セントジュード小児研究病院の子供達、宝石の素敵な世界を訪れる


顕微鏡で観察する男の子。
セントジュード小児研究病院の患者と兄弟たちは、病院で開催されたGIA GemKidsのイベントに参加し、顕微鏡で宝石を観察した。GIAカールズバッドの学生部長、Kimberly Overlinは、子供たちが顕微鏡を使用するのを助けた。写真提供:セントジュード小児研究病院。

結晶の様々な形や色が繰り広げる、宝石の内部に潜む世界は魔法のように素晴らしいものです。特に豊かな想像力を持つ好奇心旺盛な子供達にとっては魅力的な世界です。

テネシー州メンフィスにあるSt. Jude Children’s Research Hospital(セントジュード小児研究病院)の幼い患者達は、この素晴らしい宝石の世界を探索することができました。GIAのチームが、小児がんやその他の小児疾患の治療で有名なこの医療施設を訪れ、子供達に宝石や鉱物を披露したのです。

お子様の治療に専念することができるよう、患者の家族は、治療費、旅費、宿泊費、食費などは一切払う必要がない、とセントジュードの広報担当者は説明します。

セントジュード小児研究病院は、小児がんや生命にかかわるその他の病気について全世界が理解を深め、これらの病気を治療および克服する方法において世界をリードする小児病院です。この病院の目的は明らかです。治療法を見つけること、そして子供たちを救うことです。セントジュードが発明した治療法のおかげで、50年以上前に開院して以来、小児がん全体の生存率が20パーセントから80パーセントにまで高めることができました、とスポークスマンが話しました。

セントジュード理事会は、セントジュードやその他の機関などで援助を必要としている子供達を支援する宝飾業界の非営利団体、Jewelers for Children(ジュエラーズ・フォー・チルドレン)と提携しているGIAを同病院に訪れるよう招待しました。

皆さん特別な子供達で、GIAがこの子達のために持ってきたものを非常に喜んでくれました、と2018年11月に訪問したグループに同行したGIAグローバルビジネス開発および選鉱ディレクターのJudi Schechterは語りました。パイライト、ゾイサイトの石基にあるルビー 、グリーンフルオライト、ジオード、様々な種類のクォーツ結晶、アゲート、アリの内包物が入ったアンバーのリングなど、24点の標本が体験学習に使用されました。

子供達は、アリが入っているアンバーの指輪が大好きでした、とGIAのジェムキッズプログラムを監督するKelly Bennettは語りました。パイライトも人気がありました、とも話しました。

GIAのチームは、子供達や家族の休憩時間に、セントジュードの食堂の近くにテーブルを設置しました。テーブルには、6台の顕微鏡と宝石標本、キャンパス内プログラムに参加している学生にGIAが提供しているジェムキッズの教材が置かれ、子供達は自由にこれらを使用することができました。

子供達は結晶や他の鉱物標本を手にしましたが、最も感動を与えたのは顕微鏡でした。合成サファイア、合成エメラルド、天然フェルスパー、クォーツを顕微鏡を使って観察すると「わあ~」と驚きの声を上げました。

子供達のほとんどが、顕微鏡で宝石を見たことがなかったので、この子達にとってはすべてが新鮮で、楽しかったのでしょう。宝石の標本を見たり、触ったり、感じたりして、インクルージョンや宝石の中にある他の特徴を顕微鏡で見ることができました。すべてが完全に体験学習でした、とSchechterは説明しました。

女の子を抱きしめる女性。
GIAグローバルビジネス開発および選鉱ディレクターのJudi Schechterが、イベントに参加した患者の妹を抱きしめる。写真提供:セントジュード小児研究病院。

GIAの学生部長であるKimberly Overlinは、このGIAチームの一員でもあり、約50名の子供達がこのテーブルを訪れたと述べました。ほとんどの子供達がとっても夢中になっていました、と彼女は語りました。

この企画は、カールスバッドに拠点を置くGIAのプログラム「ジェムキッズ」を通じて主催されました。ジェムキッズは、9~12歳の地元の学生に宝石学に関連した学習体験を提供しており、年間5000人近い学生がこのプログラムに参加します。ジェムキッズのプログラムは、カールスバッドのキャンパスおよびボツワナ、南アフリカを含むアフリカのいくつかの場所で提供されています。楽しくてインタラクティブな環境で実践的なアクティビティを活用するこのプログラムは、宝石の科学に対する情熱を育むことを目的としています。

ジェムキッズのウェブサイトは、宝飾業界のさまざまなキャリアや宝石学およびジュエリーの検索用語の用語集など、宝石やジュエリーについて子供達を教育するオンラインリソースです。また、学生、両親、教師がオンラインで利用できる簡単でインタラクティブなジェムキッズ資料も提供しています。

セントジュードを次回訪れる具体的な計画はまだ未定ですが、Schechterはこのイベントは「とても心温まる」経験であったと語りました。「セントジュードにいた時にずっと私たちは皆、涙を浮かべていました。喜びの涙です。」

Russell Shorは、GIA カールスバッドのシニア業界アナリストです。