Bill Boyajian
1986年から2006年までGIA理事長を務めたBill Boyajianは、GIAを現在の国際的な立場に導いたそのビジョンで知られています。 彼の宝石とジュエリー業界への道は高校時代、地元のデパートのジュエリーカウンターでの仕事をオファーされた際に始まりました。 その後すぐに、彼はジュエリーと宝石への愛情と、その業界でキャリアを積むという願望を見つけました。 上司からGIAがスタート地点だと伝えられた彼は、卒業して3週間後にはクラスに通い始めました。
Jim Luceyが教鞭をとった初めてのダイヤモンドクラスの後、Boyajianは言いました。「自分のやりたいことが見つかった―あのクラスを教えていた先生のようになりたい!」と。彼はGGを修了する前、1975年にGIAの仕事に応募し、1976年にサンタモニカ・キャンパスにて指導を始めました。
それから数年間、Boyajianは講師だけでなくグレーダー、カラーストーン・プログラムの監督者、新商品開発マネージャー、そしてマーケティングマネージャーなど様々な職に就いてきました。 そして1986年、Glenn Nordが健康上の理由により理事会から退任した際、新たな理事として選ばれたのです。 Boyajianは若干34歳でしたが、Nordとその跡を継いだRichard Liddicoatは、以前から彼こそがGIAを新世紀へと導く人物だと考えていました。 「彼にはGIAがこの業界に対して何ができるかという信念があり、宝石学へ献身していました」と、Nordは語ります。
自身でも認める理想主義者のBoyajianは、そのマネジメントとマーケティングの手腕と、他者への影響力で知られています。 彼は1980年代にGIAマスタープランと共に長期戦略計画を開始した最初の人物であり、GIAの国際教育拡大も始めました。 彼がリーダーになってからラボの規模は二倍になり、1990年代中頃にはカールスバッドへの移転を指揮しました。 また、彼はGIAのカラーストーンのグレーディングシステムを始めた人物でもあります。 高名な話者また著者として、彼は次々と講義と執筆を行い、Gems & Gemology(宝石と宝石学)内で19もの記事を執筆/共同執筆するなどしました。
2006年にGIAを離れてからは、Boyajianはジュエラーや他のビジネスのコンサルティングを行い、リーダーシップに関する本を執筆しています。 彼に業界から送られた評価には、Diamond Industry Steering Committee Hall of Fame(ダイヤモンド業界運営委員会名誉殿堂/1998年)、National Conference for Community Justice Humanitarian Award(社会正義人道全国会議賞/1998年)、AGTA Honorary Life Membership(AGTA名誉終身会員/1999年)、AGS Circle of Distinction(AGS名誉サークル/2002年)、WJA Ben Kaiser Award for Excellence(WJA Ben Kaiser優秀賞/2005年)、American Gem Society(アメリカ宝石学会)のRobert M. Shipley賞(2013年)などがあります。
「自分やGIAができることに限界など設けません」と、BoyajianはGIA在職中にJewelers’ Circular-Keystone(ジュエラー・サーキュラーキーストン)に語りました。 「今日必要とされているのは、後世にも続く目的のために全力を尽くすことです。 それが私たちを突き動かすのです。」