業界分析

ダイヤモンド市場の低迷により追いつめられる鉱山業者たち


Placeholder Alt Text
ダイヤモンド原石を有益な製品にするためのコストは依然として高く、主要な生産者たちに負担となっている、とディーラーは述べる。 撮影:Russell Shor
世界のダイヤモンド業界が買い手市場になることにより、鉱山業者の収支決算に影響を与えています。 サイトと呼ばれる販売会において、クライアントが割り当ての相当数の割合を延期または完全拒否したことにより、デビアスの今年上半期の売上高は26%下落しました。

7月13日〜17日のサイトでも同じ状況が継続しており、当初は6億ドルを予定していた売上高が、およそ4.5億ドル(約554.4億円)まで減少しました。 大部分のクライアントが不採算商品の購入を拒否または延期し、合計金額は3億ドル(369.6億円)に届きませんでした。

デビアスは7月の価格の状態を維持しています。

15年前の独占市場とまではいかないものの、デビアスは依然として1カラット以上の市場で主要なシェアを占めています。 同社は主にバイヤーによる割り当て購入の拒否または延期が原因で不本意にも販売を減少させましたが、価格を大幅には下げてきませんでした。

販売数トップ(売上高2位)のダイヤモンド生産企業であるAlrosa(アルロサ)も同様に価格を維持し、販売に際し割り当ての最大30%まで延期できることをクライアントに許可しました。 上半期の原石の売上高は昨年と比べ26%低下し、価格は約7%の値下がり率であると同社は述べています。

原石の価格はわずか数パーセントの減少にとどまりましたが、他の生産者による入札オークションの売上は昨年と比較し15%〜25%低下しました。

非常に大きなダイヤモンドは、例外となっています。 ボツワナでKarowe鉱山を運営しているLucaraダイヤモンド社は、7月の入札で非常に強気な価格を提示したことが伝えられました。IIa型の341.9カラットの大きさのダイヤモンドに2,055万ドル(約25.3億円)の落札価格が付けられ、269.7カラットの ダイヤモンドは1,654万ドル(約20.4億円)で落札されました。 1カラットあたりの金額は、双方ともに6万ドル(約740万円)を上回りました。

ダイヤモンド流通経路の下流では、Surat(スーラト)にある2つの大きな製造事業が、1.4億ドル以上の負債を残し閉鎖しました。 先に述べたように、製造の量はおよそ三分の一に減少しており、インドと中国にある数多くのカッティング委託業者が閉鎖に追い込まれています。

米国のダイヤモンドとジュエリーの販売は今年初の上向き傾向(2014年に比べ5月は0.5%上昇)が認められる中、中国の経済状況は悪化し続け、それが宝石の小売り販売にも反映されています。

中国最大の宝飾品小売事業を営むChow Tai Fookは、6月30日に終了した四半期の既存店の売上高は15%下落し、このような2桁の下落は連続して4回目であることを報告しました。 問題の中心は、香港とマカオの観光客の数が大幅に減少したことにあります。 とはいえ中国本土の売上高も低下しており、「宝石がセットされたジュエリー」の販売は4%下落しました。

香港に拠点を置くもう一つの大きなチェーン店であるLuc Fookは、四半期の既存店売上高が20%下落したことを報告しました。

実際のところ、中国の経済成長の低下によって、多くの商品に対する深刻な需要の減少や価格の不安定さが発生し、いくつかの採鉱企業(2、3年前には需要に追いつくことができなかった企業)で再編を引き起こしています。 銅、石炭、鉄鉱石、プラチナ、電子機器の製造で使用されるレアアースの価格は、今年大幅に下落しました。

日本においては高齢化社会、低成長経済、停滞経済が相まって、ダイヤモンド相場の大規模な急落につながりました。 研磨されたダイヤモンドの輸出(主に消費者による販売)においては、今年最初の4ヶ月間で77%増加したと政府は言及しています。 ブルームバーグのレポートによると、政府は「リサイクルされた金とダイヤモンド」 の市場は今年120億ドル(約1.7兆円)であると推定しています。

今年円はドルに対して18%下落しており、同国におけるダイヤモンドや金のコストを押し上げ、新しく生産されるダイヤモンドへの需要を抑制しています。

デビアスおよび他の予測家たちは、9月に開催される香港ショーや米国のホリデーシーズンに向け、この秋に市場が上向きになることを期待しています。

Russell ShorはカールスバッドにあるGIAのシニア業界アナリストです。