ストーリーの背景

カーネギー研究所:
すべてのダイヤモンドにはストーリーがある


Placeholder Alt Text
カーネギー研究所の科学者である Steven Shirey (スティーブン・シャーリー)博士および彼の同僚の業績のため、ダイヤモンドの歴史が35億年前まで遡りました。 - Duncan Pay(ダンカン・ペイ) © GIA、Carnegie Institution of Washington(ワシントン・カーネギー協会)のご厚意
Carnegie Institution of Washington(ワシントン・カーネギー協会)のシニア科学者である Steven Shirey(スティーブン・シャーリー)博士にとって、すべてのダイヤモンドには感動的なストーリーがあります。

研究者としてのShirey(シャーリー)の目的の1つは、ダイヤモンドの性質および地球の地下深くにあるダイヤモンドの魅惑的な起源についての彼の研究を皆に知ってもらうことです。 ダイヤモンドは、Shirey(シャーリー)と彼の同僚にとって、地球の奥深くからの鉱物を保持するユニークなコンテナです。 ほとんど想像を絶する圧力および温度で鍛造される、これらの小さなサンプルにより、科学者が、地球のマントル内の数百キロメートル深くを観察することが可能になります。

また、ダイヤモンドは「特別な石」としての宝石のユニークな価値を強調しているので、GIAではダイヤモンドの地質学的な話を伝えたいと考えています。Shirey(シャーリー)の目的と私達の目的は互いに補完します。彼はダイヤモンドの年齢についての研究、そしてダイヤモンドが地球の歴史を語ることを知っています。これは、事情に精通している宝飾品の販売員にとっては顧客の興味を宝石に引くための強力なツールを提供します。

目的

GIAでは、学生や一般大衆の利益のために、この興味深いトピックが私達のコースやウェブサイトで更新されるように、GIAとカーネギー研究所の間に継続的な関係を確立したいと考えていました。 Shirey(シャーリー)と彼の同僚にとっての利点は、GIAとの関係により関心の的が宝石である人々に彼らの研究を公開できるということです。

GIAは、『Gems & Gemology』(宝石と宝石学)にダイヤモンドの起源についての記事を書いてくれるようにShirey(シャーリー)に依頼し、その記事は2013年冬号に掲載されました。 この取り組みの一環として、GIAチームは2013年半ばにShirey(シャーリー)の研究本部である地磁気部門を訪れました。

また、私達はカナダ産のいくつかのダイヤモンドの年齢を35億年までさかのぼって推定した、ダイヤモンドの内包物による年代定めに関する彼の研究を記録したいと考えました。 ダイヤモンド結晶に含まれている小さな内包物がこのマグニチュードの年齢、つまり地球の4分の3の年齢を提供するという概念は、感激に至るものです。

つまり、ダイヤモンドの構造内に閉じ込められたこれらの鉱物が最大35億年までもの間、外部からの影響ないまま保存されていたこと、および地球の地質学的過程が今日と非常に異なっていたときの状態を表しているかもしれないということを示唆しています。

これらの小さなダイヤモンド結晶には、Shirey(シャーリー)と彼の同僚がダイヤモンドの年齢を判断するために使用した硫化物系内包物が含まれています。 - Pedro Padua(ペドロ・パドゥア) © GIA、Carnegie Institute of Washington(ワシントン・カーネギー協会)のご厚意
「ダイヤモンドの成長のパターンから、惑星としての地球の進化について何かユニークなことをがあったかを調べるために地球の歴史をずっと遡りたい」と、Shirey(シャーリー)は述べています。

彼の研究には、稼動中の採鉱から適切な内包物を含むダイヤモンドを選択して、それらをセクションにスライスし、ダイヤモンドの成長の歴史を検査し、そして最終的には、年代を定める研究のためにダイヤモンド中の内包物を取り出すことが含まれます。

「私達が美しいダイヤモンドの原石を取り、そこから中心部をスライスして取り出すことを理解することは、宝石ビジネスに携わっている人々にとってはおそらく気が狂うようなことでしょう」とShirey(シャーリー)は含み笑いをしながら述べています。

カーネギー研究所の他のダイヤモンド関連の研究

また、私達はカーネギー研究所の他のダイヤモンド関連の研究の一部を紹介したいと考えました。 Carnegie Institution(カーネギー研究所)の6つの研究部門のうちの2つ、地磁気部門(DTM)と地球物理学ラボは、同じワシントンキャンパスに本拠を置いています。

