非常に大きなCVD合成ダイヤモンド

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ラボノート
図1. この2.16カラットのマーキス(13.42×6.73×3.94ミリメートル)は、GIAが検査したなかで最大のCVD合成ダイヤモンドです。 茶色がかった色合いを持ち、色の評価はJ / Kでした。 写真提供:Jian Xin (Jae) Liao。
過去10年間、ラボで成長されたCVD合成ダイヤモンドの品質やサイズにおいて急速な改善が見られました。 最近、GIAニューヨークのラボは、これまでGIAが見たなかで最大の試料であるScio Diamond Technology Corp(シオ・ダイヤモンド·テクノロジー社)により生成された2.16カラットのCVD合成石を検査しました(図1)。
         
13.42 X 6.73 X 3.94ミリメートルと測定されたこのマーキスは、GIAによって検査された過去最大のCVD合成石であり、2010年に検査された1.05カラットの梨型のサイズの2倍以上の大きさでした(G&Gラボノート2010年夏号143-144頁を参照)。 これには茶色がかった色合いがあり、色の評価はJ / Kでした。顕微鏡観察によると、小さなフラクチャー、ピンポイント、非ダイヤモンドカーボンブラック内包物が発見され、その結果、SI2クラリティグレードと評価されました。
           
中赤外吸収​​スペクトルは、IIa型ダイヤモンドの特徴を示しました。 窒素や水素関連の吸収特徴がなく、赤外領域では非常に純粋でした。 様々なレーザー励起を使用した液体窒素温度でのフォトルミネッセンス分析は、典型的なCVDの特徴を表示しました。その特徴とは、N-Vセンターからの非常に強い発光、[Si-V]センターからの736.6/736.9 nmでの中程度の発光線、およびCVD特有の596/597 nmのペアです(図2)。 また、その他の検出された特徴は、503.1 nmでのゼロ·フォノン線とH3の欠陥からの微弱発光であり、光学センターの興味深い組み合わせとなりました。 DiamondViewの短波紫外線照射下では、パビリオンが不規則なブルーの蛍光領域を有するバンド付きのオレンジ色の蛍光性を示す一方、テーブルとクラウンのファセットは、純粋なブルーの蛍光性を示しました。 不規則なパターンを有する非常に強い内部応力が、交差偏光を用いて顕微鏡で確認されました。

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図2. 2.16カラットの合成石は、N-Vセンターからの575 nmおよび637 nmの強い発光、597/596 nmにおける中程度のCVD特有の発光、および[Si-V]センターからの736.6nmおよび736.9 nmの発光などのCVD成長の典型的なフォトルミネッセンスの特徴を示しました。
この大きな宝石質のCVD合成石を検査することにより、ラボで成長されるダイヤモンドの技術が急速に改善されていることが明らかになりました。 これらの製品のより多くが、宝石業界に到達し続けることが予測されます。

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