同窓会スポットライト

ツーソン訪門後、地質学教授兼ウェブサイト運営者が学校に戻る決心をする


Man sits next to microscope.
Hobart King博士(GG)は、6歳のときに自宅の車庫の前にある石灰岩でできた道にあった無脊椎動物の化石を探査し始め、その数年後には岩石を発掘するようになった。Geology.com のウェブサイトを購入する前までは、地質学教授として長い、確立されたキャリアを満喫していた。「常に学びましょう。あなたのビジネスを発展させるのに役立つ新しいスキル、ツール、情報があるかどうか常に注意して、チャンスを逃さないように。」提供:Geology.com 写真撮影:Bradley Cole

Hobart King博士はすでに40年以上の経験を持つベテランの地質学者であり、そのうち20年の間は大学で教鞭をとっていました。その後、出版業界に転職しましたが、Tucson Gem and Mineral Show(ツーソンジェム&ミネラルショー)に出展していたGIAのブースへ立ち寄ったとき、教授としてではなく、今回は学生として学校に戻る決心をしたのです。

1970年代半ばから1990年初頭にかけてWest Virginia University(ウェストバージニア大学)およびWest Virginia Geological and Economic Survey(ウェストバージニア地質・経済調査)で地質学者として活躍していたKingは、1980年代から2008年までPennsylvania State University(ペンシルバニア州立大学)とMansfield University of Pennsylvania(マンスフィールド大学 ペンシルバニア校)で教壇に立っていました。地質学、水文学、グローバルポジショニングシステム、Webベースの地図学を教え、マンスフィールド大学ではCenter for Effective Teaching(効果的な教育センター)のディレクターおよび地球宇宙科学教育プログラムのコンテンツアドバイザーを務めていました。

2010年、KingがGIAブースに立ち寄ったとき、自分ももっと教育を受けたいと考え始めました。また、一般の方や地質学の基本に興味のある人々を教育するために2005年に購入した地球科学に関するニュース・情報のウェブサイト、Geology.comで地質学の情報が満載した記事を出版し始めました。

回転式洗浄機で洗った様々な色の宝石。
「回転式洗浄機で洗った石は宝石のコレクションを始めるのに最も安価な方法です。」Kingは、毎年、数トンの石を宝石愛好家や宝石細工の初心者に販売し、鑑別のためにGIAに送ることもある。「GIAの宝石鑑別コースを受講したとき、回転式洗浄機で洗った石をいくつか鑑別するように言われて嬉しかったです。」写真提供:Geology.com 写真撮影:Bradley Cole

私はいつも宝石に興味を持っていました。Geology.com のために岩石や鉱物に関する記事を書いていたとき、その多くが宝石質だったので、カボションやファセットカットされた石の写真も時々使いました。宝石の写真を使うと、サイトの訪問者が非常に増えたことに気が付いたので、それらの記事に宝石に関する詳しい情報を付け加えるようにしました。これらの記事のページビューと滞在時間が増えたので、人気があることが分かりました。このページの訪問者は宝石について知りたかったのです!なので宝石学で正式な教育を受けるべきだと思うようになりました。もっと良い記事を書けるようになりたかったのです、とKingは語りました。

Kingは、オンライン教育を早くから導入し、マンスフィールド大学ペンシルバニア校が「オンラインのみで完全に配信される米国初のインタラクティブな地質学コースのひとつ」を開発するのを支援しました。彼は、GIAが通信教育のクラスを提供していることを知って喜び、直ちにカラーストーンエッセンシャルに登録し、その後数年間で他のGIA通信教育コースも受講しました。

2016年、宝石学の世界にさらに没頭することとなる出来事がKingに舞い込みました。目がもっとはっきり見えるようになったのです。

「白内障の手術をしたおかげで、視力がすごく改善して、色がもっとはっきりと見えるようになりました。これがきっかけでGIAのラボコースに入学することを決心して、カリフォルニアを訪れているときに、カラーストーングレーディングのラボクラスをとって、後で戻ってダイヤモンドグレーディングと宝石の鑑別クラスをとりました。」

