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幸運のお守り


アールデコ調に四つ葉のクローバーに形づくられた真珠母貝のブローチ
宝石やジュエリーはパワーと前向きさを呼びさますことから、しばしば幸運のお守りとして使われます。 世界中で愛用されているジュエリーのお守りをご紹介します。 提供:De Agostini Picture Library、A. Dagli Orti 、The Bridgeman Art Library

幸運を願うという行為はおそらく、私たち人間の歴史が開始したのと同時に始まったものでしょう。 これまで過去何千年もの間、私たちは最も大切な願いを叶えてくれる優しい運命というものを追い求めてきました。 そして、幸せな明日を実現するための探求の中で、幸運のお守りを身に着けるという行為がとられてきました。

宝石はパワーと前向きさのシンボルと称されることが多く、幸運のお守りとして長く使われてきました。 ジュエリーにセットされた宝石を身に着けることは、困難を寄せ付けず幸運を引き寄せる防護のお守りとして捉えられるようになりました。 そのようなジュエリーを身につけた人は、常に明るい未来のことを思い出し、自信や希望、前向き思考につながるインスピレーションを見つけることができたのです。

幸運のお守りは世界中で愛用されています。 そして、時間と場所を超越します。 その中でも、有名なものをいくつかをご紹介します。

アイルランドの幸運:四つ葉のクローバーの伝説

四つ葉のクローバーは西洋では最もよく知られている幸運のお守りであると言え、聖パトリックの日の象徴でもあります。 聖パトリックは、信徒に父と子と聖霊の三位一体の教義を説くために、三つ葉のクローバーを使用したと言われます。そこから、クローバーがよく知られるようになったのかもしれません。 四つ葉のクローバーは、三つ葉のクローバーよりもはるかに稀であり、その貴重な葉を見つけられれば実際に幸運である証しと言えます。 また、四つ葉のクローバーを持っていると、花の後ろに隠れている妖精に出会えるという素敵な言い伝えもあります。

14Kゴールドの四つ葉のクローバーのネックレス
ネガティブスペースがうまく利用され、14Kゴールド四つ葉のクローバーのネックレスがより魅力的に見える。 さらに多くの幸運をもたらすため、下の方にはダイヤモンドのアクセントがある。 提供:Jane Basch Jewelry Designs

悪意の目を退ける:ハムサの手

ハムサは「神の手」という意味で、古代ユダヤ人はこれをシンボルとして「悪の目」や暗い霊的な力を退けるのに使用しました。 また、着用する者に強さと祝福をもたらすと考えられていました。 ハムサはジュエリーに織り込まれ、​​家の出入り口付近に置かれました。そして、今でも装飾品として人気があります。

ダイヤモンド原石のハムサの手のシンボル
ダイヤモンド原石を荒く削って作られた、この11.4カラットのダイヤモンドのハムサは、生の権力の象徴。

象は縁起物

アジアの文化では長い間、象は幸運の象徴であると考えられてきました。 陸に生息する動物のうち最大の大きさを誇る象は、尊厳、善良さ、強さ、忠誠、長寿を具象化するものとして崇拝されています。 インドの象頭の神ガネーシャは障害を取り除くとされ、知恵、知識、保護だけでなく、世間の物事を解放し神に達することを象徴する寛大なアイコンとなっています。 象とガネーシャは、東洋と西洋のジュエリーや彫刻に頻繁に登場します。

18Kイエローゴールドの象のペンダント/ブローチ
ラピスラズリとダイヤモンドロンデルが下げられた18Kイエローゴールドペンダント/ブローチには、象の威厳がよく現れている。 頭と肩のプレートの部分は、ルビーとサファイアで飾られている。 デザインおよび寄贈:Joanne Stacher(GIA GG)

中国の神話​​の竜

竜は中国では、古代の幸運のシンボルとされています。 神話上で竜は、洪水を止め、雨をもたらし、海を制御し、死後に人間を高い域へと連れて行くほか、在世中には害から守ってくれます。 また、勇敢さ、気高さ、尊厳、忍耐力、知性などの象徴とされました。 寺院、鐘、橋、剣、そしてもちろんジュエリーは、竜で飾られています。

現代的な竜のブローチ
Ricardo Basta の現代的な竜のブローチは黄金の頭が印象的で、象牙の角と象の毛でできた垂れたヒゲを伴っています。 尖ったたてがみにはパヴェセッティングでダイヤモンドがあしらわれ、咽喉部の鱗模様は柔らかい真珠貝が敷かれた上に緑のサファイアが飾られています。 爬虫類的に光る目は、ツァボライトにブラックオニキスがちりばめられています。その口からは、メキシカンファイアオパールの燃えさかる炎が吹き出されています。 提供:Ricardo Basta

