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トップ宝石は2015年オークションで記録の更新継続


16.08ctの ファンシービビッドピンクダイヤモンドは、記録的なBlue Moon Josephine(ジョセフィーンのブルームーン)ダイヤモンドを購入した人物が2,850万ドルで購入。 写真提供:Christie’s(クリスティーズ)
メジャーなオークションハウスは多数の個人バイヤーたちの記録的な入札のお陰で、今年も高級ジュエリーで大成功を収めました。

オークション市場を世界的に支配するChristie’s(クリスティーズ)とSotheby’s(サザビーズ)は、その年の宝石および宝飾品の売り上げで推定12億ドルを記録しました。 ロンドンのBonham’s(ボナムズ)や香港のTianchengなど、極めて重要な宝石を販売したその他のオークションハウスは、売り上げ総額に7,000万から8,000万ドルを追加しました。

この総額は昨年からわずかに減少していると、Christie's(クリスティーズ)アジア会長Francois Curiel氏は述べています。 「非常に高価格の希少でトップ品質の石に、市場は大きな関心を示しました」と、彼は言いました。 「ミドルマーケットの作品にはより多くの抵抗が示されました。」 

4,800万ドル相当のBlue Moon Josephine(ジョセフィーヌのブルームーン)と呼ばれる12.08ctの ファンシービビッドブルーは、これまでのオークションで落札された最も高価な宝石である。 1カラットあたり400万ドルという価格は、それまでの記録を100万ドル上回っている。 写真提供:Sotheby's(サザビーズ)

この秋、いくつかの宝石が世界中で次のような見出しを飾っています。

  • 12.03カラット(ct)のファンシービビッドブルーダイヤモンドは、ジュネーブの開催されたSotheby’s(サザビーズ)のオークションで11月19日に4,800万ドルで売却され、これまでのオークションで販売された最も高額の宝石となり、1カラット当たり400万ドルというカラットあたり最も高額なものとなりました。 バイヤーは香港の実業家Joseph Lau氏で、彼は娘に栄誉を授けるべく、このダイヤモンドをBlue Moon of Josephine(ジョセフィーンのブルームーン)と名付けました。 このバイヤーは前日(11月18日)に、 ジュネーブで開催されたChristie’s(クリスティーズ)で16.08ctのファンシービビッドピンクダイヤモンドを購入しました。 どちらのダイヤモンドもGIAがグレーディングしたものです。
  • 同じChristie’s(クリスティーズ)の11月18日の売上では、主要ディーラーはGIAがグレーディングした50.48ctの ペア—シェイプのD Flダイヤモンドを784万ドル(約8億円)、カラットあたり155,264ドル(約1600万円)で購入しました。
  • また、ある個人バイヤーはChristine's(クリスティーズ)が Crimson Flameと名付けた15.04ctのビルマ産ルビーを1,800万ドルで購入しました。 12月1日に香港で個人バイヤーに落札されたこの宝石は、これまでにオークションで売却されたルビーのカラットあたりの最高額でした。
  • 10月に香港のSotheby’s(サザビーズ)で、個人バイヤーは27.68ctのカシミール産サファイヤにカラットあたりで242,145ドルを支払い、カラットあたりの価格で記録を破りました 。 このセールで別のバイヤーは、Chowdray Pearlsと呼ばれる天然のグレーパールネックレスに520万ドルを支払い、新記録を作りました。

極めて希少な 15.04ctのビルマ産ピジョンブラッドルビー、Crimson Flameは、これまでのオークションでルビーに支払われたカラットあたりの最高額の120万ドル。 写真提供:Christie’s(クリスティーズ)

ニューヨークのSotheby’s(サザビーズ)のその年の売上高は5,200万ドルに終わり、その中には25.87ctの シュガーローフカットのカシミール産サファイアが含まれ、その落札額は510万ドルになりました。 カシミール産サファイアは、430万ドルで売却された1930年代にエジプトのナーズリー女王のために作られたVan Cleef & Arpels(ヴァンクリーフ&アーペル)のダイヤモンドネックレスの売上を簡単に上回りました。

