記者発表

Gems & Gemology(宝石と宝石学)2018年夏号: 宝石の色に潜むきらめき


母岩に置かれたYogo(ヨゴ)産サファイアの原石が表紙を飾るGems & Gemology(宝石と宝石学)2018年夏号。写真撮影:Kevin Schumacher © GIA 提供:モンタナ州、Bozeman(ボーズマン)The Gem Gallery(ザ・ジェム・ギャラリー)のDon Baide
母岩に置かれたYogo(ヨゴ)産サファイアの原石が表紙を飾るGems & Gemology(宝石と宝石学)2018年夏号。写真撮影:Kevin Schumacher © GIA 提供:モンタナ州、Bozeman(ボーズマン)The Gem Gallery(ザ・ジェム・ギャラリー)のDon Baide

新しい特集「地球深部からのダイヤモンド」は、天然ダイヤモンドが科学研究においていかに重要かを説明します

カリフォルニア州カールスバッド -2018年8月13日 – 2018年夏号のGems & Gemology(G&G、宝石と宝石学)では、研究員が、その色の原因を解明するために15,000個以上の天然ブルーダイヤモンドを検査したり、放射性鉱物を含む漂砂ブラックダイヤモンドを研究します。また、由緒ある海上シルクロードに沿ってインド南東部の海岸から地中海への旅をしたビザンチンのガーネットの謎も解明します。さらに、GIAのこの季刊専門誌では、日本の霞ヶ浦から採取される養殖真珠、Yogo(ヨゴ)サファイア鉱床から産出される鮮やかな色をした宝石、合成ダイヤモンドを詳しく説明する掛図、新たに始まった定期的な特集記事「地球深部からのダイヤモンド」も紹介されています。本号は、印刷物としておよびオンラインでご覧いただけます。
 
G&G夏号では、「天然色のブルー、グレー、バイオレットのダイヤモンド:ディープカラーの魅力」が特集記事の第1弾として紹介されています。この記事では、GIA の研究員であるSally Eaton-Magaña、Christopher M. Breeding、James E. Shigleyが、天然のブルーダイヤモンドの科学を研究します。GIA が検査した15,000個以上の試料から収集したデータを使用して、これらの研究員は、自然が生み出す最も稀少で貴重な宝石の一つ、ブルーダイヤモンドの独特な特徴を説明することができるようになりました。
 
次の特集記事は、GIA のKaren V. Smit、Elina Myagkaya、Stephanie Persaud、Wuyi Wangによる「Marange (マランジェ、ジンバブエ) 産ブラックダイヤモンド:自然の照射とグラファイトインクルージョンの結果」です。この研究では、東ジンバブエのマランジェ漂砂鉱床から産出された40の天然ファンシーダークブラウンブラックラウンドブリリアントダイヤモンドの色の起源を研究します。視覚的な観察を行った結果、メタンに関連したグラファイトインクルージョン、グラファイトニードル、そしてUmkondoの礫岩におよそ1億年堆積していたため発生したと考えられている暗褐色の放射線の染みが組み合わさったため、ダイヤモンドの外観が暗く見えることが判明します。
 
G&Gの特集記事第3弾では、H. Albert Gilg、Karl Schmetzer、Ulrich Schüsslerが、初期ビザンチンのアルマンディン ガーネットに十字架のモチーフが彫刻された経緯を紹介し、6世紀後半から8世紀まで回顧しながら古代の取引の慣習について説明します。特集記事第4弾では、Ahmadjan Abduriyimが、「霞ヶ浦真珠」の養殖を研究し、その品質と生産量について説明します。
 
GIA の著者、Nathan D. RenfroとAaron C. Palkeは、Richard B. Bergとともに、モンタナ州Yogo(ヨゴ)渓谷地区から産出されるサファイアの完全な宝石学的特性を紹介します。これは、最も重要なサファイア鉱床の一つであり、色が鮮やかな未処理のブルーであり、クラリティ(透明度)が高い宝石として知られています。本号の最後の特集記事は、Sally Eaton-MagañaとChristopher M. Breedingによる合成ダイヤモンドに関する新しい掛図です。この掛図は、より大きいサイズや高品質の合成ダイヤモンドを製造することを可能にした最近の技術進歩など、高圧高温 (HPHT) および化学蒸着 (CVD) 合成ダイヤモンドの成長および特徴を示しています。
 
また、本号では Karen SmitとSteven Shireyによって定期的に紹介される新しい特集コラム「地球深部からのダイヤモンド」も始まり、天然ダイヤモンドが科学研究においていかに重要かについて研究します。このコラムの第1回では、ダイヤモンドが地球の深部に存在する水を研究員が理解するのにどのように役立つかを明らかにします。
 
同号は、定期掲載のラボノート、ミクロ・ワールド、ジェム・ニュース・インターナショナルの記事で締めくくられています。ラボノートでは、エメラルドを模倣したべリルとガラスの張り合わせ石および合成ダイヤモンドに関する最新の発展が説明されています。ジェムニュースインターナショナルは、特殊なグリーンブルーのマシーシェ‐タイプのべリル、「ゴールドの光学現象」を示すサファイアの微量元素の特性、色が変化するクロームガーネットのエチオピアでの発見を特集しています。ミクロの世界は、コーパルに保存されたキノコ、トパーズの微結晶、クォーツ内のウルツ鉱の幻影を紹介しています。
 
本号および1934年以降に出版されたG&Gの全号は、全記事、ラボノート、フォトギャラリー、特別なビデオ映像も含めて、GIAのウェブサイトGIA.edu/gems-gemologyにて無料でご覧いただけます。
 
その他の研究記事は、GIA.edu/gia-news-researchでお読みいただけます。
 
印刷版の購読およびバックナンバーのコピーに関しては、http://store.gia.edu/をご覧いただくか、電話番号+1 760 603 4502までお電話でG&Gカスタマーサービスまでご連絡ください。
 


GIAについて

1931年設立の独立非営利組織であるGIA(Gemological Institute of America)は、宝石学における世界有数の権威として認められています。1950年代初頭、GIAはカラー、クラリティ、カット、カラット重量で有名な 4C を考案しました。さらに1953年にはインターナショナルダイヤモンドグレーディングシステム™を開発し、これは現在世界中のほぼすべての宝石専門家や宝石商により認識されています。
 
研究、教育、宝石学ラボサービス、機器の開発を通じてGIAは、最高基準の完全性、学問、科学およびプロフェッショナリズムを維持しながら、宝石・宝飾品に対する公共の信頼を確保することに専念しています。詳細については、GIA.edu をご覧ください。