業界分析

秋の慎重な見通し。Gemfields、買収に同意する。


労働者は、エメラルドの原石が積み上げられた山を電灯を使って選別している。
ザンビアにあるGemfields(ジェムフィールズ)のカジェム鉱山でエメラルドを選別する作業員。 写真撮影:Russell Shor/GIA

原石の在庫が増加し、ダイヤモンド業者にとって資金調達がさらに困難になる中、デビアスおよびその他の主要なダイヤモンド製造業者は夏と初秋の販売期間に慎重に対応しています。 

デビアスとAlrosa(アルロサ)両社のサイクル販売(サイト)が今月後半に予定されていますが、ほとんどの業界アナリストは6月の割り当てに比べて減少すると予測しています。 

デビアスは、6月のサイトでは値上げを発表しませんでしたが、ラスベガスで行われたJCKショーで需要が予想よりも高かったためデビアスのクライアントは特定の種類の商品がやや高価になったことに気が付きました。 サイトおよびその他の6月の販売は合計5億3000万ドル(約594億円)となり、これは5月の合計5億2200万ドル(約585億円)をわずかに上回りました。

デビアスの幹部は、「ラスベガスショーでのポジティブな反響と他のトレンドに従い」原石の需要は好調である、と述べました。 

アルロサの6月のダイヤモンド原石の販売は、2016年6月から若干低下し、3億5440万ドル(約397億円)となりました。 6ヶ月間で総額24億4000万ドル(約2733億円)を販売したアルロサは、市場は「6月終盤に季節要因のために低下したものの安定していた」と発表しました。 

ただし、ラスベガスショーが終了してから数週間、ジュエリーを含む小売販売は米国で依然として低迷しています。 インドでは取引に対して新しい税法が適用され、アントワープでは銀行と大手ダイヤモンド企業の間に起きた訴訟問題が市場の信頼を揺るがせています。 

インド政府は、ダイヤモンド原石の輸入品に0.25%課税することを6月に可決し、この法令は今月施行されました。 インドのダイヤモンド製造業者は、利益を得るのに既に極端な圧力にかかっており、この税金のために損失を出し、従業員を減らすことになるという理由で、この税法を非難しました。 

財政

アントワープでは、KBCグループ銀行とダイヤモンド製造業者のExcelco(エクセルコ)が、2900万ドル(約32億円)以上の貸出残高をめぐり争っており、その結果KBCはエクセルコの資産を差し押さえすることになりました。 エクセルコはアントワープで大手のダイヤモンド製造業者であり、米国の数多くの小売りチェーン店にダイヤモンドを調達するデビアスのかつてのサイトホルダーでした。 

Bloomberg News(ブルームバーグ・ニュース)によってこのニュースが報告された当初、KBC はダイヤモンド業界への融資を徐々に減らしており、今月始めにアントワープにあるエクセルコの事務所から同社の資産を押収する権限を与えられました。 その後、デビアスとABN Amro bank(ABNアムロ銀行)が保有するエクセルコの資産も押収されました。 エクセルコはKBCに対して2900万ドル(約32億円)の負債を抱えていたと報告されています。 

しかし、7月6日、ベルギー裁判所は、契約で合意されたようエクセルコは2020年までにローンを返済する予定であると主張し、エクセルコの資産全額を返還するようKBCに命じました。 

カラー宝石

筆頭株主、Pallinghurst(パリンハースト)によるGemfields(ジェムフィールズ)のあまり友好的でない買収は、この宝石採鉱会社の事業に重要な影響を与えるとは期待されていません。 しかし、ジェムフィールズが非公開会社に戻ってしまうため、宝石業界は重要な情報源を失う可能性があります。 

9月に終了した2016年度では、ジェムフィールズは以下を報告しています。

  • ルビー: 高品質および商用グレードの1030万カラットのルビーが、所有権を75%保持するモザンビークのモンテプエス鉱山から産出され、 7310万ドル(約74億円)で販売されました。
  • エメラルド: 所有権を75%保持するザンビアのカジェム鉱山から高品質および商用グレードの3010万カラットのエメラルドが産出され、 1億100万ドル(約102億円)で販売されました。 ジェムフィールズは、カジェム鉱山は世界で産出されるエメラルドで産出量において 25%を占めていると主張しています。 
  • アメシスト: 964,548キログラムのアメシストが、50%出資しているザンビアのカリバ鉱山から産出され、 66万ドル(約6700万円)で販売されました。

2016年にジェムフィールズが行った世界のカラーストーン宝石の市場に関する調査によると、カラーストーンと養殖真珠の世界での売上げは合計84億ドル(約8484億円)と推定されており、そのうち69%がルビー、サファイア、エメラルドであったと報告されています。 

ジェムフィールズの幹部は、パリンハーストの買収オファーは「ジェムフィールズおよびカラー宝石業界における主要な探査・採鉱会社としての当社のビジョンを非常に過小評価する」という理由から、このオファーを拒否するよう株主に忠告しました。 

ジェムフィールズは、高級ジュエリー製造業者であるFabergé(ファベルジェ)も所有しています(2016年の売上高は1180万ドル(約12億円))。  
 

Russell Shorは、GIA カールスバッドのシニア業界アナリストです。