世界を代表する高級宝飾ブランドの舞台裏


西海岸で行われた「Masters of Dreams(マスターズ・オブ・ドリームス)」のプレミア試写会に招かれたゲストが映画を鑑賞
GIAとFrench Connection Films(フレンチコネクションフィルム)/Quasar Multimedia(クエーサーマルチメディア)は、 2013年9月18日に、Masters of Dreams(夢のマスターズ)米国西海岸プレミア試写会を開催しました。
 
このドキュメンタリーシリーズは興味を引く4部構成となっており、Boucheron、Buccellati、Bulgari、Chaumet、Chopard、Damiani、De Beers Jewellery、Forevermark、Graff Diamonds、H. Stern、John Hardy、Stephen Webster、Verdura(ブシュロン、ブチェラッティ、ブルガリ、ショーメ、ショパール、ダミアーニ、デビアスジュエリー、フォーエバーマーク、グラフダイヤモンド、H.スターン、ジョン·ハーディ、スティーブン·ウェブスター、ヴェルドゥーラ)という世界的に有名な13の宝飾ブランドにカメラを向けた珍しい作品です。
 
この映画は、最高級ジュエリーの華やかで芸術的な世界の舞台裏を紹介しています。 GIA認定宝石鑑定士で映画監督であるケン・マクグラスは、著名な宝石店から撮影許可を得るのは困難を極めるだろうと承知していましたが、高級宝石のデザインや製造の過程を宝石愛好家に見せたいという思いを実現させました。
 
Masters of Dreamsでは、各宝飾ブランドにおけるデザインのコンセプト設定からジュエリー完成までの道のりを追いかけます。 この映画では誰がジュエリーをデザインし、どこでインスピレーションを見つけ、どのように金属や原石を選択し、どういった場所で仕事をしているのかを見ることができます。 また、それぞれのブランドの陰で働く人々への詳細なインタビューもあり、各ブランドに反映される価値を探っています。
 
各部門における生産技術と細部へのこだわりは傑出しています。 視聴者は、デザイナーが紙に構想を描き、職人が金属に技巧を凝らし彫刻を施す様子を目にし、そのストーリー性や工程に興味を持ち、感激させられることでしょう。 
 
消費者は、最高級の宝飾品がどのように作られるのかを見て楽しむことができます。 宝石学者は、宝石がどのように宝飾品に組み込まれていくのかを見て楽しむことでしょう。 デザイナーやメーカーにとっては、これらの企業がどのように成功を導き、その成功をいかに維持しているのかを目にする絶好のチャンスとなることでしょう。
 
エピソード1のイタリアの宝石店は、ダミアーニ、ブルガリ、ブチェラッティのようなイタリアの著名な宝石会社を紹介しています。 エピソード1は、カールスバッドのGIA本部にて開催されたプレミアで公開されました。
 
ダミアーニ:
家族経営企業であるダミアーニは、イタリア宝飾品製造の重要な中心地であるヴァレンツァで、 Enrico Grassi Damiani (エンリコ·グラッシ·ダミアーニ)により1924年に設立されました。 祖父の後を継いだ、Guido(グイド)、Giorgio(ジョルジオ) 、Silva (シルバ)の3人のDamiani (ダミアーニ)により経営されています。 ダミアーニの宝飾品デザインは名誉ある賞を数多く受賞し、また同社は、人道的プロジェクトへの関与においても評価されています。 さらに、何人かの著名人がダミアーニと提携し、同社の重要顧客層向けに特別な作品の製作を行いました。
 
Christina Aguilera(クリスティーナ·アギレラ)と Cher(シェール)が主演した映画Burlesque(バーレスク)によりインスピレーションを受けたGiorgio Damiani(ジョルジオ·ダミアーニ)は、デザイナーのChristina Bagnari (クリスティーナ・バグナリ)に、インスピレーションとして同映画の衣装を使用して、特別な作品を製作するよう依頼しました。 このセグメントでは、バルナリのスケッチ、そして3次元デザイン作成のためのグラフィックデザイナーとのコラボレーションに始まる、宝飾品製作全体のプロセスを紹介しています。 ジョルジオ·ダミアーニがアントワープのダイヤモンドを調達し、まるで実物のコルセットのようにブレスレットを押さえる留め金を含め、作品が完成しました。 同宝飾品は、ミラノにあるダミアーニのブティック新装開店の記者発表イベントで、女優のSharon Stone(シャロン·ストーン)により着用されました。
 
