同窓会スポットライト

デザイナーの独創的で「奇抜性のある」ジュエリーが、数々の業界の賞を受賞


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「デザイナーであることの最も素晴らしい点は、自分のアイデアが現実になるのを目にすることができる点です。」と、GIA のジュエリーデザイン&テクノロジークラスの第1期卒業生 Trishala Ashok は言う。 「紙にアイデアを描き、CAD を使って設計し、送って製造するという過程の全てがワクワクするんです!」ここでは、花嫁が結婚式に、宇宙船に着想を得てデザインされたカクテルリングをはめている。Ashok が展開する WANSH Fine Jewelry 製。 提供:Priyanka Mayur

Trishala Ashokのような新進ジュエリーデザインアーティスト(とはいえ彼女の場合、たった数年で数々のデザイン賞を受賞しています)は、きっと美しい高級ジュエリーのディスプレイや、レッドカーペットで目にする輝くリングに刺激を受けてこのキャリアに至ったのだろう、と私たちは思わず想像してしまいます。

しかし、Ashok の場合は違います。バンガロールを拠点とするジュエリーデザイナーの彼女は、子供の時、米国のデパート Marshalls (マーシャルズ)でクラフト用の小瓶を見つけたことが、今のキャリアにつながる第一の動機となっているのです。 彼女は8歳の時、長期休みに初めて家族で米国に旅行したその経験を、今でも覚えています。

「ビーズや Sculpey のポリマークレイ、Shrinky Dinks の工作キット、ワイヤーなどをたくさん集めたんです。」そこから、「がらくた」のジュエリーを家族や友達に作り始めたのだと彼女は言います。 「少し大きくなってからは、彼女に何かプレゼントをしたいという男の子達相手に、ジュエリーを売るようになりました。」

黒い洋服で、宇宙船に着想を得て自らがデザインしたリングを身につける Trishala Ashok。
「自己紹介で、GIA を卒業したと言えることをすごく誇りに思うんです。」と言う GIA JDT の Trishala Ashok。 「学生の身分で入学しましたが、卒業時には自信を備えたジュエリーデザイナーになっていました。 GIA を卒業したのなら、最高の訓練を受けてきたのだとわかってもらえるのです。」写真:Sunder S.A.

Ashok は後に、女性卒業生として GIA ジュエリーデザイン&テクノロジー(JDT)コースの第1期クラスを2013年に修了することになりますが、水族館や砂の山から、または通りを歩いている時でさえ、多様な数多くの石を家に集めていました。

「カットして面を作ってあげさえすれば、あらゆる石が宝石なんだと思っていたんです。」と彼女は言います。

自分のジュエリーブランドを立ち上げることを夢見ていた当時十代の彼女は、新聞で GIA について知ると、「即刻、恋に落ちた」と言います。バンガロールの Center for Management Studies でメディア学を専攻し学士を取得した後、バンガロールの高級ブティックでソーシャルメディアマネージャーとして勤務しながら、GIA への入学申請が通るのを待ち望んでいました。

彼女は、6ヶ月間カールスバッドの GIA キャンパスで開講される新規の JDT プログラムに入学許可されるのをとても楽しみにしていました。一方で、そのクラスで学生が使用することになる技術については不安もあったと言います。

「当時私がコンピューターを使ってしていたことといえば、メールチェックだけだったんです。だから、Rhino や Matrix7.0 といったデザインソフトウェアについて学ぶのは、本当に初めての経験でした。」と Ashok は振り返ります。 「はじめは難しいと思いましたが、毎日練習していたら上手くなったんです。 今ではソフトウェアを開くと、手が自然と動いてくれるんです。 今はどこにどのツールがあるのか、それを作動させるためのキーはどれかが全てわかります。 自転車に乗っているような感覚です。身についていて、決して忘れないんです。」

宝石にまつわる知識とソフトウェアの技術を得られるだけでなく、GIA インストラクターが出すデザインの課題もまたやりがいがあり、充実していたと彼女は言います。 「挑戦を挑まれ、その課題に立ち向かう。そこに強い充実感を覚えました。」

センターダイヤモンドを挟むバンド部分は、楕円の葉のような形で構成されている。 センターダイヤモンドの各側にある2つの楕円の葉の中には、それぞれ小さなダイヤモンドが一つずつあしらわれている。 JDT ディプロマを取得するための GIA での最終プロジェクトとして、Ashok はダイヤモンドの婚約指輪を製作し提出した。 「諦めそうになった時、いつもそのデザインを眺めるんです。」と彼女は言う。 この指輪は、自分がいかに成長してきたかを教えてくれる存在となっている。 マトリックスレンダリング:Trishala Ashok 作

Ashok は今も仕事で、GIA での学生時代の最後の提出物となった婚約指輪から刺激を受けていると言います。

「とてもシンプルなデザインなのですが、当時はまだ学生でしたし、このリングを通して自分ができることについて知ることができた衝撃的な作品だったんです。 しっかりと製作するため、何時間も座って取り組みました。 今は諦めそうになるたび、そのデザインを眺めるんです。 これを作った時から、いかに自分がこの業界で成長できてきたかを教えてくれるからです。」

Ashok は、2013年に卒業する時には、新たな自信を得て、自分のブランドとキャリアを出身地でスタートさせる準備ができていました。

「GIA での経験があったからこそ、今の私があります。 GIA に入学する前は、ジュエリーについて何も知りませんでした。知っていたのは、おしゃれなビーズを糸に通してブレスレットにする方法くらいだったんです。 JDT のコースが終わるころには、自分自身にびっくりしていたほどです。 その6ヶ月で学び、達成できたことについて嬉しく感じました。」
 

ブルーとグリーンの宝石で、クジャクの尾の色合いを真似たフープピアス。

Ashok は、新ブランド「WANSH」を立ち上げました。この名前は、両親の名前を組み合わせたものです。そして、この新規ブランド立ち上げから間もなく、デザイン賞を受賞するようになります。その中には、直販のファインジュエリーブランド Mejuri や、デザインコンテストを運営する Gem Privé からの受賞も含まれていました。

WANSHの「真髄」には、「インスピレーションを刺激するデザイン」という観念があると言います。日常の生活でのありふれたものや、予期せぬ出来事、ささいな事柄をよく観察して見抜き、そこから何か美しいものを創り出すのは、彼女が意識的に高めようとしているスキルであり能力です。 Ashok は、Vogue 誌のクリエイティブディレクター Grace Coddington 氏の次のような言葉を挙げました。「常に目を見開いていましょう。 見続けるのです。 目にしたあらゆるものが、インスピレーションとなってくれますから。」

「この言葉は、私のお気に入りなんです。デザイナーとしての私を説明してくれているみたいで。」とAshokは言います。 「とても奇抜なものからインスピレーションを得て、できた作品もあります。奇抜なものとは、例えばサメの顎やクラゲの触手、宇宙船などです。 私自身が気に入っているリングは、アメリカのコメディ・ドラマ「モダン・ファミリー」を見ていて目に入った花瓶に発想を得ているんです。

若手デザイナーが直面する課題は山ほどあると、Ashok は言います。競争は激しく、デザインは彼女が意図したようにはできないことがあるからです。 彼女は失敗から学び、失敗を糧にして「向上につなげて」います。

「デザイナーとして自分に忠実でいること。これが最良の方法です。 自分のブランド、そして自分のデザインが、あなた自身の個性を映し出すことが重要なんです。」 

寄稿者のJaime Kautskyは、GIAダイヤモンドグラジュエイトおよびGIAアクレディテッドジュエリープロフェッショナルであり、The Loupe(ルーペ)誌の副編集長を務めていました。