地球および宇宙における地球の位置を理解することに重点を置く研究の一環として、地球の地磁気フィールドをマッピングするために、DTMは1904年に設立されました。 今日、DTMは天文学者、天体物理学者、地球物理学者、地球化学者を含む、惑星科学者の学際的なチームを抱えています。 彼らは、私達の太陽系外の惑星を発見したり、宇宙の年齢と構造を判断したり、地震や火山の原因を研究したりしています。 Shirey(シャーリー)のダイヤモンドの研究は、この研究の小派で、私達の惑星の歴史の深さを解明するものです。

Shirey(シャーリー)の同僚である、同じ部門のシニア研究員の Jianhua Wang(ジアンフア・ワン)博士は、ダイヤモンドとその中の炭素および窒素源の成長構造を調査しています。 彼の研究は、研究所の精巧なイオンマイクロプローブを使用することによって、マントル深部に起源する「原始」炭素から形成されたダイヤモンドから、地球表面の炭素の結晶化により形成されたダイヤモンドを区別することができるようになります。

「この技術により、ダイヤモンド中の炭素がどこから来たのか、 それは地球の表面か、または深いマントル起源のものかどうかを示すことができます」と、Wang(ワン)は述べています。

Wang(ワン)博士は、構造内に多数ある層を明らかにする、このカソドルミネッセンス(CL)画像を用いてダイヤモンドの成長構造を説明しています。 炭素と窒素の同位体についての Wan(ワン)博士の研究により、どのように、どこからの炭素がダイヤモンドを成長する源になっているかついて多くが明らかになっています。 - Duncan Pay(ダンカン・ペイ) © GIA、Carnegie Institution of Washington(ワシントン・カーネギー協会)のご厚意
すぐ隣にある、1年後の1905年に設立された地球物理学ラボでは、地球内部の物理学と化学を研究しています。 このラボは、化学蒸着(CVD)合成ダイヤモンドの成長を含め、岩石学と高圧/高温(HPHT)物理学における世界的なリーダーです。

そこの研究者であるValerie Hillgren(ヴァレリー・ヒルグレン)は、HPHTプレスを使用して、ダイヤモンドを成長させるのではなく、小さな規模での惑星の形成を模倣しています。 彼女は惑星のマントルからその核の分離に最も興味を持っており、水星を研究しています。 「私達が見ているのは、化学反応によってマントルと惑星の核との間にある異なる要素がどのように分割されたか、高圧下でそれがどのように発生したかです」と、彼女は言います。

映像撮影家であるPedro Padua(ペドロ・パドゥア)はCarbegie Institution(カーネギー研究所)の地球物理学ラボで高圧プレスの閉鎖を記録します。 - Duncan Pay(ダンカン・ペイ) © GIA、Carngie Institution of Washington(ワシントン・カーネギー協会)のご厚意  
これらの2部門間で、地球の磁場のマッピング、ウラニウム原子の最初の分裂、「ダークマター」の概念などの広範囲な重要な発見、および1950年代初頭に地球の年齢を約200万年以内と判定したことなど、数々の偉業を果たしています。 その前は、地球の年齢はラテン語の「ambiguo」(疑問)で、誤差の範囲は、最大20億年でした。 カーネギーの研究者達は、しっかりした基盤の上に地球の年齢を判定しました。 今日の研究は、岩石や鉱物の時代を定めるために隕石や放射性崩壊システムを見ることによって、地球や太陽系の形成のあらゆる側面を網羅しています。

GIAにおける私達の目的は、カーネギーのダイヤモンド関連の研究者と連絡を取り合い、GIAのウェブサイトや『Gems & Gemology』(宝石と宝石学)において定期的なアップデートと文献を公開することです。

著者について:Duncan Pay(ダンカン・ペイ) はGems & Gemology(宝石と宝​​石学)の編集長で、Pedro Padua(ペドロ・パドゥア) は、カリフォルニア州カールスバッドにあるGIAコンテンツ開発のビデオプロデューサーです。 Jim Shigley(ジム・シングリー)博士は、カールスバッドのGIAの研究所の著名な研究員です。

著者は、Carnegie Institution of Washington(ワシントン・カーネギー協会)のSteven Shirey(スティーブン・シャーリー)博士、Jianhua Wang(ジアンフア・ワン)博士、およびValerie Hillgren(ヴァレリー・ヒルグレン)と彼らの同僚すべてに私達の訪問中の援助とご好意に対する感謝の意をここに表します。