サンストーンの旅、第3部:
サンストーンビュート
10月 20, 2013

噴石丘から産する結晶
私たちは、オレゴン州のサンストーンを探求する旅の最後日にここに到着しました。 ここは、ダストデビルから数十マイル離れたところにあります。 私たちはすでに、Don(ドン)とTerry(テリー)の鉱山に滞在中に、所有者お二人が訪問されてお会いしていました。 他の採鉱者からサンストーンビュートの大きくて素晴らしいサンストーンのことを聞いていたので、私たちは自分たちの目で確かめるのを待ち切れませんでした。
最初に到着したとき、デーブは、鉱山での知人が近くの砂利道でトラックをひっくり返ってしまったのを元に戻す助けに出ていたので、不在でした。
鉱山集落は、丘の斜面の半分までたくさんトレーラーが集まっています。 フェルスパーの選鉱物でいっぱいの青い5ガロンバケツが、一台のトレーラーのうしろを囲んでいます。 シバという大きい別の犬が、吠えて歓迎してくれます。

トラックが引き上げる際に、砂利がゴリゴリと音を立てます。 デーブは、ひっくり返ってしまったトラックを助けた後に戻ってきます。ドライバーは無事ですが、トラックは台無しです。
少しして、私たちは真っ青な空の下で、人工クレーターすなわちサンストーンビュート鉱山の主要なピットに立ちます。 「これは、火口つまり噴火口です...溶岩流よりもはるかに噴石の多いドームです。」と、デーブは、彼の採鉱操業がRabbit Basinにある他の鉱山に比べてなぜ特有であるか説明します。 比較的薄い玄武岩流を採掘する代わりに、この採鉱は小型の火山すなわち噴石丘の中心を掘削しています。「ここのピットには4つの異なる特徴的な層があります...地質学者はあらゆるサンストーンの鉱山を訪れています...そのうちの3人か4人が、立ち寄ったあとに、まるで天国にいるようだと言っていました...。」
デーブはピットウォールで帯赤褐色の岩を指して、教えてくれます。「この丘の全面は、サンストーンで埋め尽くされています。」彼はしゃがんで、明るい黄色のフェルスパーを地面から拾い上げます。 「このピットの結晶の量は信じられないほどです...ほとんどすべての岩に結晶があるのです!」

デーブはバックホーを使用して、丘の中心部を採掘します。 彼はグリズリーという金属の格子で鉱石をふるい分け、8インチよりも大きな鉱石を取り除き、これらは後の粉砕工程のために保管します。 8インチよりも小さな鉱石は、簡単に取れる土を除去する小さな処理設備を介してふるい分けられます。 次に、4×8フィートの金属張りのテーブルの上で鉱石を手で選別します。 岩石がより簡単に転がり金属がフェルスパーの結晶を通して光を反射して、見分けるのがはるかに容易になるので、デーブとタミーは従来型の金網よりも金属表面を選びました。
デーブは、金属に変更したことで以前と比べて4倍も多くサンストーンを回収できていると推定します。 デーブは、それが大変な作業だということを認めています。 「タミーがここに座って、ほとんどの選別作業をします...1日約8時間行います。」
グリズリーを使用して鉱石をふるい分けるのに2日間、そして処理設備でふるい分けるのに2日間を費やすと、両者が1ヶ月で選別するのに十分な素材が揃います。 「我々は、この鉱山に非常に力を入れて努力をしてきました...ここにいるときは、採掘だけをします、単純でシンプルです。」と彼は述べます。
私たちは、彼の鉱山がなぜそんなに珍しいのか教えてくれるように頼みます。 「最も珍しいのは、ここのオレゴンサンストーンの大きさです。 我々は、100カラットから400ないし500カラットほどの量を産出します。」と彼は答えます。
しかし、大きさだけでなく、色も重要だと彼は説明します。「我々のサンストーンの約75%は最も稀少な色の一つである緑色を含んでいて、サンストーンには非常に稀少であるティール、つまり帯青緑色の石を多く産出します。」

