ベンチヒント#3:CAD/CAMの利点を発見
CAD/CAMの利点を発見する
CAD/CAMは、コンピュータ(CAD)上で三次元物体を設計し、コンピュータ化された機械(CAM)でそれらを製造するといった、2段階の工程を表す用語です。 テニスシューズから自動車製品の製造に至る迄、長年にわたってこの技術は不可欠な存在ですが、宝石業界においても急速にその重要性を増しています。 実際、専門家の多くは、CAD/CAMが近い将来、宝飾品のデザインと製造の主要工程になるだろうと考えています。
CADはcomputer-aided design(コンピュータ支援設計)の略語ですが、初期はコンピュータ支援製図を意味していました。というのは、本質的にはモニターとマウスを使って従来の技術的図面を作成するためのツールであったためです。 技術が進むにつれて、コンピュータ環境内にて三次元の「モデル」を作成することが可能となりました これらの「バーチャル固体」は画面上で回転させたり編集操作され、様々な角度から検討され、実体モデルと同様にカットし、また立体構成するにあたって計量も可能です。
ベンチジュエラーにとっては、CADモデリング画面は、鉛筆、紙、水彩画よりもワックス彫刻と共通点を持っています。 仮想モデルが設計者の要求に見合って完了したとき、CADファイルを製造用にCAM装置へ送信することができます。 Rhino(ライノ)、Matrix(マトリックス)、ArtCam(アートキャム)、 RhinoGold(ライノゴールド)およびSolidWorks(ソリッドワークス)は、今日、ジュエリー業界で広く使用されている3次元モデリングソフトウェアの例です。

CAD / CAMモデリングプロセスのはじまり。 コンピュータ上で容易にデザイン要素の追加または変更ができます。
伝統的な製造方法と比較したCAD / CAMの利点は、タイプライターと比較したワードプロセッサ(Microsoft Wordなど)の利点と似ています。 タイプライターは、最初からやり直すことなしには容易に変更できない、「一回限り」の文書を生成します。 しかし、Wordファイルは、簡単に変更して、他の文書にコピーして貼り付けたり、後で使用するために各段階で保存することができます。CADファイルも、設計者が操作した数だけコピー、変更または保存ができます。 モデルは設計、保存の後、再設計できるため、あるテーマにおいて文字通り無限のバリエーションを作成することが可能です。 ファイルは、翌日や10年後に開くことができ、そこからデザインを練り直し、CAM装置へ送信することもできます。 中には、マスターモデルの製造を停止したメーカーもあります。というのは、マスターモデルの正確な複製物を作成するには、ただオリジナルのCADファイルを開いて、CAM装置に送信するだけでいいからです。 小さな宝石店の多くはCADソフトウェアのみを所有し、そのようなモデルの製造サービスを行うCAM担当局へCADファイルをメール送信します。

CAD / CAMの最終デザイン。
製造プロセスの利点に加え、CADソフトウェアは、実際の作品が製造される前段階で、仮想ジュエリーモデルの壮大でフォトリアリスティックな画像を作成するV-Ray(ブイレイ)、Brazil(ブラジル)やMaxwell(マックスウェル)などのハイテクなレンダリングソフトウェアとの連携作業が可能です。 それらの画像は、非常に効果的なマーケティングおよび販売ツールとなります。
CAD / CAMで作成された設計のレンダリング。