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Visions in Crystal(ヴィジョン・イン・クリスタル)


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写真: Robert Weldon/GIA, 提供:Tom Munsteiner

Tom Munsteine​​rは、ルネッサンスから現代まで続いている細やかな宝石細工のメッカ、ドイツ、イダー=オーバーシュタイン出身の三代目の宝石カッターです。 父親のBernd Munsteine​​rによる伝統的宝石細工技術の訓練に、プフォルツハイムでの美術およびジュエリー製作研究が合わさって影響を受け、天然鉱物片に新しい解釈を見いだし、宝石の彫刻を抽象芸術のレベルに高めることにつながりました。

「Visions in Crystal(ヴィジョン・イン・クリスタル)」は、高さが6フィート(210cm)を超え、それぞれがあらゆる角度にファセットカットされた264個のロッククリスタル・クォーツ、シトリン、スモ―キークォーツのタイルで構成されています。各タイルは60x40mmで構成されています。 アルミニウムの枠で囲まれた作品の表面を、スモーキークォーツとシトリンのタイルがくねって降りていきます。

彼は、宝石を芸術として見ることのできる例となる作品を製作しました。

「彫刻のためのアイデアは、私たちが年に一回クチュールフェアの展示をしているラスベガスで生まれました。」と、Munsteine​​r氏は述べています。 「多くのホテルや建物が、スケールの大きい素晴らしい芸術作品を展示します。そこから私も、ロッククリスタルの壁という、同じように大きな装飾品の製作を思いつきました。」  

すべてのタイルを全く同じように仕上げるタイルのカッティングや、このパターンにタイルを合わせることなど、コンセプトの決定から完成まで2年間が費やされました。

「デザインにはコントラストがなければなりません。同じ種類のカットが左右を向いていることで、見る者により強い印象を残します。」と、彼は言います。 「スモーキークォーツとシトリンで創り出したわずかな色のニュアンスが、このコントラストをさらに強めています。 これが作品のデザインの中の緊張感を生み、より刺激的で興味深いものとなっています。」

それぞれの宝石でできたタイルは、同じパターンながらわずかに異なる方向にカットされ、デザイン全体に質感とコントラストを与えている。 提供:Tom Munsteiner、 写真:Robert Weldon/GIA


GIAの博物館学芸員、Terri Ottawayは、Munsteine​​rがこの作品に注いだ時間と労力に感銘を受けています。

「宝石品質のロッククリスタルクォーツとスモーキークォーツをこれほど大量に入手するのは困難なことです。」と彼女は言います。 「博物館を訪れる人たちや学生たちは、これを見て目を奪われています。」

Munsteine​​rは、宝石がジュエリーのためだけに存在するのでないことを示すためにこの作品を製作したと言っています。 「私は、皆さんに宝石を違う角度から、まったく新しい視点から見てほしいと思っています。 単なるリングやペンダントの中の宝石を超えたものにもなり得ます。 芸術として見ることさえできるのです。」と彼は言います。 「『Visions in Crystal』のような作品が、宝石のカッティングや芸術に対する新しい考え方への足がかりとなることを願っています。」