James Shigley


James E. Shigley
GIA研究部門の顔

40年ほどにわたり、James Shigley博士はGIA研究部門の顔として広く認識されています。1982年以来、Shigley博士はダイヤモンドやカラーストーン、そして宝石鑑別に関する数多くの講義や記事を通して、GIAの代表者として世界中で知られています。

University of California at Berkeley(カリフォルニア大学バークレー校)を卒業後、Shigley博士は1971年から1976年まで米国陸軍にて現役軍人として活躍し、中佐として陸軍予備軍から退役しました。その後、Stanford University(スタンフォード大学)から地質学の博士号を取得し、上級研究科学者としてGIAに参加しました。また、ラボラトリー内でその気概が直ちに評価され、配属後3年で研究部門のマネジャーに就任しました。1987年、GIAの研究部門ディレクターに就任し、現在はGIA初かつ唯一の特別研究員として活躍しています。

Shigley博士が宝石学研究に果たしてきた多大な貢献は実にはかり知れません。2014年9月現在、Gems & Gemology(宝石と宝石学)だけで59稿もの記事を執筆または共同執筆し、その内の29稿が本誌の最優秀論文賞を受賞しています。彼はG&Gの寄稿編集者として務め、G&G in Review(G&G イン レビュー)ブック シリーズの編集に取り組んでいます。その研究を通じて、合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンドを選り分ける方法を特定し、宝石の重要な産地に関する情報を文書化し、さらにHPHT成長法による合成ダイヤモンドの特徴を確定しました。また、宝飾業界や一般の方々が研究および鑑別の資料として無料で利用できるEdward J. Gübelin コレクションから選り抜いた(225の鉱物を代表する)2800の宝石から成るGIAジェム プロジェクトの創設に尽力しました。

Shigley博士が32年間にわたる在職期間中で育成したGIAスタッフは数知れず、その実践的技術および逆境への克服体験というバトンを次世代のジェモロジストに引き渡してきました。これまで業界に果たした貢献が、宝石学優秀者に贈られるAGA Antonio Bonnano賞(2007年)やGIAスタッフ オブ ザ イヤー賞(2006年)という形で結実を迎えました。Jim Shigley博士の功績が、GIAだからこそ為し得る画期的な研究に対する評判を確固たるものにしました。