書籍:Unique by Design: Contemporary Jewelry in the Donna Schneier Collection(ユニーク・バイ・デザイン:Donna Schneierコレクションの現代ジュエリー)
8月 14, 2014
この本の本質は「Seductive Tactics(魅惑の駆け引き)」と言う章に掲載されている。体系的に文書化されたカタログというよりは、この章は現代のジュエリーにおける一般的なエッセイになっている。 本書の例やイラストのほとんどは、コレクションからの作品である。 「Which Weigh to Go(どっちの重さへ)」という総称的タイトルのついたMaisie Broadheadの3つの概念的作品は特別な例外となっている。 3つのうちの最初の1つは、Vermeerの真珠を計量する若い女性を描いた絵画の模倣作品である。 他の二枚の写真は、 前の背景にある「Big Fake Little Real Pearl(大きな偽物小さな本物チェーン)」と「Big Fake Little Real Pearl(大きな偽物小さな本物パール)」いうタイトルのゴールリンクチェーンのネックレスで、「Plates(皿)」の章では、Myra Mimiltsch-Grayによる「Brass Knuckles(ナックルダスター)」などのコレクションの重要な作品の写真がより沢山掲載されている。 どのように写真選択がなされたのかは説明されていない。 本書の最後の章で、現代的なジュエリーの非常に簡潔な参考文献が記載されているだけだ。
本書の強みの一つは、はっきりとした触感と表面の詳細が写し出されている臨床的に正確な色の写真が使用されていることである。 それらの写真のレンダリングが本全体を通して均一であるのは珍しいことだ。 この本はカタログといういうより多くの美術エッセイのようなものなので、このような写真の使用は部分的な実例にすぎない。 一般的にこのタイプの書籍にはジュエリーの寸法、カラット重量、拡大倍率などは記載されることはない。 展覧会のちゃんとしたカタログにするには、サムネイル写真、詳細説明、寸法、アーティストの経歴、どのようにその作品を手に入れたかなどの132の展示作品が掲載されている章があるべきである。 コレクション自体の見識はほとんど記載がなく、「2007年に寄贈されたのであれば、なぜ今展示されているのか?」などの正当な質問に対する回答は一切ないのである。
全体としてUnique By Design(ユニーク・バイ・デザイン)は、具体的な展示会へのガイドというよりもスタジオジュエリーへの一般的入門アートエッセイとなっている。 そのため、スタジオジュエリーに関心のあるジュエリーの学生やアートコレクターに好まれるであろう。
レビュアーについて
Delphine Leblancは、ニューヨークのティファニーの鑑定専門家 です。