業界分析

売上回復のデビアスは楽観視するも、高級宝石商は依然慎重な姿勢


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デビアスとアルロサは、1月にダイヤモンド原石の市場で10億ドル(約1130億円)以上を販売した。これは3年間で最大の月間販売量である。 ブラジル、Nordestina Cityのブラウナで採鉱されたこれらのダイヤモンド原石は、合計62.78カラットである。 提供:  Aftergut N. & Zonen 写真撮影:Robert Weldon / GIA

デビアスは、過去2年以上で最大のサイクル(サイト)を記録したため、楽観的な見通しを強めています。 また、高級品の売上は、前年にマイナスであったにもかかわらず、まずまずといったところですが再び上昇し始めています。

デビアスの1月のサイクルの合計額は、約7億2000万ドル(約825億円)となり、2月20日~23日のサイクルも同様の合計額が予測されています。

デビアスでCEOを務めるBruce Cleaver氏は、ダイヤモンド原石の需要は引き続き「好調」であると述べています。また、現金で主に取引を行ういくつかの中小企業のビジネスに悪影響を及ぼした500ルピーと1000ルピー(約800円および1600円)紙幣の廃止に対し、インドの製造会社がいまだに調整を試みている低価格市場では特に、必要に応じて注意を払うべきであると付け加えました。

原石の需要が依然として好調である一方、研磨済みダイヤモンドの売上高が新しい商品の生産に追いついていないため、在庫が増加しています。 このため、今年の後半の取引に問題が発生する可能性があると懸念されています。

ロシアのダイヤモンド生産の大半を採鉱および販売するAlrosa (アルロサ)は、1月で3億5820万ドル(約405億円)のダイヤモンド原石を販売しました。 アルロサは、特にインドの紙幣廃止により影響を受けているメレー商品に関して慎重な姿勢を示しました。

デビアスの小売事業のほとんどを所有するLVMH、イタリアで有名なジュエリーブランドのブルガリ、フレッドなどの主要高級宝石商は、全世界で5%の売上増を記録し、第4四半期を非常に強い結果で終えました。

LVMHの会長、Bernard Arnault氏は、第4四半期に同社の株価が約10%上昇したため、「根拠なき活況」に対して注意を呼び掛けており、貿易摩擦や通貨安戦争が起きる可能性およびヨーロッパでの継続的な問題が、世界的に10年間の成長サイクルの終わりに近づいているという事実と相まって、今年の下半期中に「困難な取引状況」をもたらす可能性があると語っています。 LVMHは、2017年のこの厳しい経済および地政学的環境に対処できるよう、強力なマーケティング戦略を構築すると発表しました。

Cartier(カルティエ)やVan Cleef & Arpels(ヴァンクリーフ&アーペル)を所有するRichemont(リシュモン)は、9月30日に終了した2016年度の売上が13%減少しましたが、2017年度の第1四半期にジュエリー部門の売上は8%増加しました。 中国本土でのビジネスが改善されたことが売上増の要因の一つでしたが、高級商品を購入する米国の消費者からの強い需要もこの売上増の要因としてかなり貢献しました。 

Russell Shor は、GIA カールスバッドのシニア業界アナリストです。