カット:四番目の「C」


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これらの重量が(左から右へ順に)0.76、0.82、0.74ctのラウンドブリリアントカットのダイヤモンド3個はベリーグッドとカットグレードされた。 それぞれのカットグレードに当てはまるプロポーションにはある程度の範囲があり、その外観はさまざまである。 写真:Kevin Schumacher/GIA

GIAは2006年に、カラーやクラリティと同じようにカットの基準を確立するために、ラウンドブリリアントダイヤモンドに対するカットグレードの記載されたレポートの発行を開始しました。 このグレーディングシステムは過去10年間にわたって行われた研究を基にしており、その研究はGems & Gemology(宝石と宝石学)の記事で順次発表されています。

すでにGIAは数十年もの間ダイヤモンドのカットについて研究を重ねていましたが、1989年に大きな転換期を迎えることとなりました。 この時GIAの研究者たちは、コンピュータ技術の進歩により、かつては探求が難しかったラウンドブリリアント カットダイヤモンドの視覚的な外観の分析が可能になったのです。

ラウンドブリリアント ダイヤモンドの3次元モデルとコンピュータ生成の光線経路
GIAはダイヤモンド内で光がどのように作用するかを理解するために、高度な光線追跡プログラムを開発しました。 これは、研究者たちがどのような比率の組み合わせがより明るく、より燃えるような外観を創り出すかを決める助けになります。

高度なコンピュータモデリングを利用して、ラウンドブリリアント カットダイヤモンド内の光の行動を再現できるようになり、ダイヤモンドが輝きとファイアーをどのように表現するかを予測することが可能になりました。 フェイスアップの外観の要因となるこれら二つを研究するために、テーブルのサイズ、クラウンの角度、パビリオンの角度、スターの長さ、ロワーハーフの長さ、ガードルの厚さ、キューレットのサイズ、全体の深さなど何万通りものプロポーションの組み合わせを分析しました。 また、ポリッシュとシンメトリーの外観への影響についても研究しました。 そこから、これらすべての要素が相関して光の動きに影響していることが分かりました。また業界の伝統的な考えに反して、プロポーションの単一の要素あるいはごく一部の要素だけを考慮してダイヤモンドの外観を判断することはできないことも分かりました。 質の高い光の作用をもたらす可能性のあるプロポーションの範囲が幅広くあることも発見しました。

これはまだ、ほんの始まりでした。

カットに秘められた疑問

私たちは、プロポーションの値をどの程度変えると観察者が外見上の違いを見ることができるか、そして、どのようなプロポーションの組み合わせがほとんどの観察者が魅力的あるいは魅力的でないと感じる結果を生むか、という2つ​​の重要な問題の答えを求めていました。

広範囲に及ぶ観察と研究で、これらの問題に対する答えのほか、たくさんのことを得ることができました。

カットグレーディングシステムの開発

ラウンドブリリアント カットダイヤモンドのためのGIAダイヤモンドカット グレーディングシステムは科学と研究に基づいた予測システムです。

GIAは輝きとファイアーの計算値を確認する目的のほか、ラウンドブリリアントの全体的なカットの外観と品質に寄与する他の要素(シンチレーション、デザイン、職人の技法など)を分析する目的で、標準化された照明環境を利用して、大規模な観察検査に着手しました。

ダイヤモンド製造者やディーラー、小売業者、ならびに宝飾品の消費者など宝飾産業のあらゆる分野の観察者に依頼して、2,300個以上のダイヤモンドで70,000件以上の観察を行いました。 この仕事は、この種の研究で行われた最大のものと言って間違いないでしょう。

DiamondDock内のダイヤモンドを観察するために、ダイヤモンド3個が入ったトレイを持つ両手のクローズアップ。
実際本物のダイヤモンドを観察することで、明るい領域と暗い領域の対照的なパターンが魅力的なダイヤモンドにどのように貢献しているかという重要な実態を見抜いた。

最終的な予測グレーディングシステム

この実験では、各観察者に多種多様なプロポーションの組み合わせを持つラウンドブリリアント カットダイヤモンドの輝きとファイアー、全体的なカット外観について評価するように依頼しました。 この観察検査の結果はGIAダイヤモンドカットグレーディングシステムの開発にとって極めて重要であり、次のように要約することができます。

  • 輝きとファイアーのコンピュータモデリングを検証することができました。 ダイヤモンドを標準的な照明と観測条件で観測したとき、実際のダイヤモンドに見られる輝きとファイアーを示す結果になるための測定基準の改善も行いました。
  • 私たちは分析を続け、最終的に、シンチレーションのようなフェイスアップ外観の構成要素のほか、デザインや技能などカット品質の面も予測できるようになりました。
  • 私たちは、観察者が実際のダイヤモンドから、特定の要素についてどの程度の変化(例えば輝きのレベルなど)を一貫して認識することができるか、そして、全体的なカットグレードのカテゴリーのうち一貫していくつ認識することができるか、について判断できました。 これらの結果からGIAでは、科学的モデルを、ダイヤモンド業界の日常の作業で使うことができる実用的なシステムに変えることがでるようになり、その価値は計り知れないものとなりました。
  • 外観の個人的および地域的な好みは、真に実用的なカットグレーディングシステムの本質であることを発見しました。 ほとんどの観察者はダイヤモンドカット品質の全体的なグレードカテゴリーの5つを認識することができますが、個人的および/または地域的な嗜好から、それらのカテゴリ-内でどのようなダイヤモンドが最終的に好まれるかが決まります。 これは、1つのグレードカテゴリー内に実際には様々な外観のものがありながらも、いずれも同じように魅力的な外観をしていることを明確に示しています。
  • おそらく何よりも、大規模な観察検査と業界内の交流によって、GIAが予測的なダイヤモンドカットグレーディングシステムを作ることができたことは重要なことです。 つまりこのシステムは、カットグレードを得るためにプロポーションや数値の完全な情報を入力すると、観察者の大多数が出すであろうグレードに一致する結果を確実に示してくれるのです。 GIAはカットシステムのこの予測という特性によって、3,850万件以上のプロポーションの組み合わせに対するカットグレーディングの結果を含むカットデータベースを作ることができました。

DiamondDockでダイヤモンドを観察するGIA研究員。
何千個ものダイヤモンドがGIAダイヤモンドカットグレーディングシステムの開発中に標準化された光環境で観察されました。

すべてをまとめる

ダイヤモンドが魅力的であるためには、輝き、ファイアー、きらめきを備えていることのほかに、特に、明暗エリアのパターンがフェイスアップで観察されるときには全体的に魅力的な外観である必要があることを、コンピュータモデリング、観察検査、業界の交流を通して確認しました。

同様に、GIAは単なるフェースアップの魅力以上のものをカットの全体的な品質の評価に取り入れるべきだと認めています。 フェイスアップの外観がほとんど影響を受けない場合であっても、デザインや技能の質(ダイヤモンドの重量比率、耐久性、ポリッシュおよびシンメトリーからも明らかなように)はダイヤモンドの最終的なカットグレードに考慮されるべきです。