この地域では他の場所よりもこの鉱山には利点があるにもかかわらず、デーブは彼の職業につきものの特徴に依然として直面します。「どんな採鉱でも同じですが、色があまりなく透明なものもあまりないいわゆる枯れ地に行き当たります...ところが数フィート掘り進めると、ドン!また色が豊富な石が現れます。」
サンストーンビュートの歴史
デーブとタミーだけが、この丘で運を試した採鉱者という訳ではありません。 他にも掘った人はいましたが、主に大きな透明のフェルスパーが見つかっただけで、色がついたものはほとんど見つかりませんでした。 彼らはあきらめたのです、とデーブは語ります。「···掘る価値はないと判断して、あきらめたのです。」デーブはこの鉱脈を探しながら砂漠を歩いていたとき、この場所を見つけました。 彼は、表面にあったたくさんの石を見て、蟻塚がフェルスパーでいっぱいだったことに気が付きました。 彼はその地域で9箇所の権利を主張しました。 しかし、サンストーンビュートは設定された鉱区外にあるので、土地管理局(BLM)が、完全な環境影響調査を実施する間、一年半待たなければいけませんでした。


サンストーンを採掘する動機は何ですか?
とうとう彼に、なぜここで採鉱するのか、なぜサンストーンなのかを尋ねます。「私の友達の父親が50年前からここに来ていました。友人がその父親を訪ねてここに来ました···彼は、サンストーン渓谷にある生協の共同所有者で、私も彼と一緒にある週末にここに来たのです。」とデーブは答えます。デーブは運良く上質な赤色のサンストーンを見つけたので、友人の父親が彼のためにそれをファセットカットしてくれました。
この経験により、自分の鉱区を探すのに必要な知恵だけでなく、大企業での高給の仕事を辞めてサンストーンにすべてを賭けるための自信を獲得しました。
現在と将来の成功
運営の成功の秘訣は?と尋ねると、デイブは一瞬考え込み、「私が手数料を払って掘削をしていたとき、他の採鉱者を見て分析しました。」と話し始めます。鉱山の高品質な産出物が1つの要因であることに同意する一方、他の人々の産出物から自分の宝石を際立たせたかった、と説明します。「採鉱者のほとんどは、もっと基本的なカッティングをしていました...我々がここで産出量を増やし始めたとき、私はもっと高級品を目指したいと思いました...我々は、たくさんの凸面カットや、直線カットなどを作りました...我々のために新たなカットを作るデザイナーがいます...市場で実に良く受け止められています。」
デーブは、2人の現在の取り組みをまとめます。「いったんジュエリーに関与すると、時間の多くを取られてしまいます。我々は採鉱作業を愛し、ただ採掘するだけのほうが肌に合っています。この美しい荒地に出て来て採鉱を楽しみ、3ヶ月か4ヶ月間の休暇を取るという生活が気に入っています。」

では、お二人が現代的なカッティングと彫刻に焦点を当てる理由は?「まさしく息をのむようなジュエリーや彫刻品を見れば、それがまた話題になる...うわさが立つわけです。」とデーブは説明します。 「我々がこの3年間でいかにサンストーンの業界に影響を与えてきたかについて大変誇りに思っています。」と彼は笑顔で終えます。

Duncan Pay(ダンカン ペイ)はGems & Gemology(宝石と宝石学)の編集長、Robert Weldon(ロバート ウェルドン)はGIAカールスバッドでの写真とビジュアルコミュニケーションのマネージャー、Kevin Schumacher(ケビン シューマッハ)はGIAカールスバッドのデジタルリソースの専門家です。
著者はサンストーンの鉱山労働者の皆様に対し、採掘作業を細部にわたり見せてくださったその寛容な精神および割いてくださったお時間に割感謝します。どんな依頼にも気軽に対応していただき、訪問する先々でアットホームな雰囲気を提供していただきました。 John Woodmark(ジョン ウッドマーク)とポンデローサ鉱山の人々;ダストデビル鉱山のDon Buford(ドン ビュフォード)、Terry Clarke(テリー クラーク)、Mark Shore(マーク ショア);サンストーンビュート鉱山のDave Wheatley(デーヴ ウィートリー)、Tammy Moreau(タミー モロー)、David Grey(デビッド グレイ);そしてNirinjan Khalsaと、特に鉱山作業者との連絡に尽力してくれたMariana Photiouに感謝します。