GIAフィールドジェモロジストによるマダガスカルのルビーラッシュの記録


マダガスカルルビーラッシュ
マダガスカルのザハミーナ国立公園で起きているルビーラッシュのGIA最新フィールド調査をご覧ください。

このGIAフィールドジェモロジー部門のビデオでは、マダガスカルの景色とそこに住む人々の活気に満ち溢れた姿が映し出されています。 GIAフィールドジェモロジストVincent Pardieuと共に、ルビーを探すマダガスカルのジャングル探検の旅へご招待します。 2週間に渡るこの厳しい旅には、カメラマンDidier GruelとジェモロジストManuel Diazも同行しました。 「出発してから約98時間経ちました」とDiazがビデオで言っています。 「その98時間で、50キロも進めなかったのです」

ビデオが撮られたのは2015年9月で、Pardieuはこの島の北東で起こっているルビー「ラッシュ」を調査するためにこの地域を訪れました。 報告によると、高価な赤い宝石を求めてザハミーナ国立公園の僻地に鉱山労働者が集まっているとのことです。 「ジャングルに覆われたルビー鉱床とサファイア鉱床がそこら中にある山が100キロほど続いています」とPardieuは述べます。

この新しいルビーは2005年にモラマンガで起こったラッシュ中に集められたルビーと類似していると言われていますが、今回のものの方が全体的な品質が高いと報告されています。 以前見つかったルビーのサンプルはガラス充填を必要としていた一方、今回発見されたルビーにはその必要がありません。

遠征はマダガスカルの首都にして最大の都市であるアンタナナリボからスタートし、その後チームはにぎやかなアンディラムナの町へ車で向かい食糧や必需品を購入しました。 アンタナナリボからは、車で5時間以上(382km)の道のりです。 ここでチームは、マダガスカルのルビー事業において活発になっているスリランカ人バイヤーの動きを目にすることになりました。 グループはいくつかのディーラーを訪ね、直近で発見されたルビーを見せてもらいました。 「いい素材ですね」とPardieuは言います。 

そこからはいくつもの村や小さな集落を通って、新たなルビーラッシュの現場へと向かいました。 3ヶ月前に作業が始まった主要採鉱場は、アンディラムナの南東、ザハミーナ国立公園内に位置しています。 国立公園への道のりは車を降り徒歩で進まなければいけないため、どんどん厳しくなっていきました。 「フィールドジェモロジーは、自分の足でやらなくちゃいけないこともあるんですよ」と、苦笑いでPardieuは語ります。 

国立公園の奥に進むにつれ、切り立ち起伏の激しい土地とぬかるんだ道は非常に困難な旅路となりました。 グループは川を渡り、いくつものぬかるんだ坂道を登らなければなりません。その途中で通った多くの村で彼らは、他にビジネスチャンスがないために貴石の発見というチャンスに引き寄せられた、勤勉で希望に満ちたマダガスカルの人々に出会いました。

そしてグループはやっと採鉱現場に到着します。そこは様々な作業が忙しなく行われ、地面がむき出しになり、掘削作業員と洗浄作業員が間に合わせのキャンプの横で働いているという光景でした。

「ここの鉱山労働者たちはとてもやる気がありますね」と手工具と重労働でジャングルに切り開いたピットを見ながらDiazは付け加えました。 チームは採鉱地域の川床を辿り、坂を登っていきます。

「登っていけば、もっと大きな石を持った人たちと出会えるはずです」とPardieuは説明します。 このビデオの通り、実際にもっと大きな原石を持つ鉱山労働者と出会うことになります。 「我々がこの地域を訪れた最初のラボなのは確かです」とPardieuは言います。 「来年もまた来なければならないと思いますよ」

GIAのスタッフは、研究目的、そして市場に対する洞察を深めることを目的として、宝石およびジュエリー産業に関わる鉱山をはじめ、製造業者、小売業者などを多く訪ねています。 GIAは、訪問中に私たちを受け入れ、貴重な情報を提供してくださった皆様に感謝いたします。 これらの訪問や記事または出版物のいかなる内容も、再利用、宣伝用の利用は禁止されています。