業界分析

1月の見通し:ダイヤモンド原石の供給増加により、
価格の低下


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米国ホリデーシーズン期間の小売業におけるダイヤモンドジュエリーの売上高にはむらがあったものの、仮報告によると全体的にはプラスで終わりました。 需要はダイヤモンド取引所を悩ませた前年の余剰在庫の一部を売り上げるには十分であると思われました。 写真撮影:Eric Welch/GIA、提供:フィンエルズ ジュエラー

デビアスは、1月18〜22のサイトでダイヤモンド原石売上高を$ 540百万まで上げたが、原石の価格は平均にして7%下げられたと報告されている。 市場取引が弱まる価格と過剰在庫に立ち向かう中、同社2015年最終四半期においての売値はここ数十年中の最低水準まで落ち込みました。

幸いに、まずまずのホリデーシーズン需要が世界中のダイヤモンド製造センターの余剰在庫を減らす助けになりました。 ホリデーシーズンが近くなるにつれ、米国のディーラーたちは特に軽いサイズ(0.45~0.49カラットなどの目安となる0.5カラット重量より数ポイント下)、中間の色やクラリティ(透明度)あたりの商品不足を挙げだしました。
 
仮報告レポート上、米国小売宝飾品業界の売上高は年間わずかに増加することを示しています。 2014年の金及びダイヤモンド価格が10%~15%下がったゆえ、小売業売上高のドル額は前年比より4%~5%高くなりそうである。 主要チェーン店はこれら価格の下落のため、最終的な収益を著しく損なわずに、シーズン中に積極的な値引きを可能にさせました。
 
Signet Groupは8週間に渡るシーズンで前年同期比の店舗売上高が好調な4.9%増、Kay Jewelers部門は7%増、Jared店は9%増を示しました。 同社のZale部門は2.3%増になりました。  

抑制消費者市場における競合社による積極的な割引は北米Tiffany & Co.の前年比ホリデーシーズン期間の既存店売上高を8%減少させる原因となりました。 (Tiffanyはほとんど割引プロモーションを行いません。)ドル高が同社ニューヨーク店舗売上げのかなりの割合を占める観光者の立ち寄り減少要因となり、売上高の低下につながりました。

全体的には堅固な利益幅を維持しましたが、Tiffanyの前年比既存店売上高が5%減少しました。 広報の発表では、本年度も著しい改善は予測されません。
 
Centurion(センチュリオン社)が米国内の高級品取り扱い独立小売業者を対象に行った2015年ホリデーシーズン調査によると、回答者の19.6%は昨年のホリデー期間売上げと比較して、今年の売上高は10%以上の大きな成長を見せたと回答しており、全体的に肯定的かつ入り混じった結果が出ています。 しかし、同等の割合が昨年と比較して10%以上の減少とも回答しています。 全体では、回答者の58%が昨年のホリデーシーズンの売上高と比較して少なくとも同等、または若干有利と回答しているのに対して、42%がホリデーシーズンの売上高が減少したと回答しています。

減少を報告した人たちのほとんどは、2014年の売上げ数値を高めた数点の高額商品(キーアイテム)の売上げが2015年では無かった事を理由に挙げます。 価格が低めの商品売上げボリュームがより多くある傾向にありました。 さらにその中のたくさんの業者は、石油及び天然ガス産業が地域経済を左右する場所でビジネスをしています。

中国における小売業の見通し

中国の旧正月(2月8日)の売上高の見通しは国の株式市場が深刻な不況に向かっていると思われるように、こちらも停滞気味に見えます。

香港を拠点にする、地域最大の宝飾品小売店、周大福は12月31日に終わった第3四半期決算の同店売上対前年比で11%の減少を報告しました。 香港とマカオの売り上げが20%減少したのに対して、本土の収益は6%の減少に留まりました。 香港を拠点にする別のジュエリーチェーン六福は、2015年第3四半期の同店利益は前年に比較して香港店で26%急落し、本土店でも10%の減少を報告しています。 同社によると、宝石がセットされたジュエリーの売上が香港店で27%減少したものの、本土店では2%上昇したと発表しました。

一部のアナリストは1年あるいはそれ以上の間、政府が国の伸び悩みではなく、国の景気後退の事実を隠そうとしていると疑っています。 そのひとつの指標として、宝飾品を含む中国小売業界の売上高はしばらくの間マイナスの領域に入っています これは、人民元が米ドルに対する下落を再開したため、現地通貨でのダイヤモンドや金価格がますます上昇し、景気改善は見込めません。  
 
中国の低迷株式市場は米国と欧州の市場を下落させましたが、経済学者は、状況に対する短期的な反応であり、国外の経済状況を反映したものではないと考えています。

ダイヤモンド原石

ダイヤモンドの供給側では、すべての人々がデビアスの1月サイトに目を向けています。 親会社、Anglo Americanが大きな経済的打撃を受けており、傘下の最大収入源であるデビアスは収益をもたらすよう強い圧力を受けています。 ダイヤモンド市場の回復は夢ではありませんが、非常に脆弱であります。 大きなサイト(クライアントが商品を拒否しなければ)もしくはわずかばかりの値引きで製造業者に収益を出させない価格では、現状上向きの状態を覆すことになるか、またはAlrosaやRio Tinto(両社ともそれぞれの圧力を抱える)との価格/供給対立が始まることになるかもしれません。
 
デビアスは、昨年約120万カラットを産出したカナダ北部のSnap Lake鉱山の閉鎖を発表しました。 鉱山は大きな予算超過にぶつかり、それが発端で利益の出ない状態でした。  
 
同時期に、ドミニオン ダイヤモンド カンパニー(Ekatiの所有者とDiavikのパートナー)の反体制派株主は既存鉱山の成長戦略を立てなかったことに対して、経営者側に辞任を求めました。 同社の株式を5%保持する反体制派グループも取締役会代表権を要求しています。 取締役会メンバー二人が1月5日に会社を辞任しました。 それが株主代表訴訟に関連していたかどうかは明らかではありません。
 
カラーストーンの需要は改善されつつありますが、主要ディーラーの多くは業界が非現実的と感じる価格に到達するのを期待し、粘ります。 これが、既に中国人のバイヤーが大きく市場に参入していないのが明らである、秋の香港ショーの売り上げをさらに弱めました。 多くのディーラーはまだその現実を理解していません。

Russell Shorは、GIAカールスバッドに在する業界のシニアアナリストです。