同窓会スポットライト

科学は宝石鑑定士·デザイナーのために芸術への扉を開いた


Loretta Castoro(ロレッタ・カストロ)
Loretta Castoroは、Pala International Inc.(パーラインターナショナル社)の社長Bill Larsonとミャンマーへ旅行した際、これらのプラチナのイヤリングにムーンストーンを見つけました。 「私たちは、それを同時に見て、欲しくなりました」と彼女は述べます。 LarsonはCastoroに購入を譲り、彼女が多くのダイヤモンドとモンタナサファイアでそれらを囲んだと彼は述べました。 「19世紀の変わり目にデザインされた たくさんのTiffany & Co(ティファニー)の作品を見たのが刺激となりました」と彼女は言います。 左:Loretta Castoroの提供。 右:写真提供:Jeff Scovil © Loretta Castoro
Loretta Castoroは、小学校のクラスの科学実験中に成長させた結晶について驚異の念が高まった感覚をいまだに覚えています。 その好奇心と興奮の感覚は、ロングアイランドのオイスターベイ出身のこの学生に小学校での経験をはるかに超えてとどまりました。

10年後にCastoroが高校を卒業した際、彼女の大叔父であり、ニューヨークを拠点とするジュエリーデザイナー兼製造業者であるWilliam Emmonsは、GIAに入学することが彼女のキャリアを始めるのに賢明であると確信しました。

「私は4年生からずっと結晶の成長に興味を持っていて、数学や科学の強力なバックグラウンドを持っていたので、宝石の研究を専門とした学校があると聞いたとき、もっと学びたいと本当に思ったのです」と、Castoroは説明します。 「私は幼い頃から持っていたこの情熱を探求し、それに将来があるかどうかを確認したかったのです。」

彼女はGIAのニューヨークキャンパスに入学し、教職員の励ましのもとで学業に励みました。 その教職員のひとりであるGIAの長年の社員Eunice Milesは、「私はこれらの宝石がとても大好きで、それらの魅力を引き出す宝飾品をいずれはデザインしたい」とCastoroに語ったことがありました。

Castoroは宝飾品をデザインするという衝動を理解できなかったので、その感情には当時驚かされました。

「私は科学を学んで、その構造と特性を理解したかったのです」と、彼女は言います。 

1984年にGGのディプロマを取得したCastoroは、H. Stern Jewelersの五番街店で働き始めたとき、彼女の研究が信頼性を築き上げるのに役に立ったと述べています。

「私は非常に若いときから業界で働き始めましたが、GIAの教育のおかげで、お客様や業界の他の方々と宝石学の問題について知的に自信を持って話し合うことができる知識の基盤となるものができました」と、彼女は語ります。

北東部出身であるCastoroが、カラーストーンの調達についてじかに学ぶためにブラジルに旅行する機会をH. Sternより与えられたのをきっかけとして、彼女の国際的なキャリアと教育が始まりました。 次に、彼女はTiffany & Co(ティファニー)にて カラーストーンの宝石買収のディレクターを含むいくつかの任務を担当しながら十年勤務し、その後バンコクに移動して、GemsTVのチーフマーチャンダイジング·オフィサーを務めました。

  仕事で世界中を旅するカストロ、2009年バンコクにて。 写真提供:ロレッタ・カストロ  
仕事で世界中を旅するCastoro、2009年バンコクにて。 写真提供:Loretta Castoro
その当時、Castoroは宝石学でさらに2つの資格を取得しました。ひとつは、Fellow of the Gemmological Association of Great Britain(英国宝石学協会特別会員)で、もうひとつは Advanced Scientific Gemology from Basel’s Swiss Gemological Institute(バーゼルのスイス宝石学協会からの先端科学宝石学)の修了証書です。さらに、ニューヨークのスタジオ・ジュエラーズから総括製造学位、およびAmerican Gem Society(アメリカ宝石協会)認定の宝石鑑定士の称号も取得しました。

Castoroのキャリアが展開するにつれ、専門家としての興味も進展していることに気がつきました。 彼女は宝石学のワークショップで講演し、やがて自分で宝飾品のデザインを始めました。

「何年もたって、やっと私はEunice Milesが言っていたことが理解できるようになりました。 ある時点で、宝石学の科学は芸術と融合するのです」と、彼女は語ります。 「何年も研究した後、美しい宝石のためにデザインすることがいかに自然であるかということに驚いています。 宝石がものすごく大好きでその究極の目標を達成するために擁護したいと思うでしょう。その目標とは、注目の的となり、その宝石の独自の「素質」を誇示するということです。」

Castoroは、現在ロサンゼルス在住で、2010年に自分の名前をブランド名とした高級宝飾品のビジネスを立ち上げました。 彼女はダウンタウンのスタジオで顧客にカスタムメイドの商品を作ったり、「Love Doves」、「インペリア」および「KissMe」などのコレクション全ても手掛けます。

昨年の秋に、Castoroはマーチャンダイジング・宝石買収の副社長としてCarl K. Gumpert Inc.(カール·K·グンペルト社)に入社しました。 彼女は会社のために宝石を調達し、小売流通のために製品のコレクションを構築しています。この任務は彼女が「デザインと素材に対して革新的で先進的でいる」ように挑戦を投げかけている、と述べます。

彼女は現在でも宝石学や調達に関して講義したり、宝石についての「知識の範囲」を広めるのに焦点を当てている小売業者にプレゼンテーションを提供しています。 「非常に入手可能で、しかもほとんどの宝飾品バイヤーに事実上知られていない宝石が沢山あります」と彼女は述べます。

Castoroは、キャリアを通じて探求することができる多くの経験に感謝しています。

「GIAの教育は、私の人生の勉強そして私たちが住んでいる素晴らしい世界について学ぶことに対する喜びに扉を開けてくれました」と、彼女は言います。 「毎日、私は難題にぶつかり、新しいことを学んでいます。 ビジネスや宝石の世界では退屈な瞬間は、決してありません。」 
 
カストロ産の「愛の鳩」コレクションからのこの18金イエローゴールドネックレスは、アフガニスタン産の104カラットのクンツァイトがあります。
 

寄稿者の一人、Jaime KautskyはGIA Diamondsを修了し、GIA Accredited Jewelry Professional (AJP アクレディテッドジュエリープロフェッショナル)でもあり、The Loupe(ルーペ)誌の共同編集者を数年務めていました。