同窓会スポットライト

研究者、教育者が、宝石で古代文明を探求する

Jaime Kautsky
11月 23, 2016
演壇の後ろにいるÇiğdem Lüle。
GIAの2006年の宝石学研究会議で講演したÇiğdem Lüleは、キャリアのほとんどを古代遺跡から出る宝石の鑑定や期限の調査、古代宝石学として知られる研究テーマに費やしている。 彼女はGemworld International(ジェムワールド・インターナショナル)の開発ディレクターであり、世界中のシンポジウム、産業イベントや会議でのプレゼンターとして人気が高い。 写真提供:Troy Witt、Take One Productions/GIA

Dr. Çiğdem Lüleの仕事の時間は典型的な9~5時ではありません。鉱物学者でありまたGIAのグラジュエイトジェモロジストとして、教壇に立つのと同じくらい当たり前に古代遺跡発掘現場に立ち会います。

あちこちを飛び回るLüleは、研究者や教育者、そして宝石学優秀者に送られる2016年Antonio C. Bonnano賞の受賞経験もあります。またGemworld International(ジェムワールド・インターナショナル)の開発ディレクターも務め、会議、シンポジウム、業界イベントのスピーカーとして人気が高く、世界中をよく旅しています。 またキャリアのほとんどを古代遺跡から出る宝石の鑑定や期限の調査、古代宝石学として知られる研究テーマに費やしています。

「従来の宝石学、考古学や鉱物学が単独ではできなかったこと」を古代宝石学は提供できるとして、この課題に取り組む専門家のネットワークを築くため、Lüleは古代宝石学の最初の開発者であり提唱者となっています。

「古代文明を研究したいという人類の関心が、多くの社会科学の発展の理由となっていますが、古代宝石学はそれを探求する別の方法でもあるのです。」とLüleは述べます。 「宝石学の基本原理と鉱物を識別する最新の技術を組み合わせているため、主に古代の宝石などの考古学的遺物鑑別に役立ちます。 古い文献を解読したりする以上のことが可能で、宝石などの工芸品を詳しく調べるためには、分析的かつ科学的な手法を使用します。 起源の情報は考古学者の役に立ち、古代文明における異文化の関係などが明らかになります。」    

特に思い出に残るのは2000年に旅行したトルコのヴァンの古代遺跡発掘現場で、紀元前13~6世紀にUratian文明が栄えた重要な青銅時代の遺跡発掘現場でした。

「私は石でできた物の鑑別をするために立ち合いました。主に宝石素材のものです。」と彼女は言います。 「そこに行くまでは、この回収したものがどのくらい素晴らしいか全く分かりませんでしたが、遺体がそれぞれ何百、何千もの石のビーズととも埋葬されていました。主に現地でとれるアゲート、カルセドニー、カーネリアン、クォーツのビーズで、ガラスやセラミックでできた模造品もたくさん見つかりました。 これほどたくさんの古代ビーズを分類できたのは、素晴らしい経験でした。」

世界中を旅して研究に明け暮れるようになる前、Lüleは母国トルコのアンカラ大学で地質工学を勉強する学生でした。 4年生のときに銀細工の作業場でアルバイトをしたことがきっかけで、鉱物学、岩石学、地球化学への関心が宝飾用の鉱物や宝石に向けられるようになったのです。

「宝石になる石がたくさんあって、よくある鉱物がカットした後にこれほど美しく異なって見えることに魅了されたのです。 処理された後、私はそれらの石を判別することができませんでした」と彼女は言います。 「その時、宝石学とは破壊しない技術によって石を識別する方法であることを知り、宝石に夢中になりました。」

机に座って宝石を見ている女子学生の横に立つÇiğdem Lüle。
Çiğdem LüleはPhD、FGA、GGの資格を持ち、数年間、GIAの「コスモポリタンで多国籍な」ロンドンキャンパスで宝石学を教えていた。 「教えることは楽しく、他の人と情報やアイディアを交換する機会が持てたことは素晴らしかった」と彼女は話す。 写真:Edward Johnson/GIA

