業界分析

オークションが今年度に活気をもたらす


Placeholder Alt Text
カルティエの リングにセットされた25.59ctのこのSunrise Ruby(サンライズルビー)は、サザビーズのジュネーブでのセールで3030万ドル(約37億円)で落札された。これは、オークションで落札されたルビーとしては最高額で、またルビーのカラット単位の価格でも最高額(ほぼ120万ドル、約1億4700万円)である。 提供:Sotheby’s(サザビーズ)。
春のオークションシーズンは今回も堅調な売上で終了し、記録もまた更新されました。

Christie’s(クリスティーズ)では、アジアとしては過去最高の1.18億ドル(約144.7億円)の売上を香港で記録して、春のオークションシーズンを終えました。 売りに出されたロットの90%近くが売れており、また価格のほうも記録を更新するほどではなかったものの、非常に堅調でした。

トップのロットは、アジアの個人バイヤーが落札したEtcetera(エトセトラ)の120カラットのビルマルビーとダイヤモンドのネックレスで、1300万ドル(約15.9億円)でした。 9.07ctの長方形で、GIAのグレーディングがインターナルフローレス(IF)、タイプIIaファンシーインテンスピンクのハリーウィンストンのダイヤモンドリングが1260万ドル(約15.4億円)、カラット当たり140万ドル(約1.7億円)で売却されました。

また、長方形カットの15.15ct、DカラーかつIFクラリティのGraff(グラフ)によるダイヤモンドリングが360万ドル(約4.4億円)、つまりカラット当たり235,760ドル(約2900万円)、Moussaieffのペアシェイプ、3ctでIFのファンシーインテンスブルーダイヤモンドリングが 260万ドル(約3.2億円)、つまりカラットあたり851,904ドル(約1億円)、などがありました。

Sotheby’s(サザビーズ)は5月13日ジュネーブにおいて、カラットあたりの価格が初めて100万ドル(約1.2億円)を超えるルビーを売却しました。 この25.59ctの Sunrise(サンライズ)ルビーは、最終的には売りに出される前の推定落札額の倍の値段の3030万ドル(約37億円)、すなわちカラットあたり約120万ドル(約1億4700万円)で落札されました。結果的に、このオークションは1億6091万ドル(約197億円)という、ジュエリーオークションとしては最高の売上を記録し、その前年の記録をほぼ2000万ドル上回りました。 オークションカタログによると、ルビーはビルマ産で、処理された痕跡はないということです。

またこの競売では、8.72ctの GIAのグレード付ファンシービビッドピンクのダイヤモンドが売りに出されており、これは伝えられるところによれば、ナポレオン ボナパルトの姪、マチルド ボナパルトにゆかりのあるものとされています。 そのクッションシェイプのダイヤモンドは、1,590万ドル(約19.5億円)、すなわちカラット当たり182万ドル(約2.2億円)で落札されました。 第二次世界大戦後から、ずっと銀行の金庫に保管されていたということです。

一方香港では、天城インターナショナルが6月14日、史上最高額のジュエリーオークションがあったと報告しました。 総売上額は3800万米ドル(約46.6億円)にのぼり、これには318万ドル(約3.9億円)で落札された25.72 ctの Dカラー、VS2のハート型ダイヤモンドが含まれています。 このダイヤモンドは、67.45ctの 原石から切り出されました。

ジェードとダイヤモンドのネックレスには378万ドル(約4.6億円)の入札があり、52.22ctの モザンビーク産ルビーが入ったネックレスは、318万ドル(約3.9億円)の最高値がつきました。

This jade and diamond set of necklace and earrings drew a winning bid of $3.78 million at the Tiancheng International auction in Hong Kong. The eight jade cabochons measured 20.13 mm x 17.13 mm x 9.73 mm and were set with 73.55 carats of diamonds. Courtesy of Tiancheng International.
市場

米国 商務省によると、宝飾品の売上は4月も軟化し続けるとしています。 宝飾品の小売での売上は今月は前年比2.4%減であり、すべての販売形態でも1.5%減になっています。 小売での宝飾品の売上高は、今年最初の4ヶ月で4.5%減となっています。 商務省の報告書の5月の予想によると、宝飾品の小売販売は依然として軟調であり、また他の消費財の小売売上高も一般的に年間を通して横ばいだったと指摘しています。

デビアスの6月のサイトでは、ダイヤモンド原石の価格は5月から変わっておらず、製造してもいまだに不採算の状態になっています。 サイトは5.5億ドル(約675億円)から6億ドル(約736億円)と推定されました。これは中間サイズで、不良品が少なく、また「ex-plan」(追加販売)もあまりないことを前提にしたものです。 デビアスのサイトホルダーや他のダイヤモンド製造者の報告によると、月産量が25%から35%減少しており、それにより7~10ヶ月分の供給過剰が、特に0.30から0.90カラットのクラリティの高い石で発生しているということです。

香港のディーラーは、まだ小さい割合ながら上昇している小売売上高にもかかわらず、卸売市場が25%から30%減少、中国本土では5%から7%程度減少していると報告しています。 これは、香港の小売業者は大量の在庫を持っており、また非常に注意深いということが原因と考えられます。

今まで他の市場の減速を穴埋めするため中国に期待を寄せていた業界にとっては、調整は困難です。最も堅牢な市場である米国が、いまだに慎重かつ非常に選択的なままだからです。

デビアスと小売のアナリスト側では、9月には米国の需要が復活し、年末までには一桁台半ば程度の成長をもたらすだろうと楽観しています。

Russell ShorはカールスバッドにあるGIAのシニア業界アナリストです。