業界分析

調査結果: 昨年のダイヤモンドの売上高は増加


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最近の調査によると、ダイヤモンド ジュエリーの小売売上高は、世界中で770億ドルを突破し、米国の売上高がその総額の約半数を占めた。上の写真は、顧客にダイヤモンドのリングを見せるカリフォルニア州カールスバッドのFinell's Jewelers(フィネルズ・ジュエラーズ)の店員。写真撮影:Valerie Power/GIA

Tacy/Pharos Beam Consulting(テイシー/ファロス・ビーム・コンサルティング)による調査によると、2017年における世界のダイヤモンド ジュエリーの小売売上高は775億ドル(約8兆7575億円)であったと推定されており、2016年の746億ドル(約8兆4298億円)から増加しました。この調査によると、これは2年ぶりの売上高の増加となりました。

採鉱事業に関しては、テイシー社によると、ダイヤモンド原石の採鉱にかかった昨年の総生産費は75億ドル(約8457億円)であり、業界に対する鉱山の売上高はほぼ2倍の147億2000万ドル(約1兆6634億円)であったと報告されています。売上高は、De Beers(デビアス)で52億7000万ドル(約5955億円)、Alrosa(アルロサ)で41億7000万ドル(約4712億円)、そして他社は合計で52億8000万ドル(約5967億円)となりました。

ダイヤモンド製造業者の研磨済み商品の売上高は、卸売価格で合計201億5000万ドル(約2兆2769億円)となりましたが、市場には1970万ドル(約22億円)が販売され、供給の過剰につながりました。ティシー社は、およそ3億ドル(約339億円)の再生利用されたダイヤモンドが、昨年市場に再参入したと推定しています。しかし、その合計額は10億ドル(約1130億円)以上にも上ると判断している情報筋もあります。

デビアスのDiamond Insight(ダイヤモンド・インサイト)は、昨年の世界のダイヤモンド小売売上高は 820億ドル(約9兆2660億円)であり、そのうち425億ドル(約4兆8025億円)が米国による売上高であったと推定しています。テイシ―社は、米国の小売売上高は373億ドル(約4兆2149億円)であったと推定しています。テイシ―社は、香港/マカオと台湾の売上高と中国の売上高を合計していますが (118億9000万ドル、約1兆3435億円) 、デビアスは、中国本土の売上高のみ(98億5000万ドル、約1兆1130億円)を推定額に入れています。

7月のサイクルにおけるデビアスの原石の売上高は予想よりも低下し、2017年7月の割り当てよりも約8%低く、6月の合計よりもはるかに低下しました。5億3000万ドル(約599億円)の合計売上高は、「中流 (ダイヤモンド製造) セクターにとって季節的に売上げが伸び悩んだ夏であったことを反映しています」と、CEOのBruce Cleaverは述べました。

デビアスの鉱山

デビアスは、新しい鉱山を稼働させるよりさらに大きな割合で鉱山を閉鎖または売却しています。3年前に南アフリカ共和国のほぼすべての事業を売却し、昨年はカナダの Snap Lake(スナップレイク)鉱山を閉鎖しました。また、カナダのビクター鉱山を閉鎖する予定であり、来年はナミビアで行われている事業を閉鎖する可能性があります。

今年末まで南アフリカで稼働しているデビアスのダイヤモンド鉱山は、ベネチア鉱山の1つのみになります。この鉱山は、15億ドル(約1665億円)の費用をかけて地下鉱山にする計画が進められています。同社は、操業費が高いため、稼働してから10年後の12月にVoorspoed鉱山を閉鎖する決断をしました。このまま生産を継続すると露天採鉱の費用が増加し、採鉱されるダイヤモンドのグレードは平均をはるかに下回るものであり、1トン当たりの収入は平均して50ドル(約5500円)以下であるため、それは最も収益性の高い事業の約20%にしかすぎないため、閉鎖する判断が下されました。この鉱山は、年間約80万カラットを生産し、デビアスと南アフリカの「ブラック・エコノミック・エンパワーメント(BEE)」政策に準拠している企業、Ponahalo Holdingsが共同経営をしています。

この10年間で同社にとって唯一の新しい鉱山は、昨年初めに開鉱したカナダ北部のGahcho Kue(ガーチョ・キュー)鉱山です。

Russell Shorは、GIA カールスバッドのシニア業界アナリストです。