卒業後、Lüleは、Gemmological Association of Great Britain(英国の宝石学協会)から2つのディプロマを取得し、宝石の専門家と鉱物学研究助手としてアンカラ大学に戻ったのでした。 そこで鉱物学の修士号を取り、ロンドンのR. Holt & Co.の販売アシスタント兼宝石鑑別士として働くため、最終的に2001年に英国に移りました。

その直後に彼女はGIAのことを知り、通信教育でグラジュエイトジェモロジスト(GG)のディプロマを取得し、2004年にキャンパスの講師として働き始めました。

「それは素晴らしい経験でした」と彼女は学生時代や講師経験について語ります。 「GIAのコースは、宝石学だけでなく、市場でも使えるスキルを訓練します。 プロ意識、顧客サービス、そして誠実であることに重点が置かれます。」
 
トルコとイギリスの二重国籍を持つLüleは、機関のロンドンキャンパスにさまざまな人材がいることを高く評価し、学校がプロとなっても成長し続けることを奨励してくれる、と言います。
 
「学校には世界中から学生が集まるので、非常に国際的な環境でした」と言います。 「非常に色彩鮮やかで興味深いキャンパスでは、その多国籍な環境の中で、皆同じだけど、コミュニケーションの仕方が異なるのだ、ということを学びました。 指導しながら共感することを学び、自分が学生の立場に立って考えると情報を伝達しやすくなりました。」

継続学習に力を入れ、LüleはGIAで教えながら、Hacettepe大学で鉱物学の博士号を取得しました。 2010年に宝石取引のための市場調査や価格動向プロバイダである米国のGemworld International(ジェムワールド・インターナショナル)で働き始めるまで、彼女はGIAに勤務しました。

7人のメンバーが会議でテープルを囲んでいる。
「核となるGemworld(ジェムワールド)のチームは小さいけど、非常に効率的で経験豊富です」とÇiğdem Lüle(左から2番目)は言う。彼女はイリノイ州の会社の特別なプロジェクトを管理するために2010年に米国に移住し、その後、開発ディレクターに就いた。 「私の意見では、世界的な宝石市場においての彼らの理解は、他とは比べ物になりません」とLüleは話している。同社の鑑別士全員がGIAを卒業した宝石鑑別士で、GIA同窓会のメンバーである。 提供:Scott Drucker、©Gemworld International(ジェムワールド・インターナショナル)

「GIAの世界の市場についての比類なき知識と経験を、実用的な仕事に活用したかったのです」とLüleは話しています。現在はGemworld(ジェムワールド)の色彩コミュニケーションシステムの開発など、教育と特別プロジェクトに彼女は焦点を当てています。 「私は実践的なワークショップを開発し、市場の動きに基づいた価格戦略を指導します。 私は科学的情報によって確認することが大切だと思うので、プロジェクトに取り組むときはいつも深く研究し、私のクラスには常に新しい情報や研究を取り入れます。」

Lüleは、GIAの学生が取得するディプロマは、ほんの「始まり」だと考えています。

「よい資格で始める素晴らしいスタート地点ですが、ダイナミックな宝石と宝飾品の市場では、継続学習と実務経験を積む必要があります」と彼女は言います。 「そして、宝石への情熱無しにこのビジネスで成功することはできません。それは、鑑別や販売だけではありません。 珍しいか、新しく発見された宝石を調べるときに興奮しないような宝石鑑別士が成功した例を知りません。 石を扱い検証するときの彼らの顔を見てください。」

Lüleが変わらず興味を抱き、研究対象となる可能性がある宝石は、ガーネットです。

「宝石鑑別士は、ガーネットについて少ししか知りませんが、ガーネットは大きな鉱物グループです。ガーネットの複雑さは鉱物の構造にあります。ガーネットが形成された状態の壮大な地質記録がわかるのです」と彼女は言います。 「これらの初期の宝石はインドから調達されていたと一般的には思われていましたが、考古学的な発見や鉱物学的所見によると、場所に関してははるかに複雑な組み合わせがあることを示唆しています。 ガーネットを検証するたびに、私は毎回わくわくします。」

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