オークションの記録は2014年も打ち破られるか?
1月 24, 2014
世界の二大オークションハウスは、次なる並外れの年に向けて準備を進めています。
2013年、クリスティーズとサザビーズがメガダイヤモンド、稀少な色の宝石やクラシックな時代物宝飾品の競売を通じて、それぞれ6.78億ドル、6億ドルの記録的な宝飾品の売上高を記録しました。 経済学者は、こうした競売金額に繋がったような超高級品への需要は、2014年にはさらに強まると予測しています。
2013年には、画期的な3つのダイヤモンドが記録的な売上に貢献しました。
- これまで宝石に支払われた最高価格: サザビーズは、11月13日にジュネーブで販売で提供されたピンクスターダイヤモンドに6,100万ドルの値札を推定していましたが、GIAがグレーディングしたこの59.6カラットのファンシービビッドピンクは8,302万ドル(約85億円)で売却され、同じくピンクダイヤモンドに対する2010年の記録である4,600万ドルよりほぼ倍増しました。 バイヤーはニューヨークのダイヤモンドディーラーのIsaac Wolfで、落札後すぐに石の名前をピンクドリームと変更しました。
- これまでに支払われた最高のカラットあたり価格:GIAがグレーディングした14.82カラットのファンシービビッドオレンジダイヤモンドの「オレンジ」は、クリスティーズによって匿名のバイヤーに3,554万ドル(約36億円強)、すなわちカラットあたり240万ドル(約2.4億円強)で売却されました。
- 一回の宝飾品オークションにおける販売総額の記録:ピンクドリームが提供されたジュネーブでのサザビーズの11月13日のオークションでは、各100万ドルを超える販売が1ダースもあり、そのうち7件はそれぞれ600万ドル以上となったため、合計で1億9,950万ドル(約200億円)となりました。
記録の更新はジュネーブにおけるクリスティーズの5月のオークションで始まりました。そこではハリー・ウィンストンが101.73カラットのD-フローレスダイヤモンドに2,670万ドル(約29.3億円)を支払い、「ウィンストンレガシー」と名付けました。そのオークションにおけるもう一つのハイライトは19.88カラットのスターオブカシミールサファイアで、348万ドル(約3.5億円)で販売され、カラットあたり17万5,202ドル(約1790万円)を記録しました。
香港における10月7日のサザビーズのオークションは、単一の無色ダイヤモンドに対するオークションにおけるこれまでの最高価格が支払われました:GIAのグレーディングによる118.28カラットのオーバル D-フローレスで、299カラットの原石からカットされており、アジアのバイヤーに3,060万ドル(約31.3億円)で売却されました。 記録的な金額にもかかわらず、最終的な価格は、事前の販売見積もりの下端となりました。
価格高騰は1か月後に本当の勢いを得ました。ジュネーブにおけるクリスティーズの11月12日のオークションにおける宝飾品販売総額が「オレンジ」を目玉として1億2,540万ドル(約128億円)となり、宝飾品販売総額の最高記録を破ったのです。 同販売では、990万ドル(約10.1億円)をつけたカルティエのエメラルドとダイヤモンドのネックレス、900万ドルを突破した7連天然真珠ネックレス、450万ドル(約4.6億円)で販売された58.29カラットのビルマ産サファイアを用いたAnna Huのデザインによるブローチなど、100万ドルを超える品が22個となり最高を記録しました。 Hu のブローチは、オークションにおける現代デザイナー作品の記録的価格となりました。
サザビーズのヨーロッパ兼中東地域の宝飾品会長であるDavid Bennett によると、ジュネーブで行われた翌晩のサザビーズのオークションでは「エネルギーが充電されて...すべての品が見積り以上で売れているように思えて その晩は、最高でした。」
4つの記録が破られる。
- サファイア宝飾品に支払われたこれまでの最高額(合計価格とカラットあたりの両方):845万ドル(8.6億円)(カラットあたり17万5,821ドル、5月のジュネーブでの記録を破る)が、20.88カラットおよび26.66カラットのカシミールサファイアの一対であるリシュリューサファイアに支払われました。
- ビルマ産サファイアに対する記録的価格:114.73カラットの宝石が714万ドル(約7.3億円)(カラットあたり6万2,214ドル)で販売されました。
- サザビーズのオークションで販売された史上最も高価なジュエリーの作品:GIAのグレーディングによる96.62カラットのファンシービビッドイエローブリオテットカットダイヤモンドを使用したヴァンクリーフ&アーペルのブローチが1,055万ドル(約10.8億円)で販売されました。
「1994年、私たちは500万ドル以上の品を2つ販売しました。19.96カラットのピンクダイヤモンドを730万ドル(カラットあたり37万5,000ドル)で販売したのが最高です。 この年に私たちは当社の香港におけるオークションを発足し、香港でのオークションは1億9,000万ドルの年間総額の11パーセントとなりました」とキュリエルは述べます。 「2013年、私たちは500万ドル以上の品を14個販売しました。3,950万ドル(カラットあたり110万ドル)をつけた34.65カラット ファンシーインテンスピンクプリンシーダイヤモンド売却もありました。 香港は昨年、当社の6億7,500万ドルの年間総額の29%に寄与しました。 私たちはちょうど上海で販売を開始したところです。」
2014年にはさらに記録を破るのでしょうか?経済学者は、ブームは終わっておらず、超富裕層はまだ余剰資金の使い道を求めていると言います。
キュリエルは、市場には稀少アイテムがさらに増えると見ています。その理由は、人々が価格が最高であると知っているときに、最も稀少なアイテムが初めて登場したり、再度売却されるために出てくる傾向があるからです。
「稀少なダイヤモンド、宝飾品、カラーストーンやパールが極端に不足しており、同じアイテムがオークションで何度も最初の価格よりも高く売却されています」とCurielは述べます。 「こうした新しい価格は、かつてない程に市場に希少性をもたらしており、世界的な宝飾品業界、また次のエキサイティングとなる一年を約束するでしょう。」
著者について
Russell Shorはカリフォルニア州カールスバッドにあるGIAのシニア業界アナリストです。