Bob Earnest:人間関係が秘訣となりGIA同窓会組織が成功


Bob Earnest
Bob Earnest(中央)は、 GIAで多くの学生の学習を支援してきた。 写真:GIA
通称 Bob ことRobert A. Earnestは、 多くの方と同じように学生としてGIAとの関係が始まりました。 後に講師や教育指導者に従事することになり、生徒と繋がる機会を多く持つこととなりました。 学生が卒業後に支援を受け続けられるよう、同窓会支部の結成に情熱を注ぎました。今日では世界中に、10万人以上の会員数を誇ります。

ミズーリ州スプリングフィールドで生まれたEarnestは、家族が経営するジュエリービジネスを見ながら育ちました。 彼は、GIAの通信講座を取るようサプライヤーに勧められ、1956年にグラジュエイト・ジェモロジスト(GG)の資格を取得するためロサンゼルスを訪れました。

卒業後、サンフランシスコの宝石商 Robert Lindemannで働くことになりました。 数年後の1962年、Jewelers’ Circular-Keystone(ジュエラーズ・サーキュラー・キーストーン)に掲載されたGIAの講師の求人広告に目が留まりました。 GIAに講師として戻れるという可能性に好奇心をそそられ、面接を受けました。 彼は採用試験に合格し、当時のGIA会長Richard T. Liddicoatから直ぐに採用通知を受け取りました。

「GIAに移ります。」と上司に言うと、「上司が何を言ったと思いますか?私を副社長にすると言ったのです。」とEarnestは後に回想しています。

Earnest はLiddicoatの誘いを断ることになりましたが、新しい役職が自分には合わないと気づき、1963年の初めにLiddicoatに電話します。 「うちで働きなさい。」とLiddicoatは伝えました。

Earnestは、GIAのカラーストーンや宝石鑑別通信コースの担当になり、1週間のダイヤモンド鑑定、宝石鑑別、ダイヤモンド石留めの授業のアシスタントを務めました。 1966年、Liddicoatは彼に、1960年代初頭以来着実に成長していたGIAの教育部門で、通学コースの学生の 監督者にならないかと持ち掛けました。

プログラム責任者としてEarnestは、学生のために働く、教室の何でも屋のような存在でした。 本や教材の提供から、特に当時増加していた外国人留学生に対しては住宅の斡旋までし、学生を歓迎したのです。 また他にも教室の設定や、講師や客員講師のための手配、試験監督なども引き受けました。

Earnestは20年間に渡り通学コースの監督を務め、学生数の増加と、より深く学ぶカリキュラム内容を導きました。「履修材料、鑑別用の石、プロジェクト数、講義、読書課題も追加されました」と彼は語りました。

GGでありGIAのビデオプロデューサーのBetsy Winansは、懐かしそうにEarnestを思い出します。 彼女がEarnestのために仕事を始めまたのは, 1975年UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の21歳の学生時でした。

「彼の第一印象は、親切で父親のような存在でした。同時に知性に溢れた優れたジェモロジストでした。」とWinansは語ります。 「彼はいつも親切で、個人を尊重し、良き理解者で、礼儀正しくかつ公平でした。 また彼は正直で、勤勉で立派であり、上司として私達にも同じような期待をかけました。 そして、善悪の概念を強く持ち合わせた人物でもありました。」

1980年代の初めからGIAは、幾万ものジェモロジストをアメリカ国内外に排出していました。 しかし当時同窓会はなく、卒業生に他の卒業生や当協会と生涯を通して繋がる場所は提供されていなかったのです。 Liddicoatの支援を得たEarnestは、正式な同窓会設立の最初の提唱者となりました。

「同窓会の概念は何年も経て開花しました。」とEarnestは思い出していました。 「実際には、10から15年間ほど、卒業後にお互いに連絡を取り合うことのできる組織はないかと学生から尋ねられていました。」

The Gemological Institute of America の同窓会(GIAのAA)が1982年の秋に設立され、Earnestがエグゼクティブ·ディレクターに就任しました。 その目的は、宝石学に関わる会員の間で幅広いネットワークをを確立し、同窓生に宝石学の進展において新情報を提供し、メンバー間の親善活動を推進させることでした。

Bob EarnestとRTL
Liddicoatの支援を得たEarnest(左)は、正式な同窓会設立の最初の提唱者となった。 1982年に同窓会が設立されると、彼はエグゼクティブ·ディレクターに任命された。
「私たちは、GIAや他の宝石学機関の卒業生を集め、世界の宝石学の専門家コミュニティーに寄与する組織となることを期待しています。」とLiddicoatは当時語っていました。

設立6ヶ月で1,500名の卒業生が同窓会に参加し、米国支部の数が増え、1983年末には 3,000名以上が会員になりました。 設立から10年目には世界で50支部になり、計4,000名を超える会員数となりました。

同窓会が、継続的な宝石学教育のための重要な基盤となったのです。 各支部では、講義、ビデオ、ワークショップを通してアイデアや情報を交換する機会を提供しました。 また、地域および州全体に渡るジュエラーと宝石愛好家の間の交流フォーラムの開催や、顕微鏡写真から店舗セキュリティにまで及ぶ題材で、講座を開きました。

Earnestは1988年に引退するまで同会員数拡大に貢献し、同窓会のツアーグループ(南米、カラカス、ブラジルなどの全5大陸の宝石産出地域)を先導しました。

Amanda J. LukeはGIAのシニアコミュニケーションマネージャです。 GIA Insider(GIAインサイダー)およびAlum Connec(アルムコネクト)誌の編集者であり、以前はThe Loupe (ルーペ)誌の編集者でした。