Rocktumbler.comの備品室で写真にポーズする5人。
Geology.com と RockTumbler.com の出版およびネットショップに従事するKingおよびスタッフ。左から、Bradley Cole、Amber Cole、Kingの妹 Laura Rittenhouse、Hobart King、Kingの娘 Angela King。写真提供:Geology.com  写真撮影:Bradley Cole

6歳のときに自宅の車庫の前にある石灰岩でできた道にあった無脊椎動物の化石を探査し始め地質学に興味を持ち始めたKingは、地質学で学位を初めて取得した42年後の2017年にグラジュエイトジェモロジスト(GG)のディプロマを取得しました。

GIAの宝石鑑別コースは、絶対に最も優れた通信教育コースだと思います。GGプログラムは、オンラインで提供される最高のプログラムのひとつだと思いますし、私にとってはとても貴重な強みとなっています。ウェブサイトの内容を書く際にとっても役に立ち、正式な教育と経験なしで書いている方にはない信頼感が生まれますから、と話しました。

宝石細工と岩石の回転式洗浄機の小売サイト、RockTumbler.comも運営するKingおよび妹と娘を含む彼の4人の従業員にとって、GIAの継続教育は毎月Geology.comを訪れる100万人以上のユーザーにより良いサービスを提供するのに役立ちました。

大抵の訪問者は、岩石、鉱物、火山や地図の情報を探すためにサイトを訪れるのだと思います。それから、宝石に関する記事を見つけて、読み始めます、と読者にとって教育上ためになる内容を書くことが彼の最も重要な仕事であると考えるKingは語ります。ある意味で、私たちのウェブサイトは、地質学の中核となる分野の1つである鉱物学を応用した宝石学の大使という役目を果たしています、と続けました。

石炭の内部構造を示す石炭の拡大図。
宝石と同じく、石炭の中に鉱物の破片のインクルージョンがあるのは望ましくありません、と元地質学教授およびGIA GGのKingは説明する。石炭を評価することは、宝石のクラリティを評価することと似ていますが、その違いは主に大きさです。」Kingが撮影した「透過光の下で高倍率で拡大した石炭」の画像では、胞子 (大きな黄色の物体)、木質素材の薄い断片 (赤い帯状の物体)、より小さな胞子と藻類の破片 (オレンジと黄色の粒子)、木炭または不透明な鉱物のインクルージョン (黒い素材)が観察できる、と続けた。写真提供:Geology.com  写真撮影:Hobart King

業界や消費者向けメディアからの関連ニュースを集めて作成するGeology.comのデイリーニュースページは、訪問者の間で非常に人気があり、このページを研究および準備することにKingは多大な時間を費やしていることに気が付きました。

デイリー・ニュース・ページは、プロの地質学者が最も訪問するページで、石油、ガス、採鉱に関心を抱いています。石油やガス、地震、火山や採鉱に関する話は、すべての読者の間で最も人気があります。訪問者が関心を寄せていることを把握することで、何を書いたらよいか理解できます。興味のある方のために他のトピックも少し加えています、と彼は言いました。

Kingは、ニュース記事の間に「つながりとパターン」を発見して驚いています。

例えば、天然ガスでは、発見、パイプラインのプロジェクトの発表、液化天然ガスなどに関するトピックが数か月間取り上げられているのを見ると、価格の変動や世界各地での生産、消費、投資、政治の間でつながりを見つけて理解するのに役立ちます。読者の方もこのようなパターンに気が付いてくださることと願っています、と彼は語ります。

Kingは宝石学における彼自身の研究を進めるにつれて、例えばJCKデイリーブログのような宝石・宝飾品に関するニュースとGems & Gemology(宝石と宝石学)やMining.comに掲載されている記事の間にある関係を発見しています。

「小売業、研究、採鉱には多くの共通点があります。」

Kingの好奇心は絶えることなく、彼の運営するウェブサイトが提供する教育的な内容と初心者向けの宝石細工の備品がきっかけで、皆さんにも新しいことにチャレンジするやる気が出ることを期待しています。

私たちは毎日新しいことを学んでいます。学びながら、その学んだことをこれからも分かち合っていきます、と言います。

寄稿者Jaime KautskyはGIAダイヤモンドグラジュエイト、またGIA Accredited Jewelry Professional(AJP アクレディテッドジュエリープロフェッショナル)で、The Loupe(ザ・ルーペ)誌の共同編集者を務めていました。