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宝石購入の際には、注意が必要です:一攫千金をうたった詐欺


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ご自分が騙されていないことを確認する最善の方法の一つは、専門家と共に直接宝石を調べることです。 販売店でスタッフの中にGIAのグラジュエイトジェモロジスト(GG)がいるかを尋ねてみてください。 GGがいれば、あなたが興味のある宝石のサンプルを見せて説明してくれ、よく理解した上で購入決定できるでしょう。

人々がダイヤモンドやその他の宝石を愛する気持ちはとても深いものです。 かなり古代の文化でさえも、装飾のため、また富を表す実体のあるシンボルとして宝石を珍重していました。

現代では、人々の宝石への深い愛情や宝石の永続的な価値という概念が悪用されています。 ダイヤモンドや宝石投資の名のもとに、怪しい一攫千金の手口を使って、騙されやすそうな人を相手に詐欺行為を行うのです。

公正な価格で取引され、長い間所有された高品質の宝石は概してその価値が維持されるものですが、経済が不安定な時には、詐欺師は宝石を購入する人に、一攫千金やお金を安全に守ることを約束して誘惑するのです。 「取引」は、多くの場合退化し、買い手のもとには大幅に高値のついた宝石が残ってしまうのです。

これらの詐欺師が消費者のお金を奪うために使う方法は数通りあります。 ここでは4つの最も一般的な一攫千金をうたった詐欺を紹介します。

宝石詐欺 No.1:「ボイラールーム」

このよくある詐欺は、迷惑電話や迷惑メール、あるいは妥当なニュースやeコマースサイトの隅に出てくる興味をそそる見出しのついたウェブサイトへのリンクなどから始まります。 売り手は、豪華な見栄えの宝石を表示したり説明したりした後で、見込みのありそうな購入者に、どうすれば「生産元から直接購入」して、購入価格の10倍の価値のある石を手にいれて一攫千金を当てることができるかについて説明します。

フォローアップする人は高いプレッシャーがあり、大抵の場合、このような大きな利益を得る機会は一瞬にしてなくなると、説得力のある強引なセールストークで攻めてきます。 あるいは、この手口もあります: 「他にヨーロッパからのバイヤーで、より高いオファーを下さった方もいます… この宝石をあなたが購入すれば、我々を通して転売することで、かなりの利益を出すことができます。」  

買い手がためらうと、本当のプレッシャーが始まります:「多くの人たちは、怖がって機会を失っています。 あなたは5万ドル、あるいは10万ドルも儲かるのが怖いのですか?」この時点で、大半の見込客は愛想を尽かしますが、中には「特価」への衝動を抑えられず、小切手を送ってしまう人もいます。  

多くの場合、詐欺師は$100や$200の石をまず勧めて、被害者の信頼を得ます。 その後、顧客を呼び戻し、その石をかなり高額で買い戻すオファーをしますが、その際に$2,000から$5,000程のかなり高額な石を、今後さらに高額になる可能性があるという理由で、クレジットで買うように提案してきます。 もし顧客がその取引を承諾した場合…何が起こるかおわかりになりますね。

この一攫千金をうたった詐欺の典型的な一例:数年前の新聞で、ある外科医が、同様の手口の電話を何回か受けた後、2つのエメラルドを$12,150で購入した記事が掲載されました。 買い手が鑑定すると、2つ合わせて約$900の価値しかありませんでした。 エメラルドを彼に売ったその会社は、撤退する前に3500万ドル以上を他の何人もの買い手から掻き集めていました。

詐欺師は通常、宝石を密封包装して、封を開けると買い戻し保証が無効になるという警告をつけて送付することで、消費者のクレームを遅らせようとします。

詐欺師はほとんどの場合、法律を強調して苦情が出たり、消費者機関がフィルタリングを開始した時点で営業を停止するため、訴訟が起こることは稀です。 そして、さらなる犠牲者を狙って、新しい社名で営業を再開することがほとんどです。

宝石詐欺 No.2:ポンジ・スキーム

ボイラールーム詐欺のより精巧なバージョンはポンジ・スキームです。 投資の初心者には、ファイナンシャル・アドバイザーの注目を集めるために、彼らの購入に対して多額の資金を回収できるようにして、その後、そのアドバイザーが多くの場合よく考えずにそのクライアントの資金を同じ売り手からの宝石につぎ込む手口です。

最近起こった一件の一攫千金をうたった詐欺は、ドミニカ共和国とアルゼンチンで、琥珀「鉱山」を管理していると名乗るある会社に関連したもので、買い手に株から出た利益をサイバー通貨のBitcoin(ビットコイン)で支払おうとしました。 $10,000を支払った投資家は、最高6.4%のリターンを約束されました。  米国の 証券取引委員会(SEC)は、2015年に操業を停止し、初期に数人の投資家が支払いを受けた後、残りの投資家は預けていた資金を全て失ったことを伝えました。 SECは、3200万ドルの損失が確認されたが、合計は1億ドルにまで至る可能性があると推定しました。

宝石詐欺 No.3:「ファイナンシャル・セキュリティ」詐欺

ダイヤモンドや宝石投資の別の詐欺は、ハイパーインフレや激変する金融及び社会的崩壊を恐れる個人を狙うものです。 詐欺師は、他の「サバイバリスト」や「固定資産」製品の販売者から名前を取得し、買い手としての見込がある人達に、現金と株は近い将来に起こる事故で価値がなくなるが、宝石やダイヤモンドを所有しておけば、資産を保護できるというメッセージを執拗に送ります。 設定は違っても、手口と結果は大抵同じです。