ブルガリ:
ギリシャの銀の商人であったSotirios Voulgaris(ソティリオス・ブルガリス)は、1880年代にローマに旅行し、小さなブティックをオープンさせました。これが帝国、著名なブルガリ企業の起源です。 現在はLVMHがブルガリの経営を行っていますが、ブルガリスの孫Paolo (パオロ・ブルガリ)とNicolo Bulgari (ニコロ・ブルガリ)は今もジュエリー製作を監督しています。
 
ブルガリの宝石バイヤーであるLucia Silvestri(ルチア・シルベストリ)は、「ブルガリにとってのカラーストーンは、画家にとっての色のようなものです」と映画の中で述べています。 彼女は、165カラットの素晴らしいサファイアをセットした、創造的なプロセスを説明しています。 最初に彼女は繊細なデザインに青と緑の宝石を交互に並べる予定でしたが、代わりに赤、オレンジ、青や緑の宝石の複数のストランドを特徴とした大胆な作品にセットすることに決めました。 完成したネックレスは、パリのBiennale des Antiquairesにて展示されました。
 
また、映画制作者により、ニューヨークのElizabeth Taylor(エリザベス·テイラー)コレクションのオークションにおける盛り上がりも撮影されました。 テイラーは、1962年にローマで映画「Cleopatra(クレオパトラ)」の撮影を行っていた際、ブルガリに出会いました。 結婚を記念して、Richard Burton(リチャード·バートン)は、7つのコロンビア産エメラルド(計188カラット)でセットされた「Seven Wonders(七不思議)」と呼ばれるネックレスを購入しました。 彼はまた、テイラーの40歳の誕生日に、非常に美しい65カラットビルマサファイアのソートワールをプレゼントしました。
 
Amanda Triossi(アマンダ・トリオッシ)は、ブルガリのデザインの美学(まず際立った特徴としてカラーストーン、そして、丸みを帯びた形状、カボションカットの宝石、シンメトリーデザイン)を表現する、これら二つの例外的なブルガリ作品を買い戻すために、Silvestri(シルベストリ)とテイラーオークションに足を運びました。 2人は緊迫した入札競争後、無事に作品を落札し、それらの象徴的なネックレスは、上海のTriossi(トリオッシ)氏により監督されたブルガリの回顧展「125 years of Italian Excellence(イタリアの美徳125年)」にて展示作品として加えられました。  
 
ブチェラッティ:
宝石店ブチェラッティは、1919年以降ミラノで高級宝飾品を作り続けています。 ブチェラッティは今も家族経営であり、創業者Mario Buccellati(マリオ・ブチェラッティ)の息子であるGianmaria Buccellati(ジャンマリア・ブチェラッティ)は、手作業での実物大の図面作成に入る前に、宝飾品が彼の心にどのように生まれるのかを説明しています。 彼の施す複雑なデザインは、通常一点ものですが、限定生産が行われることもあります。
 
ブチェラッティは、自然とルネサンス期の建築によりインスピレーションを受けています。 彼は、当時人気を誇った、バロック真珠を体の部分に使用した動物の形の宝石を時々製作します。 多くの場合、彼の代表作品は、上質なレースと織物のような見た目と雰囲気を備えています。 金属の表面には手で彫刻および装飾が施されています。 ブチェラッティにとっては、品質が最も重要です。
 
Masters of Dreams(夢のマスターズ)では、Gianmaria Buccellati(ジャンマリア・ブチェラッティ)による、最初のレンダリングからネックレスの完成までの創造的なプロセスを追います。 優れた職人は、印象的なデザインを施すために伝統的な技術を使用します。 創造性が世代から世代へ受け継がれてきたように、上質な職人技も同様に受け継がれてきました。 ブチェラッティは2名の宝石職人(Roberto Brown (ロベルト·ブラウン)と彼の息子Christiano(クリスティアーノ))のみ採用し、共にこれらの難しく、複雑な作品を製造しています。
 
Cathy Jonathan(キャシー・ジョナサン)はグラジュエイトジェモロジスト(GG)であり、カールスバッドのRichard T. Liddicoat Library and Information Center(リチャード・T・リディコート図書館情報センター)にて研究司書を務めています。