業界分析

2016年春のオークション最新情報:高額の巨大ダイヤモンド


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クリスティーズは5月18日、 14.62カラットのファンシービビッドブルー・オッペンハイマー・ブルーダイヤモンド(今までに売りに出された中で最も大きなファンシービビッドブルー)を5,750万ドル(約63億円)で売却した。 提供:クリスティーズ

真に巨大なビッグダイヤモンドが、5月の話題を独占しました。 クリスティーズは、14.62カラットのオッペンハイマー・ブルーをオークション史上最高額となる5,750万ドル(約63億円)で売却しました。 また、探鉱会社ルカラ・ダイヤモンド社が、非常に大きな発掘物のひとつである812.77カラットの原石を6,300万ドル(約69億円)以上で競売にかけ、 Lesedi La Rona(レセディ・ラ・ロナ)と名付けられた1,109 カラットのダイヤモンドの原石は、 来月の終わりに売却される予定です。

5月8日、ルカラ社が競売に出した812.7カラットの大物は、 ドバイに拠点をおくNemesis International(ネメシスインターナショナル)によって落札されました。 ダイヤモンドの原石としては史上最高額となりましたが、通常の即金販売であるダイヤモンド入札とは違い、石の90%に相当する金額となっており、残りをルカラ社が受け取ることになっています。

6月29日のサザビーズのオークションでは、世界で2番目に大きなダイヤモンド原石であるルカラ社の1,109カラットの石に、 記録的な高値がつくであろうと期待されています。 非常に注目されているこのオークションは、ロンドンのサザビーズで行われる予定です。 ルカラ社は2つのうちの小さい方の価格の90%の値から判断し、確実に7,000万ドル(約77億円)以上で落札されるだろうと予想しています。

まるで1,109カラット(当初は1,111カラットと言われていた)のLesedi La Ronaの大きさが十分ではなかったかのように、 石の一部であった374カラットの原石が前日に見つかった、と同社は発表しました。 石が自然に2つになったのか採鉱過程で割れてしまったのかは定かではない、としています。

この1,111カラットの原石は昨年ボツワナで発掘され、今年後半にサザビーズから販売される。 提供:Lucara Diamond(ルカラ・ダイヤモンド) 去年ボツワナで発掘されたLesedi La Ronaと名付けられた1,109カラットのタイプ2型ダイヤモンド原石(史上2番目の大きさ)は、今年中にサザビーズによって競売にかけられる。 提供:Lucara Diamond(ルカラ・ダイヤモンド)

バンクーバーに本社を置くルカラ社が、ボツワナのカロウェ鉱山で採鉱されたダイヤモンドの両方を完全に所有しています。 昨年の秋にこの2つの大きなダイヤモンドを発見したルカラ社は、カロウェでは今年の第1四半期で100カラットを超える8つの石を生産したと話しています。 同社の年次報告書によるとこの鉱山では、毎年約100,000カラット(1カラット当たり平均649ドル(約70,000円)相当)を生産しているとのことです。

ドバイの取引業社Nemesisは今年の初め、 ルカラ・ダイヤモンド社のアンゴラで採鉱された404カラットの原石を 1,600万ドル(約17億円)で購入しました。 このダイヤモンドは、Fawaz Gruosi 氏が率いるスイスに本社のある高級宝石商De Grisogonoを通して販売される予定です。

小さめではあるもののよりカラフルな他の貴重なダイヤモンド類は、春のオークションの最終ラウンドで記録的価格を更新しました。

クリスティーズは5月18日、 GIAがグレードを評価したファンシービビッドブルー・オッペンハイマー・ブルーダイヤモンド14.62カラットをジュネーブで売却しました。これまでに販売された中で最も大きなファンシービビッドブルーです。 負けじとばかりジュネーブのサザビーズは、 GIAがグレードを評価したファンシービビッドピンクのユニーク・ピンクダイヤモンド15.38カラットを競売にかけました。これまでこのグレードで落札された中では最大のダイヤモンドです。 3,160万ドル(約34億円)という価格は、南アフリカの古いキンバリー鉱床で採鉱されたダイヤモンドとしては、販売前の推定値に比べ低めの価格に落ち着きました。 2016年春シーズンのフィナーレを飾るのは、 GIAがグレードを評価したファンシービビッド・グリーンダイヤモンド5.09カラットとなるでしょう。 原石から長方形にカットされたダイヤモンドのリングは、ファンシーピンクのメレーで囲まれており、1,600万ドル(約17億円)から2,000万ドル(約22億円)で落札されると予想されています。

長方形にカットされたオーロラグリーン・ファンシービビッド・グリーンダイヤモンドが、ファンシーピンクのメレーで囲まれたリングである。 オーロラグリーンという名前が 付けられた5.03カラットのファンシービビッド・グリーンダイヤモンドは、今年までにGIAがグレードを評価した中では最大のファンシービビッドグリーンである。 5月31日に香港のクリスティーズで1,600万ドル(約17億円)から2,000万ドル(約22億円)で落札されると予想されている。 写真提供:クリスティーズ

ダイヤモンドの原石

デビアスの会長である Philippe Mellier 氏は、今年の半ばまではダイヤモンド原石の販売に「慎重な姿勢を持つこと」を示しています。 同社は、2016年の前2回のサイト(現在はサイクルと呼ばれる)でおよそ12億ドル(約1,320億円)に加えて、4月のサイクルで6億6,000万ドル(約726億円)を販売しました。 一方で同社の今年度の生産は、約10%減の2,600万から2,800万カラットになると発表しました。

デビアスは、低迷していた2015年を通し5億7100万ドル(約628億円)の収益(2014年の半分の収益)を上げていました。が、その一方で、資源を求める中国の需要が貪欲であるように見えた頃に始めたいくつかのプロジェクトが要因で、多くの債務を抱える親会社のアングロ・アメリカン社は悪戦苦闘し続けています。 アングロ社は、シャーターハウス街に長年にわたりあったデビアス本社を売却することで、1億5,000万ドル(約165億円)が得られるだろうと期待しています。

生産量において世界最大のアルロサ社は、年間生産量が2015年の水準と同等あるいはやや少ない3,700から3,900万カラットになるであろうと見積もっています。 昨年の後半に需要が崩壊したことを受け、同社は2,200万カラットを市場に出すのを控えました。 同社は、新たな生産を販売すると同時に昨年から蓄えられている在庫を売却したいが、価格も維持したい、としています。

Russell ShorはGIAカールスバッドのシニア業界アナリストです。