業界分析

予想を上回る:香港での需要が市場をわかす


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この1,111カラットのタイプIIaのダイヤモンドの原石は昨年ボツワナで発掘され、過去に発見された中で2番目に大きなものであり、今年後半にサザビーズから販売される。 提供:Lucara Diamond(ルカラ・ダイヤモンド)

3月のHong Kong Gem and Jewellery Show(香港ジェム&ジュエリーショー)での需要の後押しを受け、業界のムードが高まっています。 ダイヤモンドと完成したジュエリー製品の需要は予想よりも大きく、市場急落の2年後に中国市場がやっと落ち着いたものと思われます。

ショーへの期待はかなり低かったものの、1/2カラット以下の良質な商品の購買が着実に伸びており、市場の広範な層が宝石を買いに戻ってきたこと示していました。

カラー宝石の価格は、中国での需要の減少にもかかわらず、相変わらず高いままでした。 宝石商たちの報告によると、良質のエメラルド、サファイア、ルビーの取引の多くを統括する主要ディーラーたちが、それらの需要価格が彼らのものと見合うまで在庫を保留していると述べています。 この地域での需要が減退したにも関わらず、これらのディーラーは昨年の秋に香港での価格をつり上げましたが、ツーソンではそのような契約は見られませんでした。 その結果、市場はやや麻痺状態にあり、前記のように、代替となる色の石の需要が(サファイアの代わりにタンザナイト、ルビーの代わりにスピネル)代わりに上昇しています。

3月の香港ショーでは、昨年の展示会でのディーラーの買いは過度に慎重だったとし、中国の宝石商は低レベルでも在庫を補充する必要があると考えています。 昨年香港では、小売販売では全てのカテゴリで3.1%減少しました。 中国本土での小売売上高の数値はまだ集計されていませんが、国の宝石類の売上高の12%〜15%を占める三つの主要な小売宝石店(Chow Tai Fook、Chow Seng Seng、Luc Fook)が、2桁の減少を報告しました。 過去10年間、これらのチェーン店の成長の大きな資金源であった店舗開設の取りやめや延期は、成長をさらに妨げています。

BASELWORLD(バーゼルワールド)

予想を上回った3月の香港ショーの流れを受けて、スイスのバーゼルで行われるThe Baselworld Fair (バーゼルワールドフェア)が、ささや​​かな期待の中で開催されました。

バーゼルの宝石展示場での出展者は、相変わらず非常に大きなサファイアや、エメラルド、ルビー、ダイヤモンドを展示していましたが、以前のショーではほとんどなかった手頃な価格の宝石も取り扱っていました。

ショーの常連である富豪たちは未だ稀で最高級の宝石に関心を示していますが、10カラット以上で中間の色と透明度のダイヤモンドなどは、数年前に比べてあまり売れなくなっていると、ある宝石商は言いました。

高級デザイナーは作品の印象的な外観を保持しつつも、お手頃の価格にするために、強烈な色相の安価なカラーストーンを加えることで個性を主張しています。

「戦略的に宝石を配置することで、何が目を引くかを計算するのです。 宝石の中身は、あまり重視しないのです」とあるデザイナーは言いました。

Baselworld(バーゼルワールド)では、世界の最高級の宝石ブランドが数多く展示され、100カ国以上から15万人が訪れることが期待されている。 写真:Russell Shor / GIA

ダイヤモンド

(現在サイクルと呼ばれている)デビアスの2月のサイトは、別の販売取引からの6千万ドルの追加も入れて、合計で5億5千万ドルとなりました。これらの別途販売は、以前に販売用に割り当てられていた宝石が、昨年の不景気のため購買を拒否され、今回それが売れたものでした。 価格は同じですが、2015年レベルより平均が約7%下がりました。

前回のレポートにあるように、商品によっては平均の7%よりも遥かに価格が下落したことにより、製造業者は余裕をもって収益を求めることができるようになりました。 原石のディーラーたちは、このサイトからデビアスの商品を合理的な価格で入手できると言いました。

Alrosa(アルロサ)は、1月に割り当てられた4億8千万ドル分の後、2月には3億ドル相当の原石を売りました。 同社は、去年デビアスをわずかに下回る価格で販売していましたが、今年も同じ路線で行っています。 それでも、レポートによると、最大30%残すことが許されているにも関わらず、顧客はその割り当て分の全てかほとんどを買ったことが報告されています。

値下げと、2015年の後半に大きく生産量を削減したことによって、市場の過剰在庫がなくなり、回復を助けています。 しかし投機家たちが需要を押し上げ、それが原石の価格をつり上げて、ゆっくりと回復している市場に原石と研磨された宝石が再度過剰に出回ることを恐れる声も上がっています。

デビアスのCEOであるPhilippe Mellierは、供給と需要のバランスは取れていると楽観的な見解を見せ、会社は慎重な営業を続けていくと述べました。

オークション

昨年ボツワナで発掘された1,111カラットのダイヤモンド原石は、 Rapaport Diamonds(ラパポート・ダイヤモンド)のレポートによると、今年度後半にSotheby’s(サザビーズ)によって販売される予定です。 この石が発見された鉱山の運営会社であるLucara Diamond Corp.(ルカラダイヤモンドコーポレーション)は、この史上2番目に大きいダイヤモンドの原石がカットされずに処理される可能性もあるとし、資産家や投資家がこのダイヤモンドに関心をよせることを期待しています。

同社は、この原石が4千万ドルの販売価格を提示されたことを言いましたが、実際の価値は6千万ドルであると言いました。

Russell ShorはカールスバッドのGIAのシニア業界アナリストです。