Christie’s(クリスティーズ)は、女性相続人Florence Gould氏が かつて所有した31.34ctのD VVS2 Victory Diamond(ビクトリーダイヤモンド)の落札額430万ドルでその年を終えました。 このダイヤモンドは昨年、予想売上高500-800万ドルで落札される予定でしたが、予想額に届きませんでした。 同じセールで、43.79ctの D VS1クッションシェイプ IIa型ダイヤモンドは400万ドル(約4億円)の最終落札額に、GIAがグレーディングしたL VS2の103.66カラットの ダイヤモンドは375万ドルの入札額になりました。 23.98ctの ビルマ産サファイアは予想額の約2倍の150万ドルで落札されましたが、12.52ctの Matice カシミール産サファイアはその予想額を満たしませんでした。

この4連の天然カラーパールネックレスのセットは4月14日、Christie’s(クリスティーズ)ニューヨークのオークションで、520万ドルという記録的な価格でアジアの個人バイヤーによって落札された。 写真提供:Christie’s(クリスティーズ)

12月5日、Bonham’s(ボナムズ)のロンドンのセールでは、カシミール産サファイアイヤリング(7.92ct と7.96ct)が予想額のほぼ2倍の230万ドルで売却されました。 この19世紀のイヤリングはかつてヨーロッパの無名の王女が所有していました。

Christie’s(クリスティーズ)は、香港でアジアの最高売上高、1億1,800万ドルで春のオークションシーズンを終えました。 売りに出された商品の90%近くが売れており、また価格も記録を更新するほどではなかったものの、非常に堅調でした。 最高額で落札されたのは120ct のビルマ産ルビーとEtcetera(エトセトラ)のダイヤモンドネックレスで、アジア人の個人バイヤーが1,300万ドルで落札しました。

Van Cleef & Arpels(ヴァンクリーフ&アーペル)は1930年代に、エジプトのナーズリー女王のためにこのダイヤモンドネックレスを作成。 ラウンドおよびバゲットダイヤモンド600個以上でセットされ、総重量約217カラットのこの宝石は430万ドルで売却された。 写真提供:Sotheby’s(サザビーズ)

Sotheby’s(サザビーズ)は5月13日ジュネーブにて、カラットあたりの価格が初めて100万ドル(約1.2億円)を超えるルビーを売却しました。 25.59ctの Sunrise(サンライズ)ルビーは予想額の2倍の最終総額3,030万ドルで売却され、これまでのオークションでルビーに落札された最高価格になりました。 このオークションでは、これまでのジュエリーオークションの最高総額1億6,091万ドルになり、過去の記録を2,000万ドルほど上回りました。 オークションカタログによると、ルビーはビルマ産で、処理された痕跡はないということです。

このセールではGIAがグレーディングした8.72ctの ファンシービビッドピンクが売りに出されており、これは伝えられるところによれば、ナポレオン・ボナパルトの姪、マチルド・ボナパルトにゆかりのあるものとされています。 このクッションカットのダイヤモンドは、1,590万ドル(約19.5億円)、すなわちカラット当たり182万ドル(約2.2億円)で落札されました。 第二次世界大戦後から、ずっと銀行の金庫に保管されていたということです。

2015年後半に430万ドル(約4億5千万円)で落札された、31.34カラットのD VVS2エメラルドカットダイヤモンドリングのVictory Diamond(ビクトリー ダイヤモンド)。 写真提供:Christie’s(クリスティーズ)

一方香港では、 Tiancheng Internationalが6月14日、史上最高額のジュエリーオークションがあったと報告しました。 総売上額は3,800万米ドル(約46.6億円)にのぼり、これには318万ドル(約3.9億円)で落札された25.72ctの D VS2ハート型ダイヤモンドが含まれています。 このダイヤモンドは、67.45ctの 原石から切り出されました。

オークションのトップ宝石市場は業界にとって困難な年であるにもかかわらず、輝かしい記録を収めました。 前年に採掘された主なダイヤモンドなどを含むこのような石が、2016年の市場に出されることを願っています。

Russell ShorはカールスバッドにあるGIAのシニア業界アナリストです。