GIAでデビューした素晴らしい宝石彫刻


GIAのカールスバッドキャンパスに展示されたPerry Brent Davis(ペリー・ブレントデイヴィス)氏のアゲート(瑪瑙/めのう)とクォーツ宝石の彫刻作品からは, あたかも別世界で色鮮やかな海景色を見ているような錯覚を覚えます。 作品の多くが、センシュアルに湾曲した青銅製のアームの上に飾られている一方、なめらかな一枚の黒御影石の上に接地されているものもあります。 それぞれ、石内部の特徴や模様を目立たせるよう彫刻され、よく磨かれています。
 
「自然の力を表現する石を選びました。」とデイヴィス氏は述べています。 彼は「地球が生み出す最も美しい、自然色の鉱物」を見つけ、それらを芸術作品に変えます。
 
「この素晴らしい鉱物が作品の原材料なのですが、多くの場合、自然の結晶空洞や、私の近年の作品のシンプル性を強調するような特徴を備えています。」とデイヴィス氏は述べます。 例えば、いくつかのデザインでは、外面の高度なポリッシュに対して輝く内部の晶洞が表現されています。
 
宝石や宝石細工の分野で30年の経歴を持つ、グラジュエイトジェモロジスト(GG)のデイヴィス氏は、大規模な宝石彫刻への関心を追求するため、2006年に米国から中国に移りました。 彼はスタジオを開設し、伝統的な彫刻家のチームを雇いました。 彼と彼のチームはそれぞれの作品に、現代と古代の中国の彫刻技術を組み込みます。
 
その結果、アゲート、ロッククリスタル(水晶)、ジャスパーの、豊かな色彩、装飾模様、内部の特徴を強調する、通常より大きな宝石彫刻が造り出されました。 彼によると、デザインプロセスは石自体に触れながら行われ、彫刻が進むにつれ洗練されます。 一作品完成までに、200~1400時間かかるとのことですが、たいていの場合200〜500時間の範囲で完成します。
 
「これ程の大きさの素晴らしい彫刻の展示は、快挙です。」とGIA博物館コレクションの学芸員であるTerri Ottaway(テリー・オタウェイ)は言います。 「それに、繊細な模様を引き出すためにとても美しく彫られ、ポリッシングされた作品は大変な偉業の成果であり、めったに見られません。」
 
デイヴィス氏は、米国、メキシコ、ブラジル、オーストラリアの鉱山から原石を調達します。 彼は鉱山に行くことは、鉱山のオーナーが原石を提供してくれると分かっているのではない限り、「ラスベガスに行くようなもの」だと述べています。 それよりも、良い価格で大量の宝石がある宝石展示や鉱物展示会の方が、好みの原石を入手しやすいと言います。 
 
デイヴィス氏は、技術的に複雑で、彫刻には様々な多くのダイヤモンド工具や機器を必要とするような宝石を選びます。 GIAのカールスバッド研究室の宝石鑑別士で、宝石彫刻師でもあるNathan Renfro(ネイサン・レンフロ)は、そういった宝石を扱うには、高いレベルの技術的能力と技量が必要だと言います。
 
また、レンフロによると、「デイヴィス氏が制作する一つひとつの作品は、魅惑的なデザインから技量の質に至るまで、彼が世界トップクラスの芸術家、宝石彫刻家であることを証明しています。」