アイオライトについて


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上質のアイオライトの色は、サファイアやタンザナイトに匹敵することもある。 – Robert Weldon
タンザナイトが最初に発見された時、ジェモロジストは最初にそれが、何千年もの間知られている透明で多色性のある青紫色の宝石であるコーディエライトではないかと考えました。 今日、(地質学者ピエール コルディエの名にちなんで名付けられた)コーディエライトは、「紫」を意味するギリシャ語「イオス」に由来するアイオライトという商用名のほうでよく知られています。

アイオライトは強い多色性があるため、最高の色を見せるためにカットするのが難しい宝石です。 これは、この魅力的ではあるけれども難点のある宝石を手頃な価格の青色宝石の選択肢として小売業者に販売を進めることに関心を持つ生産者やバイヤーにとっても、同じく課題となっています。

熟練した彫刻師の手によって、アイオライトの美しさは引き出される。
このアルミニウム、鉄、マグネシウムでできたケイ酸塩鉱物は2つの独特の特徴を持っています。鉄に起因する紫色がかった青色から僅かに紫色がかった青色の色相、そして目に見えるほどの魅力的な多色性です。 その多色性の色は、その地色とは異なります。 紫色がかったアイオライトは、淡いバイオレット、暗いバイオレット、黄褐色の多色性を示します。 青みがかったアイオライトは、​​無色から黄色、青灰色、暗いバイオレットの多色性の色を示します。 そのため角度によって、青みがかったアイオライトは完全な無色または黄色に見え、紫がかったアイオライトは褐色に見えることがあります。

アイオライトは通常ファセットカットされますが、頻繁にカボションにカットされることもあります。

整形加工されるアイオライトのサイズは、1〜10カラットの間でさまざまです。 5カラット以上の上質なアイオライトは稀です。

アイオライトはモース硬度スケールで7から7.5に相当しますが、1方向に明瞭な劈開を持っていることを考えると、その靭性は普通としか評価されません。 このため、指輪にセットされていたりその他のセッティングにより日常の手荒い着用に晒された場合、破損に対しては弱くなります。

タンザナイトとは異なり、アイオライトはほとんど処理されません。 上質のアイオライトは自然のままで美しい青色や紫色をしています。 通常のカットや研磨以外に処理が施されていないという点は、顧客が安価なブルートパーズから上質なサファイアまでほとんどの青色宝石が何らかのタイプの処理を日常的に施されていることを考慮するとすれば、アイオライトのセールスポイントとなります。


アイオライトは日常的に処理されることはなく、一部の消費者にとって魅力的な特徴となっている。 – Robert Weldon、提供:Max Faulkner
もちろん、すべてのアイオライトが上質な色を示すとは限りません。 中には、灰色がかった、もしくはほぼ無色の石もあります。 取引において可能であれば、こうした望ましくない色のアイオライトをより良くそしてより販売しやすい色にするため、処理をするでしょう。 しかし、アイオライトの化学組成によってそれはできないのです。 興味深いことに、一部のアイオライトの濃い青色は、サファイアの青と同じ原因(鉄-チタン電荷移動)であると考えられています。 しかしサファイアとは異なり、アイオライトは融点が低くコランダムに日常的に施されるような高温に耐えられないため、その青色を強めるための加熱処理を行うことができません。

アイオライトはかなり硬度が高いので、沖積堆積物中に見つかることがよくあります。 スリランカの宝石礫のほかに、アイオライトはケニアや中央タンザニアなど、アフリカのいくつかの地域でも産出します。 その他のアイオライト産出国には、インド、ブラジル、ノルウェーがあります。 重要なアイオライト鉱床は1994年にマダガスカルで発見されました。

アイオライトは、タンザナイトが1970年代と1980年代に劇的に流行ったようには小売業者にまだ受け入れられていません。 なぜでしょうか? 宝飾デザイナーや小売業者が、彼らのワークショップや販売店の幅広く奥深いセレクションとして揃えるにはアイオライトはまだ、均一で高品質な商品を一貫して十分に供給できないと感じていると、専門家は考えています。