLスペクトルが役立つことになります。

拡散処理されたコランダムとは異なり、このようなスピネルの多くは、完成した宝石の輪郭に一致するカラーゾーニング(表面適合カラーゾーニング)を示しませんでした。 しかし、いくつかのサンプルをLA-ICP-MS分析のために、セクション別(ウェハー)に切断した際、石の端あるいは縁に明らかに青色が集中していました。 さらに、ウェハーの処理された外層も示したように、その石はチェルシーカラーフィルターを通して強烈な赤を表しました。

UV-VIS-NIR分光法は、FeとCoの両方の特徴的性質を明らかにし、微量元素分析によってどちらの要素にもかなりの濃度を確認しました。 LA-ICP-MSによってテストしたサンプルの一つは、石の中心(9 ppma)よりも処理された縁(466 ppma)の方が、Co濃度が非常に高いと判断されました。 Fe濃度もまた、中心部(670から786 ppma)に比べ縁(1070 ppmaまで)の方が高くなっていました。