地質学者の最新の使命: カラー宝石への愛を分かち合う
5月 25, 2018
「冒険心が私の血に流れているのです」と、GIAでグラジュエイトジェモロジスト(GG)となり、カラーストーンの調達および指導に従事する企業、Gessner Gems(ゲスナー・ジェムズ)のオーナーとなった、ケープタウン出身の地質学者、Robert Gessnerは語ります。
Gessnerは、両親がヨーロッパ系の家族で育ちました。彼の母方の祖父母は、退職後に南アフリカで定住したオランダの外交官であり、父の家族はモザンビークに定住する前はドイツに住んでいました。Gessners夫妻が南アフリカで結婚し、子供ができても、探検は決して止むことがありませんでした。
アウトドアや旅行が大好きな家族で育ったことを幸運に思っています。16歳までに、南アフリカのほとんどを旅しました。いつも何か新しいものを見ていて、それが私の魂に刻まれました。今も、新しい旅先での冒険となれば見逃しません。僕は新しい人々に会って、その人達の文化を吸収して、その国の美しさを見るのが大好きです、と4人兄弟の長男であるGessnerは語ります
家族に共通する探検好きは、自然界にも広がりました。
岩石や鉱物に興味を持ち始めた最初のきっかけは、地元で母が毎月買っていた雑誌の付録でした 小さな標本箱に入っている鉱物や宝石が付いてきたのです。何月も経ってから、地球、岩石、鉱物についての情報のファイル、そして標本のコレクションがものすごくたまりました。それぞれの宝石が綺麗で、種類が多く、あまりにも完璧なので、夢中になったのです、とGessnerは語ります。
彼の家族は南アフリカに住み、よく旅行していましたが、Gessnerが世界に目を向けたのはUniversity of Cape Town(ケープタウン大学)に入学してからのことでした。2002年に地質学の学士号を取得して卒業したGessnerは、大学での鍛錬によって「専門家としてのキャリアへ導く方向性、目標そして手段」を得た、と述べます。
自称「永遠の楽観主義」のGessnerは、地元の人材派遣会社にほとんど空白に近い履歴書を提出しました。数週間後、タンザニアで地質学者として働かないかという連絡を受け、すぐに受け入れました。
そこは、後に世界最大で一番技術が発展しているカラーストーンの採掘会社で、タンザナイトのサプライヤとなったTanzanite One(タンザナイト・ワン)の前身の会社だったのです、と彼は語ります。
Gessnerの新しい同僚の中には、GIAの通信教育プログラムでグラジュエイトジェモロジスト(GG)のディプロマを取得した人もおり、彼の関心は高まりました。彼はGIAのことを聞いたのはその時が初めてで、クラスを取りたくなりました。そして2008年にアクレディテッドジュエリープロフェッショナル(AJP)のディプロマを取得しました。
Gessnerはタンザニアで6年半過ごした後、ザンビアのGemfields PLC(ジェムフィールズ)のKagem(カジェム)鉱山で6年半働きました。
東アフリカでカラーストーンの採鉱と探査を13年間した後、次の機会を探していたのです、と彼は述べます。
2015年、Gessnerは、Tucson Gem and Mineral Show(ツーソンジェム&ミネラルショー)に出席するために初めてのアメリカ旅行を計画しました。彼自身がGIA同窓生であったため、同窓会の恒例のダンスパーティーについて知っており、この業界で人脈を広げたり、新たな道を発見するチャンスがあるとわかっていました。
ここで人生が変わりました。アフリカの鉱山へ来ていただいた時に、僕がお手伝いして知り合いになったフィールド宝石学者、科学者、作家、編集者や専門家の皆さんと10年ぶりに再会する予定でした、と述べます。
タンザナイトやツァボライトなどのアフリカ産カラーストーンとザンビア産エメラルドの専門家であるGessnerは、東南アジアや南米で産出された宝石を研究することにも興味を抱いていました。
世界中から産出された宝石や鉱物を全部見ると、それらについてすべてを学びたくなります。これからもキャリアを成長させるには、GIAで勉強することは非常に簡単でした、と言います。
しかし、ツーソンで人生が一変した瞬間は、専門家と学業の面だけではありませんでした。彼は、南カリフォルニアのジュエリーデザイナー、Melissa Spencerと同窓会のダンスパーティーで出会い、何回か一緒にダンスをした後、Gessnerは、Gemfieldsの事業部長に就任することが決まっていたにもかかわらずアフリカには戻ることはないと悟りました。
「自分にはこの人しかいないとわかるときは、わかるものですよ。すぐ意気投合したので、信じられないほど運が良かったとしか思えません。あれから離れることはできませんでした。GIA同窓会のパーティーで会えたことは人生を変える運命だったのです。」
Gessnerは翌週ザンビアに戻り、Gemfieldsを退社しました。また、ロサンゼルス在住のSpencerにもっとも近いGIAカールスバッドキャンパスのグラジュエイトジェモロジスト(GG)のプログラムに入学しました。Gessnerは、2016年3月にGIAを卒業し、2017年3月にSpencerと結婚しました。
ありとあらゆる瞬間をすべて楽しみました。特にカールスバッドに住んでいたときは楽しかったです。GIAの実用的で理論的な教育プラットフォームと情報源は、スタッフや図書館も含めて、国際的レベルです。ラボのクラスと実用的な作業は不可欠で、資料と理論でサポートされています。これらがキャリアのの基礎を築いています。私がGIAで築き上げた人脈と友情は、成功に向けて準備するのに役立ち、GIAを通してこれからも続きます、と彼は語ります。
Gessner Gemsは創業2周年を迎え、Gessnerは高級カラーストーンを通して世界中のクライアントと交流できるのを楽しんでいます。
「クライアントの一人一人と宝石についての知識を分かち合っています。例えば、知っている場合は宝石の原産地、他の原産地と違う点、宝石が処理されているか、そしてその理由、その稀少性を説明するときの地質学的な起源の物語などを伝えます。」
自分のビジネスに従事する傍ら、Gessnerは最近、テキサス州ダラスのWilliam Noble Rare Jewels(ウィリアム・ノーブル・レア・ジュエルズ)でカラーストーン専門家として働き始めました。また、GemGuideやAGTAのPrism(プリズム)誌などの宝飾業界の出版物の記事の寄稿も始めました。
地質学、そして最終的には宝石学が、学習や世界中での冒険への道を開いたのと同じように、彼の知識を共有することで他の人のために道が開けることを願っている、とGessnerは期待しています。
カラーストーンが主流になるよう役に立ちたいと思っています。楽しさと情熱を分かち合うために、皆さんにカラーストーンについてもっと詳しく知ってもらいたいのです、と述べます。
寄稿者Jaime KautskyはGIAダイヤモンドグラジュエイト、またGIA Accredited Jewelry Professional(AJP アクレディテッドジュエリープロフェッショナル)で、The Loupe(ザ・ルーペ)誌の共同編集者を務めていました。