これらの企業のほとんどは、法執行機関が苦情​​処理に手をつける時間ができる前に、素早く撤退する一方で、彼らは決まって買い手の情報を別の詐欺師に売りつけ、その詐欺師が石をコストのほんの一部の金額、またははるかに価値の高い石の購入を条件に売りつけるのです。 この石は、もちろん、最初のものと同じく価値のないものであることが判明しました。

宝石詐欺 No.4:ツーリストトラップ

一攫千金をうたった詐欺と全く同じではありませんが、この宝石詐欺は、宝石やジュエリーの購入を行う際に、「お得な買い物」を探している人の心理につけこみます。 この詐欺は、対面で、しばしば休暇でリラックスしている人達を狙います。

観光客は旅行先、特にリゾート地やクルーズ船の港でジュエリーを購入するのが大好きです。 これらの場所には、信頼出来て、確立された宝石店も多くありますが、購入価格のほんの一部の価値しかない偽物やかなり処理が施された石を販売する詐欺師もいます。

導入は、多くの場合、正規販売店の外でウィンドーショッピングをしている客に近づく「客引き」で始まります。 彼らには「宝石の卸売りをしている友人」がいて、案の定、お店に陳列されている$1,000のルビーのリングは、裏路地のディーラーから買えば$400だと言います。 買い手が、その石が合成またはほとんど価値のないガラスで作られたルビーであることに気づく頃には、頼るものなく家についてしまっているでしょう。

自分を守る方法を知っておく

どのように詐欺から身を守り、正直な売り手と詐欺師を区別することができるのでしょう?

犯罪学者は、そのような詐欺を「説得の犯罪」と呼んでいて、売り手が自然な防御心と一攫千金の富の約束に潜む論理に入り込むスキルがある、あるいは彼らの「的」になることへの恐れを利用するという意味合いがあります。

油断は禁物です。 投資のための宝石を持ちかけてくる迷惑電話、電子メールやインターネット販売者には用心してください。 自然に感じる防衛本能を働かせましょう。

約束が大きいほど、失望させられる可能性が大きくなることを覚えておいてください。 10倍の利益が本当とは思えない場合、おそらくそれは本当ではないのでしょう。 宝石やダイヤモンド事業には、富と大きな儲けへの近道はありません。 大半の宝石とダイヤモンドは価格が十分に確立されている老舗のネットワークを介して取引されています。 全ての天然資源を使った製品に言えることですが、宝石の品質についての話であれば、価格はかなり上下します。品質には非常に広い幅があり、価格もそれに合わせて変動します。

例えば、かなりの傷があり、顕著な濃淡のある1カラットのダイヤモンドは、トップカラーで同じ大きさのフローレスな石の10%以下の価格で取引されます。 ルビー、エメラルドやサファイアにも多くの場合において同じことが言えます。 ですから写真では美しく見えた石が、実際に箱詰めされたものが届いてみると、かなり想像したものよりも劣って見える可能性が高いのです。

宝石の価格はあまり乱高下するものではないため、バイヤーが数ヶ月の間に5%、10%、あるいは1,000%の利益を出すことも可能です。 もし石の価格がそのように急激に高騰すれば、売り手は自分のもとに置いておこうとし、あなたに売ろうとしないでしょう。

宝石の価格に影響を与える要因については、こちらをご覧ください。 ダイヤモンドの品質に関する4C(クラリティカット及びカラット重量)とそれらが価格に及ぼす影響を時間をかけて理解することは非常に大切です。 一般的な宝石の加工処理合成石模倣品をよく理解しましょう。 宝石の品質と価値を決定する方法を知ることで、正しいオファーを認識する予備知識が備わります。 GIAの宝石百科事典は、ダイヤモンドや宝石について、またそれらが希少で、魅力的な価値の高いものである要素が記載された優れた情報源です。

宝石を購入する時は必ずGIAのような世界的に認知された、独自のグレーディングレポートを求めるようにしましょう。 GIAのダイヤモンドグレーディングレポートには、4Cに基づいたダイヤモンドの品質に関する客観的な評価が記載され、その外観をよくするために施されたであろう恒久的な処理をも開示しています。 セキュリティを強化するため、GIAはダイヤモンドのガードルにレポート番号を刻印します。

またGIAのレポートにはすべてのカラーストーンやパールに関するものもあります。 これらのレポートには、宝石が天然か合成かを見分ける方法、施された加工処理についての記載がされています。

宝石とGIAのレポートが提示された場合は、レポートチェック機能を使ってレポートの結果がGIAのデータベースに載っているものと一致するかの確認ができます。

自分の目で確かめて宝石を調べましょう。 販売店に行って、もしGIAのグラジュエイトジェモロジスト(GG)がスタッフにいれば、その人にサンプルを見せてもらい、宝石についての説明を求めることで、理解した上での購入ができるようにしましょう。 既にお持ちのレポートを見て、宝石に何か疑問がある場合には、彼らがその宝石がレポートに記載されているものであるかどうかを調べる手助けをしてくれるでしょう。

宝石は、即時に利益をもたらすものではないかもしれません。しかしながらその美しさで人生をより素晴らしいものにしてくれるでしょう。

Russell ShorはGIAカールスバッドのシニア業界アナリストです。