作業ヒント#15: プロングプッシャーを多目的に改造する


プロングプッシャーを改造する
ストーンセッターの多くがプロングセッティング工程中最も難しいものの1つに, 石にプロングを固く据え付ける作業を挙げるでしょう。 これは当たり前のプロセスとするのは簡単なことです。 これ迄に問題なく出来ていれば、気がつかない事かもしれません。 けれども、これが上手くできない場合、宝石の破損や損失、あるいは突起部が衣類に引っ掛かったり、身に着けている人にとってガサついたり尖ったプロングとなってしまいます。
           
ベアリングができた後、石の上にプロングを押し倒すため、ペンチやその他様々なツールを使われます。 ここでは、真鍮やスチール製のピースに木製ハンドルのついたプロングプッシャーに焦点を当てます。
           
最も一般的なのは、フラットプロングプッシャーと溝付きプロングプッシャーです。 これらのツールはそのままで使用できますが、小さな変更でより多目的にすることがでできます。
           
経験豊富な石留め職人は、プロングプッシャーの面の形やテクスチャを自分用に作り替えています 経験豊富なストーンセッターは, プロングプッシャーの表面の形状および手触りをカスタマイズします。
経験豊富なジュエリー制作の職人さんは、しばしば、たがねや研磨機、その他のツールを使って、自分のプロングプッシャーを作っています。 大きめ、小さめのプロングを使ったり、手の届きにくい部分などの作業が容易になる様に、異なるサイズを用意することを含めて、使い古したツールを再利用し特定の目的のために使用するプロングプッシャーをカスタマイズできる良い方法です
           
溝付きのプロングプッシャーを作るには、シリンダーバーを使用してください
溝付きのプロングプッシャーを作るためには、シリンダーバーを使用してください。
ジュエリー職人の多くは、セッティング工程の際に視界を遮りやすい四角形よりも長方形面の方を好み、プロングプッシャーの基本形状を改造します。 これらの変更を行う上で、卓上研磨機を使用できます。 ただし、研磨中の過熱を防ぐために、ツールを頻繁に水につけることを忘れないでください。
           
多くのジュエリー制作者はまた、その面にテクスチャーのあるプロングプッシャーを好んで使います。 プロングを締めている際、このプロングプレッシャーのテクスチャーが、ちょっとしたツールマークを発生させることがありますが、プロングの先端は大抵がヤスリで研磨されます。 凹凸面のあるテクスチャーの良い点は、作業中の滑りや、石を欠かしてしまう事のリスクが避けられる事です。
           
この凹凸面を作るには多くの方法がありますが、そのひとつには、比較的粗い(220または320グリット)サンドペーパーで、ツールの面を簡単に擦る方法があります。
           
工具の取替えにより、プロングの上にツールを正確に当てることができ、より速く、より正確な作業が可能となります。
工具の取替えにより、プロングの上にツールを正確に当てることができ、より速く、より正確な作業が可能となります。
もう1つ使える工夫として紹介できるのは, プロングプッシャーの面に溝を彫ることでプロング締め付けの際のスリップを防ぐ方法です。 これは小さなシリンダーバーを使って、簡単に変更できます。 ツールの面の四分の三にわたって溝を堀り、またその溝の中に「ストップ」部分をつけることができます。 プロングの上にツールを正確に当てることができ、より速く、より正確な作業が可能となるため、より小さなプロングを取扱うのに有効な手だてです。