記者発表

Gems & Gemology(宝石と宝石学)2019年冬号、「カラーストーンの起源」を大特集


Cover of the Gems & Gemology Winter 2019 issue.
Gems & Gemology(宝石と宝石学)2019年冬号の表紙を飾る様々な宝石。

起源を判断するためにGIAが使用する手順について詳しく説明します

カリフォルニア州、カールスバッド – 2020年2月3日 – GIAの季刊専門誌の最新号、Gems & Gemology(宝石と宝石学、G&G2019年冬号は、宝石鑑別ラボがカラーストーンの地理的起源を判定する際の科学、問題、制限に関する重要な議論を紹介します。
 
「カラーストーンの起源を判定することは、宝石の鑑別において最も困難なことであり、宝石・宝飾業界は言うまでもなく消費者にとっても重要な問題です。GIAが地理的な起源をどのように判定するかを紹介し、科学を利用して達成できることの限界について透明性を保つことは、一般の方々のお役に立つというGIAの使命の中核となります」とGIA取締役副社長兼ラボ・研究主任責任者のThomas M. Mosesは語ります。
 
GIAカラーストーン サービス部門グローバル ディレクターを務めるShane F. McClure、Moses、GIA特別研究員James E. Shigley博士による巻頭記事『The Geographic Origin Dilemma(地理的起源のジレンマ)』は、GIAの専門誌がこのひとつのトピックに焦点を当てた理由を明らかにします。
 
この記事は、本号の目的を以下のように説明しています。「地理的起源を判定することについて知っていること、およびそのような意見にどのようにして辿り着いたかを明確に述べることが目的です。カラーストーンの地理的起源の報告に関して、理解を深めること、そして一貫性をもたらすことに私たち全員が関心を抱いているので、健全で有益な説明と議論を本号で促進できると願っています。」
 
この記事では、インクルージョンから微量元素に至るまで、宝石の特徴は、地理ではなく地質学によって判断されることを指摘しています。「国の境界を示す線が地図で引かれている場所は、宝石が形成される場所とは全く無関係です。宝石を形成するために必要な地質学的条件は、多くの国で発生し、多くの場合、地理的な境界とは関係ありません。」
 
230ページにわたるこの専門誌は、これまで発行された中で最長のG&Gであり、Louisiana State University(ルイジアナ州立大学)の地質学および地球物理学のGerald Cire & Lena Grand Williams LSU 名誉教授兼GIAの理事、Barbara L. Dutrow博士やGIAのスタッフによる記事を掲載しています。この記事は、ルビー、サファイア、エメラルド、銅含有(例えば、「パライバ」)トルマリン、アレキサンドライトの地理的起源に関する意見に達するために、GIAラボで行われた宝石学における観察および高度な分析ツールと方法について説明します。
 
別の記事では、既知の宝石鉱床から産出された検証済みの試料を収集するGIAの広範なフィールド ジェモロジィ プログラムについて説明しています。目録へ慎重に記録されたこれらの試料から収集された参照データは、熟練した経験豊富なジェモロジストや科学の分野で使用される高度な機器類と共に、起源に関して専門家が意見を形成するために必要とされます。
 
本号はこの単一のトピックに焦点を当てているため、ラボ ノート、ミクロの世界、ジェム ニュース インターナショナル、地球の深部で誕生するダイヤモンドなど、毎号掲載される記事は2020年春号より再び掲載されます。本号および1934年以降に出版されたG&Gの全号は、全コンテンツ、フォト ギャラリー、特別なビデオ映像も含めて、GIAのウェブサイトGIA.edu/gems-gemologyにて無料でご覧いただけます。
 
その他の研究記事は、GIA.edu/gia-news-researchでご覧ください。

印刷版の購読およびバックナンバーのコピーに関しては、http://store.gia.edu/をご覧ください。


GIAについて

1931年設立の独立非営利組織であるGIA(Gemological Institute of America)は、宝石学における世界有数の権威として認められています。GIAはカラー、クラリティ、カット、カラット ウェイトからなる有名な4Cを考案し、さらに1953年にはダイヤモンドの品質の基準として世界中で認知されているインターナショナル ダイヤモンド グレーディング システム™を開発しました。
 
研究、教育、宝石学ラボ サービスおよび機器の開発を通じて、当機関は、最高基準の誠実性、学術活動、科学知識、プロフェッショナリズムを維持することにより宝石・宝飾品に対する公共の信頼を確保することに専念しています。