GIAが、地球外宝石構成成分の現実的数値を検証


このゴールドペンダントには、磨かれた地球外ペリドットが真珠母貝の上にはめ込まれている。 写真:Robert Weldon(ロバート・ウェルドン)/GIA
科学者たちは、銀河系を突き進むダイヤモンド惑星の存在を推測していますが、地球外宝石は少なくとも一つすでに存在しています。
 
地球でも発見されるオリーブグリーンの宝石であるペリドットは、時折隕石から回収されて宝石にファセットカットされることすらありますが、その数は非常に少ないので宝石商のショーケースで見つけることは稀です。 しかし、GIAの研究者らは、地球上の宝石と比較し違いを検討するため、地球外のサンプルを26個集めました。 研究結果は、GIAのGems & Gemology(宝石と宝石学)の2011年秋号で報告されています。
 
ペリドットは、鉄とマグネシウムのケイ酸塩鉱物であるオリビン(カンラン石)の宝石版です(つまりシリコンを含む)。 オリビンは、時々地球に落下する金属隕石等を含む太陽系の構成物質の一部です。 このようなペリドットを含む隕石は稀なものである上、地球へ落下する途中に強烈な熱と大陸との接触による爆発衝撃を受け、無傷で残るものはほとんどありません。 これは、宇宙から落下するペリドット片が殆どいつも小さい理由です。
 
地球の鉱脈からのペリドットは、人類が手にした最初の宝石のひとつでした。 古代エジプト人は、現在紅海のセントジョンズ島として知られている場所で「太陽の宝石」を発見しました。 今日の産地には、米国(アリゾナ、テキサス、ハワイ)、中国、ミャンマー、パキスタンが含まれ、これらの地では、最大で最高級のペリドットの多くが生産されています。 ペリドットは、魅力的な色と比較的安い価格から、世界中のジュエリーデザイナーに普及しました。
 
GIAの研究者であるAndy Shen(アンディ・シェン)博士、John Koivula(ジョン・コイブラ)氏、James Shigley(ジェームズ・シグリー)博士は、地上のいくつかの場所から標本を組み立て、最も有名なペリドット含有地球外オブジェクトである、エスケル隕石から採取した26のサンプルと比較しました。
 
約50年前にアルゼンチンで発見されたこの巨大な隕石には、数多くのペリドット結晶が含まれていました。 そして、1992年にアメリカのあるコレクターがエスケル隕石のほとんどを購入し、販売するために多数のセクションに分割しました。 GIAで調べたエスケル標本のうち、3つはファセットカット宝石であり、他は研磨済みスラブの一部でした。
 
宝石中の微量の構成素を検出することができるレーザ光と洗練された質量分析法を用いて、GIAチームは地球上のペリドットと地球外のペリドットとの間にある大きな違いを発見しました。 そのテストでは、リチウム、バナジウム、ニッケル、マンガン、コバルト、亜鉛の含有率が異なることが明らかになり、研究者や最終的には宝石のバイヤーが、異なる世界に存在するペリドットを確証を持って区別できるようになりました。

半透明のエスケル隕石が、地球外ペリドット結晶の千変万化のパターンを示している。 提供:Robert A. Haag(ロバート A. ハーグ)、写真:Robert Weldon(ロバート・ウェルドン)

この極彩色の1.12カラットの地球外ペリドットは、手前の大きなエスケル隕石から採取され磨かれたものである。 提供:Robert A. Haag(ロバート A. ハーグ)、写真:Robert Weldon(ロバート・ウェルドン)/GIA