写真撮影のヒント:宝石の一番美しい見方


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ブラジル、ミナスジェライス州産の2.87ctのアンダリュサイト。 左の写真は直接照明で撮られたもので、透明な宝石の豊かな多色性の色を引き出すために理想的だとは言えない。 むしろ直接照明は石を暗く見せ、ファセットの一部に沿って発光させてしまう。 宝石に拡散照明を使うことで、アンダリュサイトの多色性の色を引き出すことができる(右)。 写真:Robert Weldon/GIA

宝石やジュエリーを撮影する際、考慮すべき最も重要な要素が露出と焦点であるということは誰もが認めるところでしょう。 しかし、そういった写真をより高いレベルのものにするための手法がもう2つあります。それは照明と宝石・ジュエリーの位置決めです。 照明は失敗のない撮影を可能にします。 そして被写体の位置決めを上手く使えば、面白みのある写真だけでなく、見る者の心を掴んで離さない写真を撮影することもできるでしょう。

照明

  • 直接照明は装飾品に最適で、透明な宝石に用いると光の拡散を引き起こすことがよくあります。 アステリズム(星彩効果)やシャトヤンシー(キャッツアイ効果、猫目効果)などの現象を宝石から引き出すために使われることもあります。
  • その宝石が持つ最高の色を見せるには、直接照明よりも拡散照明の方が適しています。 半透明の白いガラスやプラスチック、布などを光源と宝石の間に配置することで、 拡散照明を作ることができます。
  • 直接照明と拡散照明を組み合わせることで、透明な宝石にきらめきや光の分散を足すと同時に最も美しい色を引き出し、写真にドラマチックな演出を行うことも可能です。
  • よく研磨された金属を撮影する際、特に直接照明下では光沢のある表面が課題となります。 大抵の場合は、金属の色調のグラデーションを見せ、デザインを施された金属細工を際立たせるのには拡散照明が適しています。
ブルートパーズとブリオレットサファイア、ダイヤモンドを使用したこのリングはどの方向から見ても美しい。 人間の目には対称性が魅力的に見えるため、「真正面」からの撮影も有効である(左)。 しかし、少し高度と角度をつけて同じリングを見てみると(右)、センターストーンがよく見えるだけでなく珍しいダブルシャンクのデザインも強調され、リングの全体を見ることができる。 写真:Robert Weldon/GIA
位置決め
  • 宝石は、真上からテーブルに対して垂直に見た際に最高の色を見せるようカットされ形作られています。 宝石がカボション(丸みを帯びたファセットされていない研磨された表面を持つ宝石)としてカットされており、アステリズム(星彩効果:宝石のインクルージョンにライトが当たった際に作られる六芒星)を持つ場合は、星が宝石の中心になるように照明を当てるのが最適です。 彫刻を施された金属を撮影する場合は、作品を撮影できる方向の自由度が高くなりますが、その場合でも製作者の主な意図を理解することが重要となります。 カッターやデザイナーに話を聞くことが大切です。
  • ジュエリーの位置を決める際には、ダイヤモンドやカラーダイヤモンドがセンターピースかどうか、そのジュエリーやカメラの位置や向きからデザイナーの意図を感じ取ることができるかなど、そのジュエリーの際立った特徴を考慮することが重要です。
  • カメラアングルをツールとして使うこともできます。例えば、真正面からの写真は記録としての撮影において重要となります。 閲覧者の想像力をかき立てるなら、被写体の向きを変えたり、カメラアングルを傾けたりすることでドラマチックな演出を行うこともできます。

GIAカールスバッドの写真およびビジュアルコミュニケーションのマネージャーであるRobert Weldonは、この記事を執筆するにあたり、彼の見解と専門知識を提供してくれました。