アフガニスタンにおけるエメラルドの調査


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世界クラスのエメラルドの本拠地である、アフガニスタンのPanjshir Valley(パンジシール渓谷)。 写真 © Andy Lucas
GIAのフィールドジェモロジストは、活動分野が異なります。 GIAカールスバッドのフィールドジェモロジィマネージャーであるAndy Lucasは、休暇を取る際、一般的な目的地を選びませんでした。 ビーチでも、スキーリゾートでも、国際都市でもありません。 その代わりに見事なエメラルドの鉱床に引き寄せられ、Lucasはアフガニスタンへ向かいました。

エメラルドの冒険
アフガニスタンにて

Lucasの目的地は、遠く離れたPanjshir Valley(パンジシール渓谷)のエメラルド鉱山でした。 そこは、危険と隣り合わせの難しいトレッキングを行わなければならず、ほんの少数のディーラーしか訪れない場所でした。 なので、出発前にLucasと付添い人であるEternity EmeraldのArthur Groom(今回の旅の手配人)は、著名な政治家であるAbdullah Abdullahと面会しました。 Abdullahのサポートにより、2人はパンジシール州に位置するパンジシール渓谷へ、エメラルド探索アドベンチャーに出発しました。


宝石の取引は、以前はアンティークや鶏肉市場であったチキンストリートで行われます。 写真 © Andy Lucas

カブールのチキンストリートで宝石ディーラーの向かいに座るArthur Groom(右)ー国の宝石取引センター。 エメラルド原石の塊を宝石の品質により、Groomは分類しています。 写真 © Andy Lucas
パンジシール渓谷では、起伏の激しい岩肌の美しさと息をのむような眺望が歓迎してくれます。 渓谷の名前は「5頭の獅子」を意味し、かつてそこで暮らしていた5人の精霊の兄弟への敬意を表しています。

「敵として訪れると、敗北を残します。 友人として訪れると、地球上で最も温かくフレンドリーな人々と出会うことができるでしょう」と、パンジシール渓谷への旅についてLucasは思い返します。 「共に旅をした鉱夫やディーラーは、私の生活環境のことを絶えず気にかけてくれていました」Lucasは懐かしそうに物語りました。


起伏の激しい山岳地帯は、馬で移動します。 写真 © Andy Lucas
Pawatの町に到着した後、暗くなる前にエメラルド鉱山に到着できるようにと、Lucasは急な登山道を登り始めました。 4時間のハイキングの後、日没時に採鉱エリアへ到着しました。


山腹にある、鉱夫たちの家々。 写真 © Andy Lucas
Lucasは、生き生きと振り返ります。「数百人の鉱夫たちがキャンプで働いていました。 多くの鉱夫たちは1日の終わりの休息を取っていましたが、別シフトの夜勤の鉱夫たちは仕事を始めていました。 私はその日の夕方、最も珍しいセレナーデを聴きました。それは、鉱山からのダイナマイトの突風により時々遮られる、山の中を通り抜ける風が鳴る音でした。

採鉱キャンプでの夕食は、新鮮なラム肉、米、何世紀もの歴史を持つアフガニスタンの主食のナンでした。 次の日の朝食は新鮮なヤギのミルクとアフガニスタンのナンで、同様に美味しかったです。と、Lucasは語ります。


オープンエアのキッチンで、仲間のために鉱夫はナンを焼きます。 写真 © Andy Lucas
その後、採鉱と鉱石の処理作業を見るために、Lucasは採鉱トンネルを訪れました。 採鉱は典型的で硬い岩石の鉱床があり、岩に穴を空けるためにディーゼルのドリルが使用されていました。 エメラルドを破壊することなく、表土の岩を除去することで代価は得られます。慎重な作業です!

爆発物を爆発させた後に鉱夫たちは現場に戻り、岩を除去しエメラルドを探します。 エメラルドを含む見込みのある岩は、作業エリアに送られた後に手作業によってバラバラにされ、網を使って洗浄されます。

エメラルド採鉱はたくさんの利益を生む、とLucasは指摘します。「多くのカラー宝石の鉱山と同じように、事業者は食料、装具、その他の作業に必要とされる物資を購入するための資金を提供します。 利益は、所有者と鉱夫たちの間で分配されます。 所有者の多くは、かつて鉱夫でした」


パンジシール渓谷で採鉱された「Pencil(鉛筆)」エメラルド 。その形状にちなんで名前が付けられました。 写真 © Andy Lucas
Lucasは帰国し、GIAの教材に今回の調査結果を取り入れる作業をしています。 アフガニスタンで採鉱される宝石素材の種類、採鉱作業、取引の性質などといった最新の情報が調査結果には含まれています。 カラーストーンと宝石鑑別のコースを取ろうと考えている方は、Lucasの旅の恩恵を受ける事を期待して良いでしょう。

アフガニスタン産エメラルドの入門書

  • アフガニスタン産のエメラルドは、優れた色を持ちます。そのため「どんな原産地の石にも劣らない」とLucasは語ります。
  • アフガニスタン産エメラルドの形状は、カット時に損失する石の割合が少なく、保持率が良好です。
  • アフガニスタンで採掘された結晶は、たとえ小さくても豊かな色彩を持っている傾向があります。
  • 長細い形状の原石(形が似ていることから鉛筆と名付けられました)は、多くの場合メレーと呼ばれる小粒状にカットされ、上質な時計に使用されます。

GIA GG、GJ、CGのAndy Lucasは1997年にGIAで働き始め、当初はジェモロジストのインストラクターとして、そして現在はフィールドジェモロジストのマネージャーとして活躍しています。 仕事により、地球上で最も僻地とされる場所でもLucasは旅をしました。

度々Gems & Gemology(宝石&宝石学)とGIAのウェブサイトに貢献してくれているLucasは、中国の宝石、ジュエリー業界、デザイナー、製造、ジェードに関する5つの連載記事を寄稿しています。 彼はまた、最近のミャンマー、モゴックへの旅についても書いています。 www.gia.eduより、世界中にわたるLucasの宝石学の旅の詳細を読むことができます。