記者発表

1925年の稀少なロマノフ家の宝石目録を初めて一般公開


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A.E. Fersman著(1925-26)、Russia's Treasure of Diamonds and Precious Stones(ダイヤモンドと貴石、ロシアの財宝)で紹介された 406点のロマノフ家の宝石のセレクション

GIAは、200冊を超える、宝石やジュエリーに関する稀少で歴史的に重要な書籍をデジタル化しています。

カリフォルニア州カールスバッド - 2016年9月7日 - ボルシェヴィキ時代に作成され、ロシア革命の際に押収された、現存する数少ない皇室の宝石目録のうちの一冊が、GIAのRichard T. Liddicoat宝石学図書館情報センターの大規模なデジタル化プロジェクトの一環として、初めて一般に公開されます。 この目録は、200冊を超える宝石やジュエリーに関する稀少かつ歴史的に重要な書籍も合わせて、archive.orgよりアクセスできます。 
 
「1917年に皇帝が失脚した後、著名な鉱物学者であるA.E. Fersmanが、専門家やAgathon Fabergéなどの宝石商からの助けを借りて、ロシアのレガリアや王冠の宝石を撮影し、目録を作成する任務を負いました。」GIA図書館のディレクター、Dona Dirlamが語ります。 「1925年から1926年にかけて、ボルシェビキの政府は、脚光を浴びた406点のロマノフ家の宝石が売却されることはないだろうとの意図を持って、Russia's Treasure of Diamonds and Precious Stones(ダイヤモンドと貴石、ロシアの財宝)を発行しました。 最終的には、作品のいくつかがオークションに供されました。現在、約20冊のFersmanの目録が現存することが知られています。」
 
Fersmanの目録で紹介された宝石は、1689年のピョートル大帝の治世から1917年の皇帝ニコライ2世失脚まで、ロマノフ王朝によって収集されました。 406点の財宝には、189カラットのOrlovダイヤモンドがあしらわれている皇帝の笏、200カラットのサファイアが埋め込まれた皇帝の地球儀、皇帝の王冠、皇室の婚​​礼用王冠、チェーン、星、十字架、エンブレム、ダイアデム、ネックレス、ブローチ、指輪、イヤリング、ルースダイヤモンド、エメラルド、サファイア、ルビー、スピネル、真珠、アレクサンドライトが含まれます。
 
デンバーでの2016年アメリカ地質学会(GSA)年次総会の出席者には、9月27日にコロラドコンベンションセンターで行われるGIA図書館員による特別ポスター発表の際に、このたぐいまれな目録について詳しく知る機会があります。 詳細は、http://www.geosociety.org/meetings/2016/sessions/topical.aspをご覧ください。
 
鉱物、宝石、宝飾品関連の主要な研究を含む、200冊を超える重要な作品が、現在、GIA図書館のデジタル化プロジェクトを通して、無料でダウンロードできるようになりました。 このプロジェクトは、宝石やジュエリーに対する国民の信頼を確保するというGIAの目的の中核をなし、GIA図書館内で最も古い書物、大プリニウスの「自然史」(1496年)に始まる500年分を超える著名な作品群にグローバルなアクセスを提供します。
 
ダウンロード可能でさらにハイライトすべきコレクションには、レンヌの司教MarbodeによるDe Gemmarum Lapidum(1539年)、Documents de Bijouterie et Orfevrerie Modernes (Paul Follot著、1895年)、The Curious Lore of Precious Stones(George Frederick Kunz著、1913年)、また、De Gemmis et Ladidibus Libri Duo(Joannes de Laret著、1647年)などがあります。
 
カルティエの稀覯本レポジトリ/アーカイブがあるカールスバッドのGIA図書館には、57,000冊を超える書籍、700冊の定期刊行物および雑誌、16万件のデジタル画像および1,900本のビデオの蔵書があります。コレクションは拡大を続け、宝石とジュエリーに関する世界でも第一級の情報レポジトリとなっています。 図書館がもつ豊富な宝石学の知識は、一般市民や商業、科学界関係者に利用されています。 詳細については、GIA.edu/libraryをご覧ください。 

GIAについて

1931年設立の独立非営利組織である GIA (Gemological Institute of America) は、宝石学における世界有数の権威として認められています。 1950年代初頭、GIAはカラー、カット、クラリティおよびカラット重量で有名な4Cを考案しました。さらに1953年にはインターナショナルダイヤモンドグレーディングシステム™を開発し、これは現在世界中のほぼすべての宝石専門家や宝石商により認識されています。
 
研究、教育、宝石学ラボサービス、機器の開発を通じて当機関は、最高基準の完全性、学問、科学およびプロフェッショナリズムを維持しながら、宝石・宝飾品に対する公共の信頼を確保することに専念しています。