祝日の宝飾品売上高の鈍化:米国 商務省
2月 13, 2015
このニュースは予想されていました。 Tiffany & Co.(ティファニー·アンド·カンパニー)は、 その北米店の季節売り上げの低下を報告し、またJared、Kay Jewelers、Zalesを運営するSignet Corpも、前シーズンの成長がはるかに低かったことを確認しました。 一説によると、米国市場で中間市場の顧客が安価な品を購入していた中、高級品市場においては良好な成長が見られました。
電子商取引において最大手の宝石商であるブルーナイルもまた、第4四半期の売上高7.9%増および年間売上高5.2%と、その予想を下回ったことを指摘しました。 2013年、同社のその季節の売上高は7.2%上昇しましたが、年間売り上げは12.5%増を記録しました。 同社は、米国の大規模な小売モールに最初の実店舗をオープンする計画を発表したばかりです。
オークション:二つの主要オークションハウスにとって、昨年はトップダイヤモンド、宝石および署名付きの宝飾品が再び価格記録を更新したという成功の年でした。 2014年、サザビーズとクリスティーズは、両社合わせて13.4億ドル(約1440億円)の宝飾品の販売を報告しました。これは記録を更新した2013年をさらに5%上回るものです。
6.02億ドル(約650億円)の売り上げを記録したサザビーズは、10月にニューヨークで開催されたオークションにおいて、売られた宝石のカラットあたりの最高額を達成しました。9.75カラットのファンシービビッドブルー「ゾーイ·ダイヤモンド」は、335万ドル(約3.6億円)で香港のバイヤーに落札されました。 10月に開催された同社の香港オークションでは、カシミールサファイアのカラットあたりの記録的な価格が二度も更新されました。二度目の更新は一度目に記録が破られてから数分後に起きました。
最初のサファイアは12.0 カラットの カルティエによってセットされたステップカットで、最終価格が232万ドル(約2.5億円)もしくはカラットあたり19万3975ドル(約2100万円)を記録し、昨年わずか1万3000ドル強(約140万円)で作られた記録を塗り替えました。 しかし数品目後、アジアのコレクターが17.16 カラットに401万ドル(約4.3億円)を支払いました。 「インペリアルサファイア」はカラットあたり2万3640ドル(約255万円)で、それだけで設定価格を簡単に突破しました。 。 一月後サザビーズはジェネーブでグラフルビーを860万ドル(約9億3000万円またはカラットあたり9万9772ドル(約1080万円)で販売しました。これはルビーの固体およびカラットあたりの最高価格です。
また香港では、昨年7.4億ドル(約800億円)の宝飾品を売却したクリスティーズが、2.09 カラットの GIAが鑑定したファンシーレッドハートシェープダイヤモンドを509万ドル(約5億5千万円)、すなわち1カラットあたり244万ドル(約2億6300万円)で販売しました。 それは、今までオークションで落札されたレッドダイヤモンドの最高値であり、また宝石に支払われたカラットあたりの価格では二番目に高いものです。
ダイヤモンド:この業界は2月23日〜27日のデビアスのサイト(主としてロンドンで行われる販売方法)に注目することになるでしょう。 通常1月のサイトは一年の中でも最大規模のものの一つですが、同社の1月19-23日のサイトは4.5億ドル(約485億円)と2年間で最小のもので 経済危機以来最小の1月サイトとなりました。 それに加え、デビアスは価格を平均して4%下げ、クライアントに将来のサイトの配分を25%まで保留するオプションを与えました。
メーカーは、価格の引き下げは商品のいくつか-とりわけ半カラットから1カラットにポリッシュされたダイヤモンドとグレードの低い色の石-はまだ利益が少なく、またサイト商品の20%は保留されたと推定しています。 最も人気のあるサイズと品質のもの意外すべての在庫レベルが高いことは、クリスマス後の受注が少ないことを反映しています。 ダイヤモンド業界もまた、業界に資金を調達する銀行の深刻な貸付限度額削減から来る流動性の問題の対処に今でも追われています。
メーカーの多くはさらに低い価格を望んでいますが -原石の価格は昨年7%減少-De Beersは微妙なバランスを維持しています。 急に価格を下げることで、最大のクライアントは在庫の価値が突然暴落し、すでに著しく削減された銀行の貸付限度額も低下することになります。 さらなる値下げは、いずれもっと安価な品物を得ることを期待するクライアントが、最大限25%の配分の保留をすることを確かに保証するものです。
価格の下落と需要低迷の時代に、採鉱会社では通常、操業を鉱床の低いグレード部分に移し、その業務の多くはメンテナンスに向けられます。
カナダのDiavik鉱山のRio Tinto(リオ·ティント)とパートナーを組んでいるDominion Resources(ドミニオン資源)は、結果的に、第4四半期の生産は前年比25%減と報告しています。 同社は年の後半に生産を増加させ、年間平均700万カラットに近い生産量にまで上げていく計画です。 オーストラリアのアーガイル鉱山の生産は第4四半期に43%減の181.3万カラットにまで下がりました。 ジンバブエにある同社のはるかに小さい規模のムロワ鉱山では、生産量が4%減り、10万1000カラットに下がりました。
生産削減がされていないように見える生産者は、最近2014年の売り上げを記録した(ちょうど50億ドル強、5000億円)ロシアのAlrosaで、在庫保管していた200万カラットを含め、今年はもっと売り上げを伸ばす予定です。 もちろんこの動きは、米国とE.U.による制裁後のロシアの悲惨な経済j状態とオイルおよび天然ガスの価格の暴落とが相まって促進されたものです。 50億ドル(約5400億円)プラスのダイヤモンドの売上高は、ここ数ヶ月に見たロシアの通貨、ルーブルの急落に歯止めをかけるでしょう。 Alrosaは、年度中に3620万カラットを生産し、市場に3900万カラットを販売したことを発表しました。 在庫の品はほとんどが産業用で、宝飾品の大量市場向けの非常に低品質の商品でした。 同社は今年、4000万カラットを販売する予定です。
著者について
Russell ShorはカールスバッドにあるGIAのシニア業界アナリストです。