幸運のてんとう虫

てんとう虫は広く、幸運の運び手であると考えられています。 中世には保護のシンボルとされたほか、未婚の女性が真の愛を見つけることを予測するものとされました。 てんとう虫があなたに止まったら、素晴らしい何かがきっと起こるはずです。

てんとう虫のペンダントネックレス
このTiffany & Co.(ティファニー社)の てんとう虫のペンダントネックレスはエナメル、ダイヤモンド、プラチナがあしらわれ、着けた人に笑顔と幸せな明日をももたらすでしょう。 提供:1stdibs.com

幸運の宝石

宝石には幸運が染み込んでいると信じている人がいます。 古代エジプト人によれば、ペリドットが夜驚症を予防したと言います。

研磨されたペリドットの原石
この豊かな色のペリドットは、優しく深い眠りをもたらしてくれる。

カラットあたりの価格から言えば、ルビーは最も高価な宝石の一つです。 古代人はルビーが幸運をもたらすと考え、ビルマの戦士らは戦いで無敵に振る舞うため、ルビーを身に着けていました。

8.48カラットのビルマ産ルビー
イタリアの最後の女王 Maria-José(1906-2001)が、格別に美しいこのルビ​​ーとダイヤモンドを所有していた。 気品ある中央のルビー(8.48カラット)は、最も好まれる色相の一つを放っている。 提供:Sotheby's(サザビーズ)

魔術師や呪文の恐怖は過去のものとなりました。 しかし、これまでに邪悪な魔女に追い詰められた経験がある人なら、少し助けが必要な場合もあるかもしれません。 エメラルドはそのような窮地で活躍してくれます。なぜなら、エメラルドは邪悪な呪文から守ってくれるものと考えられていたのです。 オズの魔法使いの神話的なエメラルドシティーで、無事お家に帰ることができたドロシーに聞けばそれが本当かきっとわかります。

サファイアは長い間、気品やロマンス、高潔さや真実、誠実さや忠実さなどと関連づけられてきました。 また、幸運のお守りとされ、古代ギリシャやローマの王と王妃は、青いサファイアがねたみや害から自らを守ってくれると強く信じていました。

1.02カラットのマーキス型の未処理サファイア
ダイヤモンドに囲まれた1.02カラットのマーキス型の未処理サファイアーこんなに美しくて幸運をもたらさないはずはない。提供:1stdibs.com

数千年にわたり尊ばれてきたジェイドは、もう一つの幸運のしるしです。 硬さを持つジェードですが、石器時代の欧州、中国、米国では、道具や武器としてだけでなく、儀式用の品や装飾品へと形づくられました。 マヤやアステカの文明では、ジェードは痛みや苦痛からの救済を意味し、繁栄や成功、幸運を象徴するものとされました。 中国では、ジェードは明瞭な心や精神と関連づけられるほか、着用した者の悪い「気(エネルギー)」を引き受けるため、その色が変化すると考える人もいます。

琥珀は、愛と結婚を呼ぶ幸運の石だと考えられています。 さらに嬉しいのは、着用する人を保護し、その願いを叶えることができると信じられている点でしょう。 これは、人々に琥珀を持っていたいと思わせるのに十分な魅力的ポイントとなっています。

93.87カラット琥珀のビーズ
コオロギが93.87カラットの琥珀のビーズの中で永久化された。

「キャッツアイ」(「シャトヤンシー」と呼ばれる)を持つ宝石は、素晴らしい現象を呈します。宝石の真ん中を一筋の光の帯が放つのです。 これは、周辺の様子を観察する猫の目に似ています。 猫はあらゆることを見逃しません。だからこそ、キャッツアイを持つ石は悪霊から保護してくれると考えられているのでしょう。

20.65カラットでバイカラーの 「キャッツアイ」トルマリン
熟練した宝石職人の手で、20.65カラットのバイカラートルマリンにシャトヤンシーが生まれた。 提供:Ralph Mueller & Associates

幸運のお守りの力には、特別な何かが秘められているのかもしれません。 2010年には、ドイツのケルン大学の心理学者のチームが、幸運のお守りを信じることでパフォーマンスが向上したことを明らかにしました。 幸運のゴルフボールを使用した人は、パットを決められる確率が他の人より35%も高かったのです。

ですから、ジュエリー愛好家の方々に、お気に入りの幸運のお守りや宝石で着飾って一層の魔法を引き寄せることをお勧めします。 身につけることで、人生にあと少しだけ多くの幸運を引き寄せてくれるであろう幸運の宝石のお守りは、たくさんあるのです。