幸運のお守り
3月 11, 2016
幸運を願うという行為はおそらく、私たち人間の歴史が開始したのと同時に始まったものでしょう。 これまで過去何千年もの間、私たちは最も大切な願いを叶えてくれる優しい運命というものを追い求めてきました。 そして、幸せな明日を実現するための探求の中で、幸運のお守りを身に着けるという行為がとられてきました。
宝石はパワーと前向きさのシンボルと称されることが多く、幸運のお守りとして長く使われてきました。 ジュエリーにセットされた宝石を身に着けることは、困難を寄せ付けず幸運を引き寄せる防護のお守りとして捉えられるようになりました。 そのようなジュエリーを身につけた人は、常に明るい未来のことを思い出し、自信や希望、前向き思考につながるインスピレーションを見つけることができたのです。
幸運のお守りは世界中で愛用されています。 そして、時間と場所を超越します。 その中でも、有名なものをいくつかをご紹介します。
アイルランドの幸運:四つ葉のクローバーの伝説
四つ葉のクローバーは西洋では最もよく知られている幸運のお守りであると言え、聖パトリックの日の象徴でもあります。 聖パトリックは、信徒に父と子と聖霊の三位一体の教義を説くために、三つ葉のクローバーを使用したと言われます。そこから、クローバーがよく知られるようになったのかもしれません。 四つ葉のクローバーは、三つ葉のクローバーよりもはるかに稀であり、その貴重な葉を見つけられれば実際に幸運である証しと言えます。 また、四つ葉のクローバーを持っていると、花の後ろに隠れている妖精に出会えるという素敵な言い伝えもあります。
悪意の目を退ける:ハムサの手
ハムサは「神の手」という意味で、古代ユダヤ人はこれをシンボルとして「悪の目」や暗い霊的な力を退けるのに使用しました。 また、着用する者に強さと祝福をもたらすと考えられていました。 ハムサはジュエリーに織り込まれ、家の出入り口付近に置かれました。そして、今でも装飾品として人気があります。
象は縁起物
アジアの文化では長い間、象は幸運の象徴であると考えられてきました。 陸に生息する動物のうち最大の大きさを誇る象は、尊厳、善良さ、強さ、忠誠、長寿を具象化するものとして崇拝されています。 インドの象頭の神ガネーシャは障害を取り除くとされ、知恵、知識、保護だけでなく、世間の物事を解放し神に達することを象徴する寛大なアイコンとなっています。 象とガネーシャは、東洋と西洋のジュエリーや彫刻に頻繁に登場します。
中国の神話の竜
竜は中国では、古代の幸運のシンボルとされています。 神話上で竜は、洪水を止め、雨をもたらし、海を制御し、死後に人間を高い域へと連れて行くほか、在世中には害から守ってくれます。 また、勇敢さ、気高さ、尊厳、忍耐力、知性などの象徴とされました。 寺院、鐘、橋、剣、そしてもちろんジュエリーは、竜で飾られています。
幸運のてんとう虫
てんとう虫は広く、幸運の運び手であると考えられています。 中世には保護のシンボルとされたほか、未婚の女性が真の愛を見つけることを予測するものとされました。 てんとう虫があなたに止まったら、素晴らしい何かがきっと起こるはずです。
幸運の宝石
宝石には幸運が染み込んでいると信じている人がいます。 古代エジプト人によれば、ペリドットが夜驚症を予防したと言います。
カラットあたりの価格から言えば、ルビーは最も高価な宝石の一つです。 古代人はルビーが幸運をもたらすと考え、ビルマの戦士らは戦いで無敵に振る舞うため、ルビーを身に着けていました。
魔術師や呪文の恐怖は過去のものとなりました。 しかし、これまでに邪悪な魔女に追い詰められた経験がある人なら、少し助けが必要な場合もあるかもしれません。 エメラルドはそのような窮地で活躍してくれます。なぜなら、エメラルドは邪悪な呪文から守ってくれるものと考えられていたのです。 オズの魔法使いの神話的なエメラルドシティーで、無事お家に帰ることができたドロシーに聞けばそれが本当かきっとわかります。
サファイアは長い間、気品やロマンス、高潔さや真実、誠実さや忠実さなどと関連づけられてきました。 また、幸運のお守りとされ、古代ギリシャやローマの王と王妃は、青いサファイアがねたみや害から自らを守ってくれると強く信じていました。
数千年にわたり尊ばれてきたジェイドは、もう一つの幸運のしるしです。 硬さを持つジェードですが、石器時代の欧州、中国、米国では、道具や武器としてだけでなく、儀式用の品や装飾品へと形づくられました。 マヤやアステカの文明では、ジェードは痛みや苦痛からの救済を意味し、繁栄や成功、幸運を象徴するものとされました。 中国では、ジェードは明瞭な心や精神と関連づけられるほか、着用した者の悪い「気(エネルギー)」を引き受けるため、その色が変化すると考える人もいます。
琥珀は、愛と結婚を呼ぶ幸運の石だと考えられています。 さらに嬉しいのは、着用する人を保護し、その願いを叶えることができると信じられている点でしょう。 これは、人々に琥珀を持っていたいと思わせるのに十分な魅力的ポイントとなっています。
「キャッツアイ」(「シャトヤンシー」と呼ばれる)を持つ宝石は、素晴らしい現象を呈します。宝石の真ん中を一筋の光の帯が放つのです。 これは、周辺の様子を観察する猫の目に似ています。 猫はあらゆることを見逃しません。だからこそ、キャッツアイを持つ石は悪霊から保護してくれると考えられているのでしょう。
幸運のお守りの力には、特別な何かが秘められているのかもしれません。 2010年には、ドイツのケルン大学の心理学者のチームが、幸運のお守りを信じることでパフォーマンスが向上したことを明らかにしました。 幸運のゴルフボールを使用した人は、パットを決められる確率が他の人より35%も高かったのです。
ですから、ジュエリー愛好家の方々に、お気に入りの幸運のお守りや宝石で着飾って一層の魔法を引き寄せることをお勧めします。 身につけることで、人生にあと少しだけ多くの幸運を引き寄せてくれるであろう幸運の宝石のお守りは、たくさんあるのです。