Gems & Gemology(宝石と宝石学)

2016年冬号 G&G:ジャイプールの宝石産業の探索、新しい宝石産地、エメラルドのインクルージョン


G&G 2016年冬号 表紙
近年、インドの都市ジャイプールは、宝石の切削、製造業、小売業における新たな都として繁栄している。 本号のメイン記事では、ジャイプールの歴史を取り上げ、現地の注目すべき宝石商を数人紹介している。 表紙を飾るのは、ジャイプールの Birdhichand Ghanshyamdas Jewellers が製作したブレスレット。 ユネスコの世界遺産であるアンベール城にインスピレーションを受けて作られたこのブレスレットは、カナリアダイヤモンドとポルキダイヤモンドでできており、中央には見事なエメラルドが飾られている。 写真:Robert Weldon/GIA、提供:Birdhichand Ghanshyamdas Jewellers

Gems & Gemology(宝石と宝石学)の2016年冬号には、新旧の宝石業界についての豊富な情報が満載です。 メイン記事では、ジュエリーの新たな都、インドのジャイプールを紹介しています。 カラーストーンのカッティングセンターとしてその名を知られてきたジャイプールは今、ジュエリーの製造業と小売業において、他の主要都市を凌ぐほどの勢いで著しい成長を遂げています。 その他の記事のテーマには、Richard Nacken の早期合成エメラルド、ベトナムのダンビュライト(ダンブリ石)、モザンビークからのフィールドレポート、エメラルドのインクルージョンの掛け図などが扱われています。

インドのジャイプール:ピンクシティの有力かつ国際的な宝石とジュエリー

ポルキダイヤモンドとセットされたルビー
モダンなミステリー・セッティングで飾られたルビーがポルキダイヤモンドと組み合わされた、融合的デザインのリング。 写真提供:Birdhichand Ghanshyamdas Jewellers

カラーストーン切削の中心地であるインド北部の都市ジャイプールは、ジュエリーデザイン、製造、小売業においても拡大してきました。 Andrew Lucas と Nirupa Bhatt 率いるチームが、この都市と宝石業界との歴史的な関わりを探り、現地メーカーや小売店を訪問してその事業の範囲と影響を調査しました。

RICHARD NACKEN が手がけた合成エメラルド

合成エメラルド
1920年代半ばに Richard Nacken が生成した合成エメラルド。 Nacken はこれらの合成エメラルドや他の石を家族に残した。現在は彼の孫が所有している。 写真提供:E. Schlatter

Karl Schmetzer 博士とその共著者らは、宝石学における重要な節目となった、ファセットカットできるサイズの初の宝石品質の合成エメラルドについて述べています。 この記事は、Nacken のエメラルドの生成に貢献した出来事や、彼が生成したエメラルドの化学的、形態学的および微視的特性についてレビューしています。 また、Nacken が合成エメラルドの成長において IG Farben と協力した、と人々は長年に渡って憶測をめぐらせてきました。この件に関しても説明しています。

ベトナムの Luc Yen(ルックイェン)鉱区におけるダンビュライト(ダンブリ石)の新たな発見

ファセットカットされた4.6カラットの楕円形のダンビュライト(ダンブリ石)
最大2.5センチメートルある5つのダンビュライト(ダンブリ石)原石の結晶が、ベトナムのルックイェンの Bai Cat 鉱床で発見された。 重量26.3カラットの原石の1つは、4.6カラットの楕円形にファセットカットされた。 写真:Le Thi-Thu Huong

宝石が豊富な地域であるベトナムのルックイェン。この地でダンビュライト(ダンブリ石)が発見されています。 2015年に見つかったこの稀少な石は、ハニーイエローで透明度に優れています。 Le Thi-Thu 率いるチームが、この新しく発見されたダンビュライトの特性を調査します。

天然、合成、処理されたエメラルドのインクルージョン

このエメラルドには、稀少な鉱物のパリス石の茶色い結晶が含まれている。 また、油分が充填したキャビティがあり、青とオレンジ色のフラッシュ効果を呈すとともに、内部に2つの大きな気泡が観察される。 これらのインクルージョンの存在により、エメラルドの起源が天然であると確証できる。また、クラリティエンハンスメントが施されたと示唆されるこの石がコロンビア産であることも、同じインクルージョンが証明している。 顕微鏡写真:John I. Koivula、視野 3mm

この冬号では、天然、合成および処理されたエメラルドでよく観察されるインクルージョンを表にした新しい掛け図を紹介しています。 この掛け図の作成にあたって、インクルージョンの専門家である John Koivula 氏、Nathan Renfro 氏、Jonathan Muyal 氏、Shane McClure 氏が貢献してくださいました。 添付の記事では、インクルージョンに関する研究の概要が説明されています。

モザンビーク北部の宝石採鉱に関する最新情報

緑と黄色のトルマリン
モザンビークの Ocua(オクア)で産出されたトルマリン。色は主に緑と黄色。 写真:Vincent Pardieu/GIA

2016年、GIA バンコクのフィールドジェモロジーチームが、モザンビーク北部の世界最大のルビー原産地を訪れ、数々の新しい鉱床における進展を観察しました。 Wim Vertriest と Vincent Pardieu のフィールドレポートでは、現地のルビー、スピネル、トルマリンの生産について記録されているほか、今後の事業計画についても触れています。

ラボノート

世界各地の GIA ラボ発の最新情報には、重量5カラット以上の CVD 合成ダイヤモンド史上最大の HPHT 合成ダイヤモンド合成サファイアおよび合成スピネルのダブレットに関する報告が含まれています。

ミクロの世界

G&G の顕微鏡写真のセクションでは、ブラジル式双晶を呈すクォーツウィンドウのあるカルセドニー(玉髄)、スファレライト(閃亜鉛鉱)のインクルージョンを持つナミビア産のデマントイド、地表のすぐ下で発見されたアパタイトクラスターがあるフェルスパー(長石)を紹介しています。

ジェムニュースインターナショナル

タスマニア産の「トラピッチェ」サファイア。
タスマニアで1日採鉱を行った際に産出されたサファイア。 中央の「トラピッチェ」のようなサファイアは、2.73カラットある。 写真:Vincent Pardieu/GIA

冬号の GNI のセクションでは、アフガニスタンの Koksha Valley(コクチャ渓谷)で産出されたブルーのドラバイト-ウバイトトルマリンの結晶、タスマニア産の「トラピッチェ」サファイア「装飾された」ジェダイトジェードの検討をテーマに扱っています。

2016年 EDWARD J.GÜBELIN 博士最優秀記事賞

2016年に最も価値があったと思われる記事に、投票していただきますようお願いいたします。 こちらをクリックし、GIA の筆者によるトップ3の記事に投票してください。投票期限は2017年3月7日(月曜日)です。 ご投票いただいたくと、G&Gの1年間分の購読に抽選で当たるチャンスがあります。

Jennifer-Lynn Archuleta は、Gems & Gemology(宝石と宝石学)の編集者です。